85番札所・八栗寺は背後に聳え立つ五剣山に守られるよう建っている。
五剣山の名は、五つの峰が剣の尖のように聳え立っていることに由来するが、今で
は一峰が豪雨や地震で崩れ、半分ほどになり4剣半と言ったところか。
山門を潜ると境内が広がっている。
岩峰群を背に本堂が建ち、左に歓喜天を祀る立派な聖天堂がある。
聖天尊は商売繁盛の仏様らしく、商業を営む人々の信仰を集めていて、そんな事
も有ってか、境内には遍路や団体のみならず、観光地並みに家族連れの参拝も
多いようだ。
本堂前を右手、ケーブル駅の方に進むと大師堂や朱塗りも鮮やかな多宝塔など
が、巨木と岩肌に隠れるように並び建っている。
そこに向かう参詣道の途中に何故か、天津甘栗を売る屋台が一軒だけ店を広げ、
香ばしい匂いを辺りに振りまいていた。
その栗が寺号に因んでいるのかどうかは定かではない。
そういえば内陣ではこの日、霊場開場1200年記念事業として「招福ぜんざい」の
お接待が行われる。それはもしかして「栗ぜんざい」であろうか。
少し気になったが、10時からのお接待開始までにはまだ30分以上も時間があり、
待つ時間も惜しいので後ろ髪ひかれる思いで寺を後にした。
ここからは230mの五剣山の中腹からひたすら山を下り、瀬戸内海の志度湾に
面して建つ志度寺を目指すことに成る。
結願へのカウントダウンもいよいよ三寺を残すのみである。(続)
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