新興住宅地が広がる秋田駅東側の多くが、地名としては「広面(ひろおもて)」地区。
秋田駅から真東に2キロ進むと太平川に突き当たり、広面の東端になる。対岸は下北手地区でノースアジア大学や同附属明桜高校がある。
その辺りに桜の時期に少し紹介した、秋田市の「広面近隣公園」がある。
「秋田市例規集」によれば、所在地は「秋田市広面字碇(いかり)1番地1」、平成10(1998)年3月31日供用開始となっている。
秋田市が管理する公園には、いくつかの種類がある。いわゆる“児童公園”の「街区公園」はたくさんあるが、数か所だけ「近隣公園」がある。
秋田市の近隣公園は都市公園法施行令第二条の「主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とする都市公園は、近隣に居住する者が容易に利用することができるように配置し、その敷地面積は、二ヘクタールを標準として定めること。」に相当するもののようだ。町内だけでなく、その周辺に住む人たちの利用をも想定した、やや広めの公園ということだろうか。(街区公園は「主として街区内に居住する者の利用~」で「〇・二五ヘクタールを標準」)
地図や航空写真をご覧いただくと分かりやすいが、広面近隣公園は(以前も書いたけれど)、大昔に太平川だった流れが長年の水流の変化により川でなくなって取り残された「三日月湖」とか「河跡湖」と呼ばれる、細長い形の沼というか池を活用した公園。池と川の堤防の間が公園になっている。
以前来た時、池にアヤメ類と思われる植物が生えていたので、咲いているかもしれないと思い、この時期に初めて訪れてみた。
【19日追記】所在地の「碇」という地名がちょっと変わっているが、秋田市立東小学校のホームページによれば、「東北地方では,洪水になりやすい地区につく名前。よく洪水が起きたことからつけられた。」とのこと。川が蛇行していて洪水が起こりやすく、三日月湖ができたということだろう。この辺りの地名(住居表示前の小字)には、地形や水路にまつわるものが多く、おもしろい。
公園は大雑把にいえば「2枚セットの三角定規の二等辺三角形じゃない方」みたいな形。その頂点3か所に入口があるが、いずれも住宅地や川に挟まれた場所にあり、不慣れな者には分かりづらい場所。
幹線道路から遠くはないが、住宅地の中に入口がある
入口周辺のブロック敷きの部分は、普段は車が入れないが、今は車止めが一部外されて中に車が駐まっていた。
今だけ駐車用に開放している(普段は駐車場がない)
※「菖蒲」とあるが、それではショウブ科(またはサトイモ科)の葉っぱをお風呂に入れる別の植物なので、正しくはアヤメ科の「花菖蒲(ハナショウブ)」。
わざわざ駐車スペースを作るほど、見応えのあるものかと期待して園内へ。
堤防の桜並木や、対岸の山の緑が見えるが、公園内には大きな木は少ない。
広い原っぱがメイン
走り回ったりして遊ぶのには都合がいいと思うが、もうちょっと木陰が欲しくもある。トイレやベンチ、あずまやが設置されている。
小さな子どもや犬の散歩の人が訪れたり、川沿いをウオーキングする人の休憩場所として活用されているようだ。
園内で少し低くなっているのが、
湖というか沼というか池
薄暗さとか恐怖感は感じないが、水が淀んでいて、汚くはないがきれいでもなさそう。
水辺に下りられる構造にはなっておらず、対岸に渡ることもできない。対岸は園外で住宅が並ぶ。
僕は以前、この池にアヤメ類が生えているのを見たのだが、それが花を咲かせていた(写真がないですが)。
しかし、それは黄色い花しか存在しない、「キショウブ(黄菖蒲)」だった。(ハナショウブなどと同じアヤメ科の植物だが、「黄色い花が咲くハナショウブ」ではなく、別の種)
キショウブは、元々日本には自生せず、海外からもたらされて野生化して広がっている「帰化植物」の1つ。生態系に影響を与える可能性があるため、環境省の「要注意外来生物」に指定されている。【2016年6月21日追記】「要注意外来生物」は2015年に発展的に解消され「生態系被害防止外来種」となりました。この記事末尾の追記参照。
キショウブだったのにはがっかりしたが、園内を見渡すと、公園中程の池のほとりに、池とは別にハナショウブ園(?)があった。
これは予想外!
思いのほか広く、木道が通っていて、千秋公園のアヤメ園に負けない。
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日当たりがいいせいもあるかもしれないが、手入れがいいようで、元気に見えた。
地面には、黒いビニールが敷かれていた。畑作物で保温や雑草抑制のためによく行われる「マルチング」だと思うが、観賞用の植物でやっているのは珍しい。
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ちらほらと咲きはじめたといった感じ。千秋公園のよりも花色がいろいろあるみたいだし、つぼみがたくさん着いていた。
もう少しすれば、とてもきれいに咲くに違いない。
ほとんどつぼみの一角もあって期待できる
“近隣公園”だからか、秋田市もPRしていないようようだが、なかなか見応えがあるハナショウブだと思う。(車で大勢押しかけられても困るだろうし。車の方は県立小泉潟公園はもっといいと思いますのでそちらへ…)
千秋公園のアヤメ園は今はイマイチのような感じもするので(←個人的な感覚です)、広面へ行ってみるのもいいかもしれません。
●アクセス ※公園周辺の道が分かりづらいので、地図での確認をおすすめします。
・秋田駅東口から約2キロ
・秋田駅東口からバス「赤沼線」(大学病院・駅西口経由車庫行き)
「碇入口」バス停(城東十字路の東)から約250メートル。160円
・秋田駅東口からバス日赤病院経由御所野方面行き、南ヶ丘行き
「広面宮田」バス停(横金線のケーズデンキ前)から約500メートル。170円
・秋田駅東口から「秋田東営業所行き」(西口発もありますが、所要時間・運賃が増えます)
終点「秋田東営業所」(城東中学校隣)から約600メートル。160円【その後2011年に東営業所は廃止になり、東営業所線も廃止になりました。代替路線はやや遠いので省略します】
【20日追記】広面近隣公園の500メートルほど北に「広面街区公園」が存在するほか、小字名を付けた「広面○○街区公園」がいくつかあるので、混同しないようご注意ください。
※続きはこちら
秋田駅から真東に2キロ進むと太平川に突き当たり、広面の東端になる。対岸は下北手地区でノースアジア大学や同附属明桜高校がある。
その辺りに桜の時期に少し紹介した、秋田市の「広面近隣公園」がある。
「秋田市例規集」によれば、所在地は「秋田市広面字碇(いかり)1番地1」、平成10(1998)年3月31日供用開始となっている。
秋田市が管理する公園には、いくつかの種類がある。いわゆる“児童公園”の「街区公園」はたくさんあるが、数か所だけ「近隣公園」がある。
秋田市の近隣公園は都市公園法施行令第二条の「主として近隣に居住する者の利用に供することを目的とする都市公園は、近隣に居住する者が容易に利用することができるように配置し、その敷地面積は、二ヘクタールを標準として定めること。」に相当するもののようだ。町内だけでなく、その周辺に住む人たちの利用をも想定した、やや広めの公園ということだろうか。(街区公園は「主として街区内に居住する者の利用~」で「〇・二五ヘクタールを標準」)
地図や航空写真をご覧いただくと分かりやすいが、広面近隣公園は(以前も書いたけれど)、大昔に太平川だった流れが長年の水流の変化により川でなくなって取り残された「三日月湖」とか「河跡湖」と呼ばれる、細長い形の沼というか池を活用した公園。池と川の堤防の間が公園になっている。
以前来た時、池にアヤメ類と思われる植物が生えていたので、咲いているかもしれないと思い、この時期に初めて訪れてみた。
【19日追記】所在地の「碇」という地名がちょっと変わっているが、秋田市立東小学校のホームページによれば、「東北地方では,洪水になりやすい地区につく名前。よく洪水が起きたことからつけられた。」とのこと。川が蛇行していて洪水が起こりやすく、三日月湖ができたということだろう。この辺りの地名(住居表示前の小字)には、地形や水路にまつわるものが多く、おもしろい。
公園は大雑把にいえば「2枚セットの三角定規の二等辺三角形じゃない方」みたいな形。その頂点3か所に入口があるが、いずれも住宅地や川に挟まれた場所にあり、不慣れな者には分かりづらい場所。
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入口周辺のブロック敷きの部分は、普段は車が入れないが、今は車止めが一部外されて中に車が駐まっていた。
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※「菖蒲」とあるが、それではショウブ科(またはサトイモ科)の葉っぱをお風呂に入れる別の植物なので、正しくはアヤメ科の「花菖蒲(ハナショウブ)」。
わざわざ駐車スペースを作るほど、見応えのあるものかと期待して園内へ。
堤防の桜並木や、対岸の山の緑が見えるが、公園内には大きな木は少ない。
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走り回ったりして遊ぶのには都合がいいと思うが、もうちょっと木陰が欲しくもある。トイレやベンチ、あずまやが設置されている。
小さな子どもや犬の散歩の人が訪れたり、川沿いをウオーキングする人の休憩場所として活用されているようだ。
園内で少し低くなっているのが、
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薄暗さとか恐怖感は感じないが、水が淀んでいて、汚くはないがきれいでもなさそう。
水辺に下りられる構造にはなっておらず、対岸に渡ることもできない。対岸は園外で住宅が並ぶ。
僕は以前、この池にアヤメ類が生えているのを見たのだが、それが花を咲かせていた(写真がないですが)。
しかし、それは黄色い花しか存在しない、「キショウブ(黄菖蒲)」だった。(ハナショウブなどと同じアヤメ科の植物だが、「黄色い花が咲くハナショウブ」ではなく、別の種)
キショウブは、元々日本には自生せず、海外からもたらされて野生化して広がっている「帰化植物」の1つ。生態系に影響を与える可能性があるため、環境省の「要注意外来生物」に指定されている。【2016年6月21日追記】「要注意外来生物」は2015年に発展的に解消され「生態系被害防止外来種」となりました。この記事末尾の追記参照。
キショウブだったのにはがっかりしたが、園内を見渡すと、公園中程の池のほとりに、池とは別にハナショウブ園(?)があった。
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思いのほか広く、木道が通っていて、千秋公園のアヤメ園に負けない。
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日当たりがいいせいもあるかもしれないが、手入れがいいようで、元気に見えた。
地面には、黒いビニールが敷かれていた。畑作物で保温や雑草抑制のためによく行われる「マルチング」だと思うが、観賞用の植物でやっているのは珍しい。
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ちらほらと咲きはじめたといった感じ。千秋公園のよりも花色がいろいろあるみたいだし、つぼみがたくさん着いていた。
もう少しすれば、とてもきれいに咲くに違いない。
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“近隣公園”だからか、秋田市もPRしていないようようだが、なかなか見応えがあるハナショウブだと思う。(車で大勢押しかけられても困るだろうし。車の方は県立小泉潟公園はもっといいと思いますのでそちらへ…)
千秋公園のアヤメ園は今はイマイチのような感じもするので(←個人的な感覚です)、広面へ行ってみるのもいいかもしれません。
●アクセス ※公園周辺の道が分かりづらいので、地図での確認をおすすめします。
・秋田駅東口から約2キロ
・秋田駅東口からバス「赤沼線」(大学病院・駅西口経由車庫行き)
「碇入口」バス停(城東十字路の東)から約250メートル。160円
・秋田駅東口からバス日赤病院経由御所野方面行き、南ヶ丘行き
「広面宮田」バス停(横金線のケーズデンキ前)から約500メートル。170円
終点「秋田東営業所」(城東中学校隣)から約600メートル。160円
【20日追記】広面近隣公園の500メートルほど北に「広面街区公園」が存在するほか、小字名を付けた「広面○○街区公園」がいくつかあるので、混同しないようご注意ください。
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