昭和60(1988)3月20日、瀬戸大橋完成を記念して、児島駅前を中
心に「瀬戸大橋架橋記念博覧会・岡山博‘88」が華々しく行われた。
本四備讃線の茶屋町と児島間の先行開業は、これ目当ての客を輸送する
ものであった。対岸の香川県・番の州会場と、同時開催である。
しかし海辺で大橋の袂にあって、会場内の瀬戸大橋タワーから瀬戸大
橋の景観を望める香川会場に比べると、内陸の岡山会場からは橋の雄姿
は見えず、この差なのか、入場者数は目標数には届かず、最終的には赤
字を出して終わった。
当時、両会場に足を運んだが、岡山会場の見劣り感は否めなかった。
そんな博覧会の中心的な施設が、「瀬戸大橋架橋記念館」で、駅から
900mほど離れた場所に建てられた。
館内では巨大な天井画や、世界各国の橋の写真や模型が展示され、コン
ピューターを使った子供向けのクイズやゲームなどは人気を集めていた。
巨大な太鼓橋をイメージしたユニークな外観は、未来に架ける夢の橋
をイメージしたとして評判を呼び、児島地区のランドマーク、新たな名
所として期待もされていた。
外壁に階段が設けられていて、当初この太鼓橋は渡れたように記憶して
いるが、今ではフェンスで仕切られている。
全国的にも珍しい橋の総合的博物館との触れ込みで、華々しくオープ
ンしたものの、博覧会が終わると一気に熱も冷め、この記念館の入場者
も減少を始める。
結果市の財政負担が増え、記念館としての営業は終焉を迎える事になる。
その後、館は改修され再開発が施され、現在は市民交流センターとし
て生まれ変わった。
目の前の芝生広場には、大橋のケーブル模型等が展示されていて、隣接
した親水公園・橋の公園と共に市民の憩いの場になっている。(続)
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