簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

硝子体の手術

2013-08-30 | Weblog
 手術は午後から行われた。
頭に帽子、素肌の上に手術着、両足に血栓防止用のストッキングを履く。
下着は・・と言うと、何と大人用のおしめパンツだ。
これは術中に尿意を訴える患者が多いことに対する処置らしい。
珍妙な格好だが、これで準備は万端、車椅子に乗せられ、手術室に向かう。



 手術台に座ると、背もたれが倒され、少し座面が持ち上げられた様子。
腕には血圧や酸素を測定する機器、左目に開瞼器などが付けられる。
両足には何故かバイブレーターが、これも血栓防止が目的らしい。



 シートのようなものが被せられる。
手術をする左目の部分には穴があけられているらしく、その裏には粘着性
のテープでも貼られているのか、左目の周りにしっかりと張り付けられ、手
術の開始である。



 何回か目薬のようなものが滴下し、眼球の脇に麻酔であろうか注射針が
刺さるのが直近にぼやけて見えるがなぜか恐怖心はない。
局所麻酔だから、執刀医や助手・看護師の会話や、器具を扱う金属質の音、
器械の唸る音は良く聞こえる。



 痛みはほとんど感じない。
それでも途中、何かが眼に当たり、その曲線にそって、押さえつけるように
動いている感覚が伝わると、さすがに冷静ではいられない。

 「血圧200を超えました」と看護師、「○○を」との執刀医の声を聴く。
それにビビったわけではないが、僅かに指先が動いてしまった。
この動揺は術中の目に伝わるものらしく「顕微鏡を見ているから、動かない
でね・・」と空かさず執刀医の注意が飛ぶ。



 「空気入れるよ」の声がして、しばらくすると「は~い終わりました」と言う
執刀医の声が響いて、1時余りに及ぶ手術は無事終わった。(続)
(写真は清里高原、本文とは無関係)


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「黄斑上膜」と言う診断

2013-08-28 | Weblog
 検査の結果、「黄斑上膜」と診断された。
物の形や、大きさ、色、奥行き、距離など、視力を司る重要な細胞が集中
する網膜の、その中心が黄斑部で、そこの上に膜が張る病気だ。
 膜の収縮によって網膜を引っ張り、皺を作るので、ものがゆがんで見え
たりする。



 その原因は色々あるらしいが、多くは加齢によるものだが、中には外傷、
炎症によって起こる事も有ると言う。
正常な眼球でも早い人では40代くらいから、多くは60歳を過ぎると硝子体
に生理的な変化が起き、網膜から剥がれたものが一部に残りこれが積み
重なって黄斑上膜に成ると言う。



 眼の一番奥で起こっている病気だから、メガネや目薬・飲み薬での薬効
は期待出来ず、症状の進行を止めるには、手術でセロファン状の上膜を
取るより他ない。
 「直ちにどうこう言う状態でもないが、十年、二十年先のリスクを考えるな
ら、早めの手術を勧めます」と宣告する医師。



 頭の中では、「その頃生きているだろうか」と、何十年後かの自分に思いを
巡らすが、生きているならしっかりと見える目を持って生きていたい・・。
そんなことを考えると選択肢もなく、「宜しくお願いします」と医師に全面的に
委ねるより仕方ない。



 最近の手術では、結膜(白目)にはメスを入れず、05mmほどの管を三本ほど
硝子体に差し込んで、その管を通じて処置を行うので体へのダメージは大幅に
低減され、術後の目のごろつき感は全くと言って良いほどにないという。
当然リスクが全くないわけでは無いが、極一般的に行われる手術らしい。
 

 死ぬまで、こんな綺麗な花々を見て暮らしたい。
たとえ老いても、視力を失った世界など、考えられない。

 病室の空きを待ち、それから一か月ほど経って入院し、「黄斑上膜・硝子体
手術」を受けることに成った。(続)



(写真はバリ島、本文と無関係)

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眼科の精密検査

2013-08-26 | Weblog
 日を改めて、精密検査に臨んだ。
覗きこむと、プラネタリウムのスクリーンを小さくしたような器械では、スク
リーンの色々なところから突然大小の点が現れる。
確認が出来次第、手に持ったボタンを押すのだが、どうやら見える範囲を
調べているらしい。
 黄色い強烈な光を発する器械では、眼底網膜の写真を撮っている。
腕の静脈に造影剤を点滴し、眼底の血管写真も撮影した。



 それにしても眼科の検査が、これほどまでに器機を使って、大変なもの
だとは知らなかった。

 先ず1時間ほどかけて点眼薬を二三度差し、強制的に瞳孔を開いてか
ら検査が行われるのだが、検査機器は、どれもこれも強烈な光を放つも
のばかりで、これには泣かされた。



 台に顎を乗せ器械を覗きこむと、目にはすかさず強烈な光があてられる。
瞳孔が開いていて、ただでさえ眩しいのだから、さすがにこの光は厳しい。
「瞬きしないで。しっかり目を開けて」と言われても、無理だ。
眩しいものを見れば瞼は自然に閉じるように出来ているのだから、これは
何とも致し方無い。



 意識して、必死に目を開けようとするほどに緊張し、額には脂汗が滲み、
顎が引け、(自分では見えないが)顔が醜くゆがみ、だらしなく口が開いて
しまうのだ。「口は開けなくていいんですよ・・目を開けて・・・我慢してね・・」
と言われても・・・。



 それにしても、こんな強烈な光を直接目に当てて、大丈夫なのか?と思え
るほどだ。開いた瞳孔は、その後数時間はこのままだから始末が悪い。

 とはいえ、目は大切だ。
いつまでも長生きし、きれいな景色を見続けたいから、こんな検査にも我慢
して、耐えなければならない。(続)



(写真は群馬県内、本文と無関係)




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白内障のこと

2013-08-23 | Weblog
 近所に1年余り前に出来た眼科が開業している。
評判を耳にすることは余りないが、駐車場にはぼちぼち車も増え、患者も
付き始めている様だ。5月の初旬、意を決しそんな眼科に飛び込んでみた。



 視力検査から始まって色々な機器を覗きこんで一通りの検査を終え、医師
と面談すると「左右とも白内障の症状が有りますが、加齢性のものでしょう」
とのこと。要は、あなたも齢を取ったのですよ・・・と言う事だ。
「ただ、左目には二三か所、変視が見られます。詳しく検査をする必要が有り
そうです。」と、些かショッキングな宣託も聞かされる。



 「白内障」とは、カメラのレンズに相当する目の中の水晶体が、変性した
タンパク質で濁る病気で、これにより光の通過が悪くなり、光が乱反射して
網膜にうまく像が結べなくなり、視力が低下してくると言われる病気だ。
 原因は色々あるらしいが、多くは加齢性のもので、個人差はあるが、齢を
取ればだれでも多かれ少なかれ水晶体は濁って来るものらしい。



 多くの白内障は点眼薬でその進行を遅らせることが出来るが、薬で症状を
改善し、視力を回復させることは出来ないと言う。
日常生活に支障が有るような場合は、やはり手術と言うことに成るらしいが、
さしあたっては深刻に考える必要は無く、点眼薬をと処方された。



 それよりも心配は、左目である。
「アムスラーチャート」と言われる、方眼紙のようなシートを左目だけで見て
みると、正常ならすべての線が真直ぐで、直角に交わって見える筈なのに、
二三か所僅かに曲がって見える。これが悪いらしい。(続)(写真はイメージ)


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飛蚊症のこと

2013-08-21 | Weblog

「最近眼科の診察を受けられたことは?」
「・・・・・」
「眼科で、診察を受けられたことは有りますか?」
「ない・・・けど・・・?」
「眼鏡はいつでもお造りできますが、その前に一度受診されることを・・・」
作り変え以前に眼科に行くべき、と勧められたのだ。



 眼科には十数年前に行ったきりであり、そんなことが有ってもしばらくは、
どうしたものかと意か定まらないまま迷っていた。

 どうかすると目の前に、黒い小さな点や糸くずのようなものが飛んで見え、
瞬きをしても、目をこすってみても、見える場所が変わることが有っても消え
ることがなく、気になってしょうがない時期が有った。

 眼科の知識など何もなかったので、これはてっきり脳のどこかに障害が
起き、それが眼に悪さをしているのだと思い込み、近所の脳神経外科を訪
ねたことが有った。
 訴えを静かに聞いていた若い医師は「脳の病気とは思えませんが・・・、
それでは納得がいきませんよね」と言って、調べてくれた。



 動かないで下さいと言われ、横になり大きなドーナツの輪を潜ると、診断
が始まりガッタンガッタン、ガーゴーガーゴーと大きな音がする。



 15分ほどして出来上がった脳の断面写真を見ながら、医師は「年相応な
綺麗な脳です。一度眼科を受けられたらどうですか?」と言う。
どうやら、答えは解っていたようだ。

 不安を抱えたその足で、眼科を訪ねてみると診断の結果は「生理的な現
象で、いわゆる老化現象による飛蚊症」とのことで有った。
眼科を受診するとなると、それ以来のことだ。(続)(写真はイメージ)



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実感する視力の低下

2013-08-19 | Weblog
 普段の生活では、全く問題を感じないのだが、車に乗ってハンドルを握っ
た時、特に「夜間の」、「高速道路で」、「雨が降っている」と言う三つの条件
が重なると、途端に悪くなる。



 一般的には、誰もが経験的に感じていることではあるが、ここ何年かこの
条件下での物の見えにくさ、視力の低下を特に実感するようになっていた。



 今年の春先に、長いこと使い続けてきたメガネのせいかも知れないと思い、
国道沿いにあるメガネ店を訪ねてみた。
一式でも2万円でおつりがくると言うメガネスーパーである。



 これまで長年メガネは、パリ仕込みの高級感を謳ったメガネ店で作り続け
てきたが、何せ高くて遣り切れない。
枠と遠近両用のレンズをセットにすると、何時ものことながら10万円前後と
値が張る。
 メガネに、これは高すぎるとは思いながらも、不可欠とあって、いらないと
も言えず勧められるままに購入する。
結果高いものだからと無理をして、数年も使い続けることに成る。



 そんなことも有って2年余り前、初めてこのメガネスーパーを訪ね、購入し
たが、専門的な細かなことはいざ知らず、普通に使う分には、これで何ら不
自由を感じることもなく、これなら毎年でも変えられる・・・とも思っていた。



 メンバーズカードを見せ来意を告げると、保存してあるカルテを取り出し、
先ずは検眼をと、カウンターに据えられた検眼器を覗きこむように言われた。
 暫くして店員が「最近眼科の診察を受けられたことは?」と聞いてきた。(続)
(写真はイメージ)

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旅行の計画 (JR全線乗潰しの旅)

2013-08-16 | Weblog
 旅行の計画を立てる時、特に何回も普通列車を乗継いで遠くを目指すような場合、
出来る限り余裕を持たせたいとは思いながらも、なかなかそんな計画を立てることは
難しい。



 駅での接続は、たいていの駅では乗換に必要な時間は確保されているようだから、
左程心配する必要も無いが、時にはそれでも綱渡りを強いられることも少なくない。





 例えば、乗り替え時間が1分でも、到着ホームの向かい側に乗り継ぎ列車が待ってい
れば、難なく乗り換えることが出来る。
しかし仮に3分有っても、ホームが変わり、階段の上り下りが絡み、さらにそのホームが
少し離れていて、特に多客時などで階段やエスカレータが込み合うと、足の悪いお年寄
りや小さなお子さん連れならずとも、時には厳しくなってしまうこともある。



 こんな場合一列車遅らせば、何の問題もないのだが、特にローカル線に乗り継ぐ
となると、運行本数が大きな制約になるし、限られた日程で効率的に・・と考えると、
ついつい無理をしてしまう。



 だからこそ計画時の事前の調査は怠れない。
大型の時刻表やネツトの中には、駅の案内やそこでの乗換の情報は結構あって、
これらを丹念に調べておけば乗換の可否の判断材料となるし、何よりも事前の情報は
現地の構造的な状況を窺い知ることが出来るので乗り換え時の安心感にもつながる。



 北越○号は×分遅れて東三条を出発した。どうやら無事に乗り換えが出来た。
これなら予定通り、今日中に帰ることが出来そうだ。(JR全線乗潰しの旅・完)
(写真は本文とは無関係)


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列車の接続 (JR全線乗潰しの旅)

2013-08-14 | Weblog
 越後線の列車はまだ来ない。
運転指令であろうか、運転手は送受器を手に何か話しをしている。

 車内アナウンスが告げる。
「東三条から特急をご利用のお客様は、運転手までお申し出下さい」
2両編成の車両から、何人かが席を立ち運転手に申し出る。



 更に何分かが過ぎ、ようやく越後線との接続も終わり、再び走り出した列車が幾分か
遅れを取り戻し、終着駅に近づいた頃には特急電車の発車時刻はとうに過ぎていた。
「○番線で北越○号がお待ちしています。ご利用のお方は○番線へ少々お急ぎ下さい。」
告げ終わると運転手は、列車に制動を掛けた。



 運行本数の多い幹線なら、次の便に乗れば良いが、ローカル線で接続を逃せば何
時間も待つ羽目になる。
待つだけなら時間潰しに駅近辺を巡るのも、思わぬ発見が有ったりして悪くは無い。
しかし、事後の予定が狂ってしまうと大変だ。
列車の乗り継ぎが変わり上手く目的地に行き着けないかも知れないし、予定した宿に
入れないかもしれない。







 日がな一日幾つもの列車を乗り継いで、ギリギリの普通電車の旅を続けているよう
な時は、僅かな遅れが致命的に成ることもある。



 2時間後の次の便まで待つわけにもいかない。重い荷物を持って勢いよくホームに
飛び降り、跨線橋の階段を駆け上る。
向こう側のホームでは発車ベルを鳴らして特急が、走り込む乗客を待っていた。(続)



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前線が通過した翌朝 (JR全線乗潰しの旅)

2013-08-12 | Weblog
 鉄道を利用する泊まりがけの観光客は少ないのか、一夜明けた弥彦の駅に昨夜の
喧騒の名残は無く、ひっそりと静まりかえっている。
昨夜の、あのものすごい人混みはどこに消えてしまったのか。

 弥彦線の列車は、さして多くは無い乗客を乗せ、定刻に弥彦駅を出発した。



 今朝のニュースが、折からの前線の影響で、前日各地で大雨が降ったと告げていた。
昨夜は当地も生憎の小雨模様の中、祭りが決行された。
今朝は小康状態になったとは言え、鉛色の雲が低く、重く圧し掛かっている。



 背後に聳えていた弥彦山が遠ざかると、やがて越後線とクロスする吉田駅に到着だ。
「遅れています越後線と接続のため、列車は凡そ×分停車します。」
ここまで定刻運行していた列車の運転手が、車内アナウンスで告げる。
どうやら、新潟県内のJR各線は、雨の影響でダイヤが大幅に乱れているらしい。







 ×分経過しても向かいのホームに列車は来ない。
「列車の到着が遅れています。お急ぎのところ~~~もう暫くお待ち下さい。」
「困ったぞ。東三条では特急の乗り替えが5分しかないのに・・・」



 余裕の5分はとうに過ぎている。このままでは、乗り換えは出来そうもない。
思い余って運転手に声を掛けた。
「東三条で特急に乗りたいのだけど、遅れはこのままですか?」
「多少は取り返すと思いますが、いまのところは・・・・」
運行表を繰りながら運転手は、申し訳なさそうにそう答えた。(続)




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弥彦灯籠まつり (JR全線乗潰しの旅)

2013-08-09 | Weblog
 この日は、朝から神社の拝殿を中心に、数々の神事がすでに行われている。
夕刻に成ると“お欅引き”と呼ばれる巡行路を履き清める神事が行われ、“大灯籠の
宿下がり”と言われるこの祭りのメインイベントが続いて始まる。



 2基の御神輿を中心に、県内各地から献燈される大灯籠と、地元氏子が献燈する
多くの田楽灯籠がその前後を固め練り歩く行列の長さは1キロにも及ぶと言う。





 地元氏子の田楽灯籠が、一の鳥居の前でもみ合い歓声を上げている。
一頻舞い気勢を上げ終えると、その担ぎ手が弾んだ声で、「担いでみるか?」と声を
かけてくれた。





 誘われるままに輪に飛び込んで、担いでみる。
一見軽そうに見えた田楽灯籠であるが、意外にもずっしりと肩に食い込む程の重量が
あり、これを担いで揉み合う激しい動きにたちまち息が上がる。



 迎え灯籠に先導され、巡行が賑やかに温泉街を練り歩き始めると、弥彦公園では
花火が打ち上がる。
 最前、神社に向かう道筋で花火大会の準備に忙しい青年に「この雨だけど花火は
大丈夫か?」と問いかけると、「意地でも上げますよ」と力強く返してきた。



 夜も更けて道筋では、祭囃子に合わせた田楽灯籠が激しく舞い、観客を巻き込んで
気勢を上げ、祭りは最高潮を迎えた。

 小雨の降りしきる漆黒の夜空には、それに呼応するかのように花火が、幾つもの大輪
の花を咲かせそして散っていた。あの若者のパーワーが弾けているように見える。(続)






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