“ゆうゆうあぶくまライン”の愛称で呼ばれる磐越東線は、郡山からいわきまでを85.6Kmで結ぶ。
阿武隈高地と呼ばれる地帯を、ほぼ磐越自動車道と並ぶように走っている。
郡山を出る列車の多くは、途中の小野新町止まりとなる。
また、いわきを出る列車も、この途中駅止まりとなるものが多いので、郡山といわきの全線を結ぶ列車は、
一日に数本しか走らない。
郡山を13時18分に出た列車は、10分程走ると二つ目の三春駅に到着する。
この地は、梅と桜と桃の花がほぼ時を同じくして咲き始め、三つの春が同時にやってくる事から「三春」と
呼ばれるようになったとか。
樹齢千年と言われる「三春のしだれ桜(滝桜)」が知られている。
春に成ると大勢の花見客で賑わい、臨時列車の運行も有ると言う駅も、今は線路わきには薄らと雪が積もり、
ひっそりと静まりかえっていた。
この地に伝わる郷土玩具「三春駒」も、伝統工芸品として知られている。
「ふたつの宇宙にあえるまち」神俣までは、1時間足らずで到着する。
福島県内では最大級の反射式天体望遠鏡を有する「星の村天文台」と、日本の鍾乳洞では初めてと言われる、
舞台用の調光照明でファンタジーな演出が見られる「あぶくま洞」がある。
これを二つの宇宙と称し、人気を呼んでいるらしい。
小野新町は小野小町縁の町。
嘗て、秋田を旅した時も、幾度となく目にしたように、全国には小野小町の縁を売る町が幾つかあるようだ。
ここを過ぎると、夏井川渓谷を車窓に見ながら、40分余りで終着駅のいわきに到着する。(続)
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