植物教室「公園の樹木をみる会」特別編、薄田泣菫(すすきだきゅうきん)生家の庭の観察会に参加できました。
薄田泣菫は、倉敷市生まれの詩人です(明治10年~昭和20年)。地元の高校生なら国語や歴史の授業の中で多少力を入れて紹介してもらう事があるかもしれません。難解な言葉が連なるその詩に閉口したことを思い出します。
「ああ大和にしあらましかば、/いま神無月、/うは葉散り透く神無備の森の小路を、/・・・・」響きの快く豊かなこと。
彼の生家は豪邸でもなく、庭に特別珍しい植物があるわけでもありません。このあたりでわりと一般的な樹木が植えられているようでした。数箇所に立ててある説明板の引用文が、文章家泣菫を語ってくれました。
手水鉢。桜の花びらの形に作ってあるところが、風流な好みを現しているようでした。
小さな和室が5間あるだけの平屋。数少ない家具の中で目を引かれたのがこの書棚です。クズの花が彫刻されていました。
なるほど庭には柿の老木。今ちょうど花の時期でした。
タラヨウの木の下からのぞくと、スズメ(?)が雨宿りしていました。
庭の入り口のナギ。黒々とした幹が存在感あり。
文化財として市が保存公開していることの豊かさをしみじみ感じました。詩集と随筆、ぜひ読んでみたいと思っています。