さすがにワンパターンすぎるかと、この日はあさひ食堂で「特みそ・930円」を
いただいた。以前はあさひというと特みそだったんだけど、味が変わった(落ちた)
ような気がしてならず、このところは積極的に注文しなくなっていた。
久々に食べてみて、やっぱりその感覚が今も変わらないのを再確認し、私としては
しおセットのほうが性に合っているようなので、次回はまた懲りずに注文しよう。
9月18日(水)くもり
予報では晴れのち曇りだったはずが、早朝すでに雲が多い。トムラウシは見えているし、
その上空に薄雲、可能性があるとすれば前回同様朝焼けすることだ。ゆっくり目に出発し、
ダメ元で高根ヶ原方面へ歩き出し、あまりうれしがって遠くへ行っても撃沈する恐れが
大なので、すぐ近くのチングルマの群落地で待機することにした。
しかし、朝焼けはしたもののほんのわずかで、しかもその後まったく日差しがなく、
やはりダメかと、すごすごとテントへ引き返した。
そして朝食、トイレを済まして出てきたら、青空が広がり始めていたので、大慌てで
先ほどの地点へ再び向かった。雲の切れ目からやや鈍くではあるが日が差して、ギリギリ
シャッターを切れた。
何やってんだか…と苦笑いして、自分に突っ込みを入れたいところだが、いい時を写真に
収めてあげられよかったと納得しておきたい(翌日は大雪で、すべて白一色の世界だった
はずだから)。
さて、問題は山に残るか、下山するかであった。名古屋のSさんも判断を迷っておられ、
一応三泊分の食料を担ぎ上げているとのことであったが、天候を気にして、スマホでチェックを
欠かさずされていた。がしかし、私がテン場へ戻ると、なんともうすでにテントの撤収を終えられて
いたのでびっくりした、判断早やっ!! 何度確認しても明日暴風の予報が変わらないので
下山を決め、このあと緑岳でナキウサギを撮影しつつ下山するという。
私は昨夜ごちそうになったので食料事情がやや好転し、切り詰めたら最低あと二泊はできそう
だったのと、この話を士別のOさんにしたところ袋めんを分けてくださり、さらに千葉のNさんも、
「もし残るんだったら、そこら中から食料をかき集めてあげるよ」とまで申し出てくださったので、
どうしたものかとかなり迷ったのは事実だ。しかしそこら中ってどこだ? 管理人さんの食糧庫
からだったりして…
というのも、明日から明後日にかけ大荒れになると同時に気温が下がり、雪になるのはほぼ
確実で、私自身、山上で「雪越し」の経験がなかったので、これはもしかしたら絶好の機会では
なかろうかと思ったのである。テントを撤収、小屋に逃げ込めば風は防げるし、Nさんの
手配次第では、食料も数日持ちこたえられるかもしれなかった。
一番の問題は、私が雪山の経験がほぼまったくなかったことで、対策として一応軽アイゼンだけ
用意していて、山上に薄っすら積もる程度の初雪なら対処できそうだが、たまに一気に
麓まで積もるようなドカ雪になることがあり、もしそうなれば、経験、体力不足の私では
自力での下山が難しくなってしまう(結果、予想以上の大雪となったのだが)。
さらに今年は紅葉の出来が全般良くなく、せっかく雪が積もってもそれと取り合わせて
写せそうな場所がほとんど思い当たらないこともあり、迷った挙句、トータル下山が正しいとの
判断を下し、私も撤収を決めた。
長期滞在している札幌のWさんも、さすがにこの予報通りの風だと無理だわと、小屋へ避難
するべくテントを片付けられたので、テン場のテントはこれでいったんすべてなくなった。
下山はたまたまOさん、Nさんらと一緒のタイミングとなったが、さすがにお二人の脚力には
ついていけず、私はどんどん引き離されたのだった。
緑岳直下でナキウサギ撮影中のSさんと遭遇。ナキちゃん、真っ赤なウラシマツツジをくわえている!
いい瞬間を写せた! って、写したのはSさんで、私はただ見てただけ~であったが。
緑岳から見下ろす紅葉、一日のことでかなり色づきが進んでいた。明日の暴風でかなり
散ってしまうかも(というか、おそらく一面真っ白で、この日が紅葉風景としての今年の
見納めだった可能性が高い)。
シバ山尾根の紅葉。橙色が中心だがかなり色づいていた。
第一花畑から緑岳を見上げる。
見晴台から高原温泉沼方面。ここの色づきも少し進んだように見えた。
無事下山し、高原山荘で入浴。ここでOさんらと最後の歓談を少々。
私としては、夏に下山中転んで負傷したので、そのマイナスの記憶を払拭し、リベンジする意味を
兼ねての登山でもあった。転んだ際の記憶がフラッシュバックし、いつも以上に慎重な足取りで
歩みを進めたつもりであったが、意識すればするほど、ガレ場には浮石が多いことに気がついた。
夏に転んだときに乗ってしまったであろう浮石を、たぶんこれだと特定できた。平らな石で、
一見安定しているように見えて、体重をかけるとかなりの角度で傾くのでやっかいだ。
皆さんもくれぐれも用心し、楽しく登山を終えるように願う。温泉につかって汗と疲れを落とし、
おいしいビールが飲めるように。