法界院の西、山続きの半田山の南斜面を利用した丘陵地に、市立の「半田山
植物園」が有る。
敷地は凡そ11万平方メートルと広大で、そこには153科、628属、3200種、約
15万本もの植物が植えられている。
元々この地には明治時代に造られた市水道局の配水池が有り、そこを利用して
植物園が造られ、昭和39年5月に開園した。
今でも園内には、明治から大正にかけて造ら円形配水池三基、大正時代に造られ
た矩形配水池二基などの他、昭和に造られた配水池などがそのまま残されていて、
それらを取り巻く場所が「半田山水道広場」として整備されている。
梅林、紅葉園、椿園、ツツジ園、ハーブ園などが整備されていて、園内の花木
草花は四季を通じて楽しめる。
入り口付近には中国の洛陽から導入した30品種350株もの「花の王」と言われる
牡丹が植えられた「洛陽牡丹園」もあり、大輪の花の咲くころは見事だ。
そんな中でもやはり桜の花の咲く、三月下旬から四月下旬にかけての頃の園内は
見応えが有る。桜林を中心に、園の遊歩道沿いに植えられた桜は45品種約1000本で、
その内ソメイヨシノは800本を数え、中にはシダレザクラの巨木や、樹齢100年を超
える古木も有る。
開花のシーズンには桜まつりが開催され、夜間のライトアップも行われる、特別
に夜間入園が出来る。この時期に限り、園内での火気の使用が許され、花見の宴の
市民も多くなる。そんな園内の遊歩道からは、明かりの煌めく岡山市街地が一望だ。
また満開で全山がピンク色に染まる半田山の姿は、津山線や山陽本線、山陽新
幹線の車窓からも眺められ、旅行く人々を楽しませてくれる。(続)
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