早朝から動いているので正直少しでも早く旅装を解きたいのは山々なのだが、
明日以降の予定を考えるとちょっとでも南下しておきたくがんばって走り続け、目的地
「道の駅・たかはた」にたどり着いたのはもう夕方だった。ここは駅自体静かで過ごしよいし、
万が一翌朝天気が持ちこたえていたら、近くの烏帽子山公園に再挑戦することも可能なのが
ここを宿泊地に選んだ理由であった。
さあ停滞モードへと思っていたら、前回未開だった駅前の公園の桜と菜の花がここ数日の
晴天と高温とで満開で、まだギリギリ光線も当たっていたので慌てて機材抱えて走って行き
撮影した。長い一日になる時は、最後の最後までいい方向に予期せぬことが起こるのだ。
少し離れたところに鳴子峡があるとはいえ、ここ自体超魅力的な観光資源があるわけでなく、さりとて
メジャーな幹線道路沿いに立地しているわけでもないのに、いつ来ても人と車が溢れているのが「あ・ら・
伊達な道の駅」だ。大都市仙台から比較的近いといえば近いが、それでも1時間以上かかると思われる。
自身の魅力で客を呼べる道の駅の代表例だろう。
基本ひもじい食生活が続く車中泊旅の道中、これまでも施設内のレストランで何度か栄養補給させて
いただいている。バイキング・1100円で食べ放題なので、ここで昼夜分を食べだめておくのだ。
使用されている肉の量はわずかで、ほぼ野菜オンリーの食材(だからこそ原材料費を抑えられるのだろう)
は、すべて素朴な味わいながらいずれも味付けがとてもよい。
上の写真が一回戦。
こちらが二回戦。これで子供用の甘口カレーを除き、残り4種類(チキン、野菜、味噌、貝だったか?)を
すべて制覇した。おかずもかなりの種類に手を出したものの、豆腐などいくつかは食べ漏れている。
最後シャーベットで締めてお腹一杯。これであとコーヒーなどの飲み物やフルーツが充実していたら
言うことなしだが、経費などの事情であろう、そうしたものは割愛されているのが少し残念だ。
このまま先を急ぎ、帰宅モード突入でもかまわなかったのだが、せっかくだから見頃となりつつあるらしい
「西行桜の森」へ立ち寄ることにした。平泉あたりでは平地はすでに桜のピークは過ぎつつあり、強い風に
はらはら散り始めており(それがまたきれいで、花びら舞う中を車で走りぬける場面が幾度とあった)、
しかしどうやら標高の高い地点にあるらしい西行ではちょうどいい頃合になっているようだ。
ナビで西行はヒットせず、新設された道の駅・平泉に先に寄り聞くことにした。たまたま尋ねた方がここの
駅長さんで、「昨日も道を聞かれてねえ…」といいながらスマホで地図を検索しながら道を教えてくださった。
聞いたとおりキャンプ場を目指し車を走らせ(その曲がり角(地点)がすごくわかりづらく、聞いてなかったら
絶対素通りしただろう)、まず管理棟のある駐車場へたどり着いた。しかしシーズン外れということもあり
誰もいない。その手前、短いながら立派な桜並木があったが、それが西行の森の桜なのだろうか??
案内図によると、さらにその先の展望台まで車で入れそうなので向かうと、駐車場から先はダートの山道で、
ちょっと冷や汗もの。おまけに桜もほぼ見当たらない。案内図にあった「ヤマザクラロード(だったかな?)」の
場所はなんとなくわかったが、周囲の木々が大きく育ったせいか、肝心の桜はほとんど見えなかった。
展望台へ到着するもやっぱり桜はまったくなく、仕方なく撮ったのが上の2枚の写真だ。ピンク色の
桜の花が少し見えるあたりがヤマザクラロードの名残だと思われる。あと花といえばスイセンくらい。
ただ、途中カタクリの群落などもあり、それなりに楽しませてくれたのは間違いない。
この日は高温で視界が悪く(秋田県で黄砂が観測されたとあとで聞いたので、その影響もあったのだろう)
もやの中にぼんやりとしか見えなかったが、栗駒山らしき白い山並みも確認できた。
それにしても誰もいない。もうちょっとしたら山菜取りの人たちが入ってきそうな場所なのだが。
あきらめ戻り、管理棟のさらに下にあった桜並木を写す。この並木は立派だが、これで「桜の森」は
ないよなあ。いわゆるこりゃあ、がっかり名所だなと思った。
その並木のそばにも案内図があり、もう一度見てみると、「桜の見本園」なるものが別の地点(現在地から右)
にあり、もしかしてここのことなの? そこへ行くには別のルートから車を回りこませる必要がありそうだったが、
こうなりゃあ意地だ。ここまで来た以上は真相を見極めねばならぬ。
地図を頭へ入れ、見当つけた方面へ車を走らせ、そろそろかというところでなんと電柱の架け替え工事!
今始めたとこなのでだいぶ時間がかかります、迂回願いますだと! 桜のたくさんあるところでしょ、すぐ
この先なんですがとの事、腹立つわあ!
下から(麓から)ぐるっと回り込んで、向こうから合流できるらしいですと警備員はのたまったが、本人は
よくわかっていないご様子、普通、迂回路とか用意するよなあ。いったん下り、合流した道を左へ折れ、
次に左(山側)へ曲がれる細い道を探し、登りきった道を左折して、ようやく見本園へと至る坂道へたどり着いた。
その坂道のすぐ先で工事が行われていたのだ。なんでこんな苦労せにゃあならんの?
坂道を登りきったところに駐車場があり、ほかに1台と養護施設(老人ホームだったかな?)のバスが
止まっているだけだった。がしかし、園内歩き回り撮影しているうちに次々車が上がってきて、あっという間に
10台以上にはなっていた。
園内はたとえば(私は訪れたことないのだが)福島県の花見山のスケールをグッと小さくした感じで、様々な
種類の桜やそのほかの木々が植えられ、それらがいっせいに開花しているので、色の重なりがとても
美しい。情報では満開寸前とのことであったが、私の印象としては見頃をやや過ぎつつある感じで、
それは花によってはすでに一部散り始めていたからだ。
そんなこんなでうれしがって撮影した。先の北上がこの旅のラストショットかなと考えていただけに、
ここでのセッションはうれしい誤算だ。公証桜の木3000本あるとのことだが、それはこの広い森
全体に植えられている数であろう。先ほどの並木なども含まれていると思われ、見本園だけではそこまで
たくさんそろってはいない。
この施設(木工館だったっけかな?)は本日閉館しており入れなかったのだが、花見に来ていたおばさんは
ここのベランダ(この写真でもチラッと写っている)から見下ろす風景がいいのにと残念がっていた。
そのベランダからではないが、少し離れた小高い場所から桜群を見下ろしておいた。桃源郷というか
別天地のようなところで、いつかまた訪れたいと思う。しかし、無事たどり着けるのだろうか?
先のおばさんに、それはそうと、まだ工事やってましたか?と尋ねたところ、通れるって言うので
狭いところ抜けようとしてボディの横こすって長~い傷つけちゃったとお怒りだった。そういうのって
賠償申し願いできるんじゃあ… 無理?
やっぱあの警備員はアブナイ。朴訥とした人の良さそうな若者だが、ちょっと頼りなさ過ぎ、近寄らない
ほうがいい。
坂道を下ると、「まだ工事中です」と言われたので素直に従い、自分で見つけた迂回路を逆にたどり、
まるで西行に試されたかのような妖しげな心持ちで、森からさまよい出たのである。
南下、イオン前沢店に立ち寄り、フルール・きくやで土産購入。写真の菓子は「賞味期限が
迫ってますが…」とした上で、おまけにくれたものだ。道中おやつにいただいた。
前職場用には「かもめのたまご」を購入。きくやは全般ややお高いので、予算が合わないのだ。
その点かもめはバランスがとれており、岩手県を代表する銘菓としてチョイスした。
4月22日(月) 晴れ時々くもり
早朝から北上展勝地へ。結局この日も満開宣言は出なかったようだが、素人目にはこれ、どう考えても見頃で、
花の状態は非常に良かった。
中間点付近にあるシダレザクラ。この背後(右方向)にもまだまだ桜並木が続いている。
哲学の木ほどではないが微妙に傾き、並木からは外れ、孤高感を漂わせている大きな桜の木。
哲学の木はあちらでも健気に傾き続けているのだろうか。いずれまた向こう側で会えるはず。
ぼくは目刺しぢゃあないよ。
昨日かなり強い風が吹いていたので泳ぎ疲れたのだろう。
桜とスイセンとこいのぼり。