草木の色の不思議を見たくて、残暑の河原で掘ったカワラマツバの根を干しておきました。アカネほどではありませんが、根はほんのり赤いのです。期待が高まります。
お湯につけて一晩置き水を入れ替えて火にかけました。
一番液を水きりネットで漉したところ(赤く見えるけれど、毛糸を浸すと赤は残らずに、茶色かかった色に染まりました)
2番液。1リットルに5ccの酢を加えてから弱く加熱30分して漉しました。不織布には黄色がつきます。液は赤いけれど、毛糸を浸すと茶色っぽくなりました。後からミョウバン媒染しました。
3番液も酢を入れて煮出しました。赤が残らなくて悔しいので、漉した染液を2日寝かせ、毛糸は先にミョウバンで処理しておきました。すると前より澄んだ色に染まりました。
けれどまだ赤色が出ません。せっかく掘ったカワラマツバ、何とか液の色が定着しないものか、本を読みながらできそうな方法を考えて、灰汁で先に媒染してみることにしました。ワラビのアク抜きのためにもらった灰(たぶん藁の灰)があったからです。染めに使われる椿の灰とは違いますが、似た効果があるかも・・・・と素人考えしました。チャレンジあるのみ。
灰にお湯を注いで一晩置き、
上澄みだけを鍋に入れ、湿らせた毛糸を入れて先に媒染。
その毛糸を煮出した4番液に入れて過熱15分。冷めるまで置いて
引き上げてから、すぐまた灰汁につけて放置・・・・すると今までよりも赤みのある色が毛糸に付いてきました!始めから灰汁で先に媒染すればよかったかも~
味を占めて、染め液と灰汁の作業を、何度も繰り返して(たぶん7回くらい)、どんどん濃い色になりました。
夕焼け空が珍しく真っ赤(10/24)。毛糸はこんな茜色にはなりませんでした。合成染料がなかった時代、着る物の色を選ぶことは贅沢だったことだろうなどと思いながら眺めました。
左からもとの白・・・・1番液(酢を加えていない染め液、無媒染)・・・・2番液(酢を加えて煮出し・・・・あとからミョウバン媒染)・・・・3番液(酢を加えて煮出し、ミョウバンで先に媒染)・・・・4番液(酢を加えて煮出し、灰汁で先媒染することを繰り返したもの)
不思議で奥深い草木染、ただただ色が面白くて実験感覚で続けています。いつの間にか信じられない面倒そうなことまでしてしまいました。
先週末岡山県北部の高原、恩原に行きました。落葉松林の紅葉が見たかったのです。
前の晩から泊まって、夜明けの恩原湖を見ました・・・・白樺と落葉松の紅葉が湖面に写る、という秋の観光シーズンらしい風景ではありませんでした。水位が低く、湖面が狭くなっていました。
けれど周辺の車道沿いは、さわやかな秋景色でした。
シラカバとヤマウルシ。落葉松は、残念ながらまだ紅葉が始まったばかりでパッとしませんでした。このあたりの落葉松林は植林によるもので、自生はありません。造林樹として植えてみたけれど、優良な木材でなかったためそれ以上導入されなかったそうです。
恩原から人形峠に向かい、高清水高原の紅葉の自然観察会に参加しました。相変わらず何を見ても珍しいばかりの観察会ですが、回を重ねるだけの意味はあるように感じます。
コマユミ。ここまで来なくても、山にあるそうです。ツリバナも見えました。
ムラサキシキブ。みんなで味見をしました。毒ではない、程度です。
ヤマボウシの紅葉と、熟した実。これも食べてみました。食べられる、という程度。
今年はブナをはじめドングリが豊作だそうです。ブナの実も食用になることを知りました。その他にもたくさん見たり聞いたりできて、覚えたかどうかは別にしても満足でした。あまり興味のないミスターS は、どうせ忘れるのに何が面白いのか理解に苦しむ様子でしぶしぶ付き合ってくれました。
老松学区ふれあい会館の健康展に、秋草を飾りました。
オオバヤシャブシとノイバラをたっぷり使って・・・・タカノハススキ、ホトトギス、シュウメイギク、ツワブキ、コリウス、タカサゴユリを加えました。今年は木のプランターが花器です。もっと豪華にすればよかったでしょうか。皆さまお世話になりました。
秋にいただいて新聞にくるんだまま土間に置いてあったコンニャクイモを春先に植えました。4月27日のコンニャクの花の様子です!!におってごらんと言われていましたが、今年は恐くてできませんでした。これが花の咲き始めなのか終わりごろなのか、もっときれいだったのか、不明。
その後切れ込みのある緑の大きな葉が伸びて夏を越し、少し寒くなってくると葉が黄ばんでいたところ、今がコンニャク作りの時期と聞いて、掘ってみました。
大きい方の塊が、4.4キロ。もらった元の芋が大きかったようです。こんにゃくを作れそうな大きさなので試してみました。小さい方はまた植えてみるつもりです。
調べてみるとコンニャクを作るためには凝固剤として、水酸化カルシウム、が必要だそうです。けれど、どこに聞いても置いてあるところがないので、ネットで取り寄せました。便利でありがたいものです。ただし、何度も作らないと元は取れません。
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ジャ~ン!初めてのコンニャク作り、よく読んで作ったつもりでしたが、固まり方が弱くて失敗作となりました。何となくまとまって見えるものの、ゆるい感じです。売り物とはかけ離れているので、人にあげるわけにもいかず家族でせっせと食べています。くせがなくてお刺身で○。味がしみやすいのでおでんで◎。またの機会に上手に作りたいものです。
岡山県加賀郡吉備中央町加茂市場にある総社宮の加茂大祭は、950年の伝統があるお祭りです。長い、というだけでなく、誇れる文化であることに感動したので、少し長くなりますが一部をご紹介したいと思います。
10月18日、岡山県の重要無形民俗文化財に指定され、県下三大祭りの一つであると聞いて、地図を頼りに初めての地域に出かけました。岡山県中部のなだらかな山村地帯です。総社宮周辺の八つの神社から御みこしをはじめとしたお祭りの一行が早朝から集まります。各4キロから7キロの道のり。
(6:00 各社総代代表集合)
簡素な神社の建物。両側の広場にこれから4社ずつの神社が集まる。
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(6:30 九社総代桟敷に着く)
境内の杉、檜、銀杏は大木で樹齢550年ほどのものが並んでいる。
行列の開始を待つ子ども達。お囃子以外はほとんど男子だけの参加。
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(7:00 入御開始)
加茂神社から順に、化気神社、松尾神社、日吉神社、素盞鳴(すさのお)神社、八幡宮、天計(あまはかり)神社、三所神社の各社が、15分から45分の割り当て時間をかけて練り歩きながら境内に入ってきます。なんと4時間かかります。
奴練り
お囃子と獅子
鳥居をくぐってからひとしきりの演技を終えるまで出番は続く。
棒使い(神社によって衣装もお面も振り付けも様々)
のぼり
お迎えの神事
お神輿だけは勢いよく鳥居まで走って来る。
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(11:00 昼休み)そばを流れる宇甘川の河原などで食事。
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(12:00 お遊び行事)
境内の左右に各四基づつ収められた御みこしの前で、太刀振り・獅子舞・棒使いの演技が披露されます。
お囃子の音が一日響いている
(12:45 御神幸)
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(13:30 還御開始)
このあと2時間かけて各社が順に帰って行きます。~15:30!
この延々と繰り広げられるお祭りの手順は決まりどおり進み、区切りごとに花火の合図が上がります。
離れた神社から寄り集まってくるという珍しい形式の素晴らしさは、それぞれの神社ごとに自分達の村の仲間を意識して協力し高め合う姿に現れています。地域社会が生活のためにどれほど大切であったかを見せつけてくれました。幼いうちからこれを見て習い、自分の役目を立派に果たそうという意識が自然に育まれているのです。行列の中の子ども達が疲れた姿を見せずに坦々と笛を吹き続け、舞い続ける様子が、何よりも感動したところです。早朝からの長丁場、しなさいと言われてできることではありません。
この地域でもおそらく失われつつあるこうした社会のつながり。郷愁だけでない重要な意味を感じながら、谷内六郎の挿絵を思い出していました。
土曜日の夜、隣の山から太鼓の演奏が響いてきました。倉敷天領太鼓です。今年はこちらから、音を聞きながら夜景を撮影してみました。中央の森が鶴形山、その右手の明るい一帯が駅周辺です。
阿知神社の参道の灯りが、木々の間からほんの少し洩れていました。あの下に、お参りに集まった人たちのざわめきがあるはずです。大多数の家々では、お祭りとは無関係な時間が流れていたことでしょう・・・・
伝統行事を大切にしたいと思いながら、大きくなった子どもたちはお祭りに行きたいと思わなくなり、いただいた祭り寿司を食べただけで終わった我が家でした。
日曜日に見た加茂大祭の写真を整理中です。お祭り好きなわけではないけれど。