旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

「野良犬」と「醜聞~スキャンダル」

2009-03-20 20:50:00 | NHKに捧げる歌


もうすでに完璧に評価の定まっている黒澤作品を「何をいまさら」って感じですが、
このところ「マイブーム」、個人的にハマっているので、その感想などを少し。

最初この黒澤映画特集を録画の際、見たことも聞いたこともない古い作品は
無視して、私でも知っているような、たとえば「羅生門」とか「乱」などの有名なものだけ
録画しておけばいいやと考えたのですが、念のため手当たり次第録っておいて
よかったよ。この「野良犬」も「醜聞」もまったく未知の作品でしたが、どちらも
すごくいい映画でした。

刑事もの(サスペンス)と裁判沙汰もののハードな内容ですが、スリリングな場面は
もちろん、合間に挿入される人間ドラマ(家庭的な場面)の描写がとてもいいんです。
黒澤監督の演出力、それと共同で執筆している脚本(原作)の出来が
ずば抜けていて、全体に質の高い作品になっています。

ここ数本、三船敏郎、志村喬、仙石規子らがレギュラーで出ていますが、皆芸達者。
中でも志村喬さんは「酔いどれ天使」と「静かなる決闘」では同じ医者役ながら、
まったくタイプの違う医者を演じ分け、「醜聞」では小心者で小悪党の弁護士を熱演。
役者やね~ 我々世代には、志村さんといえば=ゴジラの科学者 ですがね。

あと意外な方がチョイ役で出ているのを見つけるのも楽しみ。たとえば、
「野良犬」には、鑑識係でキカイダーの光明寺博士(伊豆肇さん)がワンカットだけ
登場。顔はチラッと映るだけですが、あの個性的なお声は若いころから変わらない。

もちろん私もご多分に漏れなかったのですが、黒澤映画といえば
「スペクタクルな時代劇」のイメージしか浮かばない方は、ぜひ機会を見つけて、
古い作品もご覧になってみてください。


*WBCはなかなかタイミングが合わなくて、日本チームの試合が見られなくてね~
 そうか、勝っちゃったか…


コメント
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