昨日の記事で、JR東日本から発表された12月ダイヤ改正の内容とその感想をアップした。
一夜明けて、各マスコミ(主に新聞)の報道が出てくると、新たな情報が判明し、昨日とは違った感想を持ったので、改めて別記事にさせてもらうことにした。
●大館始発の特急が! 「日本海」は?
昨日のリリースでは、青森以南の奥羽本線を走る特急列車は、秋田発着の「つがる」4往復だけになると理解していた。
ただし「※この他、臨時特急列車も合わせ、新青森駅を発着する「はやて」と青森・弘前方面の在来線を接続させる体系とします」という一文もあったので、多客期などには増発されることが予想されたが、まだ未定なのだろうと考えていた。
また、寝台特急「日本海」の処遇や弘前以南の普通列車については分からなかった。
ところが、秋田県大館市の「北鹿(ほくろく)新聞」のサイトに
「大館発着のリレー列車 新幹線・新青森に接続 寝台含め特急7往復」という記事がアップされた。それによれば、
「(秋田発着4往復に加え)大館―青森間に特急「つがる」を2往復設定する。」
「寝台特急「あけぼの」「日本海」各1往復も新青森駅へ停車」
「弘前―青森間で運転している普通列車2往復について、大館まで延長する形で増発」
実にさらりと伝えているが、多くの新たなことが分かった!
毎日新聞秋田版や弘前市の「陸奥(むつ)新報」も大館発着の特急について触れており、
「大館-青森間は臨時列車として当面の間毎日2往復を運転」(毎日秋田)
とのこと。
以上から分かったことをまとめると、
・秋田発着4往復に加え、青森-大館間の「つがる」を2往復運行。臨時列車扱いだが、毎日運転。【29日追記】うち下り1本は浅虫温泉始発。下記参照。
・「あけぼの」だけでなく「日本海」も存続。
・弘前-大館間の普通列車が2往復増。
ということになる。
昨日の段階では、従来とあまり変わらなく感じて拍子抜けしたが、上記の点が分かると、これはすごい。大館と津軽の結びつきが強まりそうだ。
いや、県境の矢立峠があるとはいえ、大館と弘前はわずか40キロ。車では行き来する人が多いので、今までの公共交通機関が少なすぎたということか。
大館発着の特急といえば、1993年からしばらくの間、特急「たざわ」が1往復だけあった。(東能代・秋田・大曲経由で盛岡と結ぶ)
上りは朝、特急「白鳥」のわずか数十分後に大館を発車するダイヤだったと記憶しているが、そのせいで利用が少なかったのだろうか、後に快速に格下げされたそうだ。
それ以来の復活になるが、上り秋田方面に向かうのでなく、下り青森方面に向かう逆方向の列車になる。
「臨時列車」なのに「毎日運転」とは変な感じがするが、たまに行われるパターン。試しに運転して利用状況を見て、定期化するか、曜日を決めて運転するか、混雑時期だけの運転にするか等を最終判断したいのだろう。
弘前-大館間の普通列車は、現在8往復運行されているので、2往復増えると10往復になる。
僕が弘前に住んでいた頃は7往復だったのだが、10年ほど前に昼間の1往復が新設(当初は毎日運転の臨時列車扱いだったが、後に定期化)されて以来の増設だ。
一方、大館から上り秋田方面の普通列車は、現在11.5往復(快速含む)。
改正後も変わらないとすれば、大館からは秋田方面・青森方面ともほぼ同数(特急を含めれば青森の方が多い)の列車が走ることになる。
大館にとっては、大きな変化になりそうだ。
なお、河北新報の記事によれば、「いなほ」が廃止されるのは秋田-青森間だけで、秋田-新潟間はやはり残るそうだ。
●「つがる」の車両は決まってる?
昨日の段階では、「つがる」に使用される車両も不明だった。
現在の「かもしか」の車両は老朽化しているし、そもそも4往復(さらに大館発着2往復)をまかないきれない。現在の「つがる」用の車両をそのまま転用(というか横滑り)させるのがベストなのではないかと考えていた。
ところが、この点も上記3紙は伝えてくれた!
「「つがる」は、座席定員252席の4両編成で運転する。」(北鹿)
「現行のかもしかより1両多い4両編成のリニューアル車両を使う。」(毎日秋田)
「つがるは4両編成で運行、「白鳥」と同じ485系車両が当面、使用される。」「つがるの車両は当面、特急「白鳥」の485系が使われる」(陸奥)
これもあっさり解決だが、一般の方には少し解説が必要。
実は、現在、「つがる」には2種類の車両が使用されている。
1つは2000年から「スーパーはつかり」(当時)用として走り始めた「E751系」電車。(陸奥新報では「751系」としていたが、正しくは「E」が頭に付く)
この車両は弘前より南、秋田側へ来たことはまだないはず。
E751系。赤はリンゴの色か?
もう1つは、かつての「はつかり」、現在の「白鳥」とともに「つがる」にも使用される「485系」電車のリニューアル車(「485系3000番台」と区別することがある)。
大曲花火大会の団体列車や「かもしか」の代走として、たまに秋田へ来ることがある。
485系3000番台。黄色の顔と「485 North East Express」のロゴが特徴
現在の「かもしか」も同じ485系電車なのだが、このタイプは秋田市の土崎工場(当時)で大規模な内外装のリニューアル工事が施されており、居住性などは向上している。(「いなほ」のリニューアル車の色違い)
新青森開業後は、どちらの形式も使い道がなくなると予想される(北海道方面は別の車両がメインなので)。
中でもE751系はまだ新しく、電源や保安装置の関係で走行できる路線が限られていること(奥羽本線には対応する)から、こっちが秋田へ「つがる」として来てくれればいいなと思っていたのだが、その望みは一夜にして崩れ去ってしまった。
485系は秋田の乗務員や保守現場で扱い慣れているからということもあるのかもしれないが、じゃあE751系はどうなるんだろう?
陸奥新報には485系は「当面」とあるので、将来的にはE751系が入るのかもしれない。(←願望です)
【28日追記】E751系の車両数(編成数)について、思い違いをしていた。
E751系は少なくとも4本(4編成)以上存在し、新ダイヤ「つがる」をまかなえるだけの車両が存在するのだと思い込んでいたが、実際には3編成(6両×3本)しかないのだった。つまり現「かもしか」用車両(3両×3本)と同編成数だ。(車両総数としてはE751系の方が多いが、それは運転席のない中間車両が多い分)
これでは、定期が現行かもしか+1本(いなほ分)、さらに臨時2本も増えて6往復になる新しい「つがる」をまかないきれないわけで、余裕のある485系3000番台を投入するのも当然のことだった。
それにしても、じゃあE751系は12月以降、どこで使うのかという疑問は残る。
ひょっとして、E751系も6両から4両にして、それで余った中間車両と組む先頭車両を新造した上で、一挙に「つがる」をE751系に置き換える、、、のだったりして…(←憶測&願望で根拠はありません)
【2011年2月1日追記】2011年4月から、E751系が投入されることになった。
485系やE751系は、最低でも4両ないと運転できない構造になっていて、現在はそれに2両増やした6両編成を基本に運転している。
(現在の「かもしか」は485系なのに3両編成だが、これは、大がかりな改造をして、3両で動くようにしたもの。)
秋田行き「つがる」は6両では過剰だと判断し、2両を抜いた最低の4両で運行するのだろう。(混雑期は増結も可能)グリーン車が半室、普通車が3両+半室になるのは間違いないが、自由席/指定席の比率はまだ未定のようだ【29日追記】下記参照。
●秋田関連でさらに
毎日新聞秋田版では、ほかにも秋田関連のダイヤ改正内容を伝えてくれた。
「秋田新幹線こまちのダイヤが一部変更になり、秋田発仙台行きの最終列車を約30分繰り下げ」
「湯沢方面から秋田へ向かう普通列車5本は、停車時間の見直しなどで所要時間を25分程度短縮させる」
とのこと。
「こまち」のダイヤは、新青森まで延びた影響で全体的なダイヤ見直しが行われたためだろうし、3月の「はやぶさ」登場でまた変わるかもしれない。
※「こまち○号」という番号も従来とは変更になると思われます。(現行の1号・2号からでなく、11号・12号から始まる)
秋田-湯沢の普通列車の方は、所要時間は通常1時間半程度だが、中には横手駅や大曲駅で10分以上停まるなどして、2時間近くかかる列車もある。
それを改善するということだろうか。
○秋田の報道は…
今回、新たな情報をもたらしてくれたのは、全国紙の毎日新聞秋田版のほか、大館と青森の地元紙。各社ともほぼ同じ内容を伝えているから、JRから追加のリリースとか記者会見での質疑応答でもあったのだろうか。
紹介した以外の青森の地方紙も、新幹線と第3セクター化される並行在来線を使用して同じ区間を移動した場合の費用・時間を比較するなど、熱心に報道している。
一方、秋田S新報は、昨日の当ブログと同内容の、JRのリリースをなぞった記事が第3社会面に載っただけ。全国紙の毎日新聞の方がよほど詳しい。
これでよく「“郷土”の新聞」「先駆け」とか言えますな~
他の秋田の報道機関(テレビや全国紙秋田版を含む)もほとんど伝えておらず、やっぱり秋田の新青森開業に対する意識、すなわち観光客を奪われるという危機感が足りないことの現れではないだろうか。
【29日追記】下記の通り、さらに詳しい情報が判明。
9月24日付けで、JR東日本盛岡支社からもプレスリリースがあり、同支社サイトに掲載されていた。
本文だけで17ページに渡るとても詳しい内容で、一部マスコミの詳細な情報は、これに基づくものだと思われる。
前回の記事と上記において不明だった点ならびに補足したい点を以下にまとめておく。
・新青森-青森だけの利用なら、乗車券だけで特急自由席に乗れるのは、寝台列車は対象外。
(朝の下り寝台列車を座席利用できる制度は、「自由席特急券」ではなく値段が同じ「立席特急券」という別物なので、当然と言えば当然)
・特急「つがる」の指定席/自由席の割合が判明。
グリーン車指定席:半室、普通車指定席:1両と半室、普通車自由席:2両
(妥当なところでしょう。混雑する時期は自由席が1両に減る可能性もありそう)
・大館行きの臨時「つがる」のうち、午前の1本は浅虫温泉始発(青森まで快速運転)
特急列車としては青森-大館間の運行だが、先に浅虫温泉-青森間を快速として運行する。(青森駅で22分停車)
(浅虫温泉・八戸方面の東北本線は、新幹線開業時に第3セクター化される。その区間からの直通特急列車は珍しい。わずか1本だけなので、どういう意図なのかはいまいち分からないけど)
・「リゾートしらかみ」のダイヤも決定(12月~3月分)
例年、冬期間は減便されるが、今年も秋田-青森間2往復の運行。
うち、朝に青森を発って昼に秋田で折り返し、青森で夜明かしするダイヤ(2・6号)が、新しいハイブリッド車の「青池」編成(リリースでは「青池HB編成」と表記)の固定運用。
もう1つの、秋田で夜明かしするダイヤ(1・4号)は「くまげら」編成。
1・4号は現行とほぼ同じダイヤだが、2・6号の方は、現行よりも20分ほど所要時間が短縮されている。
途中駅の時刻が不明なのでなんとも言えないが、新型車両の威力なのかも。
また、「くまげら」編成も4両で運転する旨が記載されているので、12月までの間に1両を増やすということのようだ。(現在のダイヤでは「くまげら」は11月15日以降は稼働しない予定なので、この間に増結作業をするのだろう)
もう1本の「ブナ」編成については触れられていない。例年のように、他支社へ貸し出されて団体列車に使われるのかもしれないが、この間に4両に増やすのだろう。
※追加情報はこちら
秋田支社はぜんぜん情報を公表してくれないが、隣の盛岡支社から発表があるとは…
【30日追記】と、思っていたら、今日、秋田支社サイトにも詳しい資料が掲載された。
こちらも本文だけで17ページに及ぶ大作だが、既に出尽くした情報や、なんか余計な情報もある感じ。ざっと見て、気付いた点は以下の通り。
・奥羽本線の秋田近辺の普通列車ダイヤが断片的ながらも判明
大館を超えて運転される列車が減少している気がする。(秋田方面と弘前方面で乗換が必要)
大館での乗換は考慮しているのだろうが、大館が単なる途中の通過駅ではなくなりそう。
・大館-弘前間で増発される2往復の普通列車のダイヤが判明
大館発が5:56と※12:13、弘前発が※10:01と22:13(※は毎日運転の臨時列車扱い)
・秋田発着に短縮される「いなほ7・8号」は現行とほぼ同時刻。
ただし、上り8号は、秋田発が9:10に繰り下がり、新潟までの所要時間が19分も短縮される。
・最終の仙台行きこまちの時刻繰り下げ
現行の秋田19:44→仙台22:40が、秋田20:11→仙台23:04になる。
【11月25日追記】「かもしか」用車両の今後についての予想
JR東日本秋田支社のサイトに、冬の臨時列車の告知が出た。
それには、例の毎日運転だが臨時列車扱いの大館発着の特急「つがる」も掲載されているが、その車両は「485系4両又は3両編成」とあった。
新青森開業後の「つがる」には、現在の「つがる」「白鳥」用で青森の車両基地に配置されている485系電車のリニューアル車両を6両編成から4両編成に短縮して使用することが発表されていた。でも、「3両」は初めて聞いたし、システム上、青森の車両は3両では走行できない。
「485系で3両編成」といえば、秋田の車両基地にある、「かもしか」用の車両しか該当しないはず。
ひょっとして、大館発着便限定などで、かもしか引退後の車両が再登板するのかもしれない。
また、恒例の来年2月の小正月行事の臨時列車として、大館・秋田・横手・湯沢を結ぶ快速列車が運行される。
その車両も「485系3両編成」となっている。おそらく、従来同様、かもしか用車両が使われるのだろう。
「かもしか」の運行終了後、車両はすぐにでも廃車になるのかと予想していたが、少なくとも2月までは、活躍を続けることになるのかもしれない。
一夜明けて、各マスコミ(主に新聞)の報道が出てくると、新たな情報が判明し、昨日とは違った感想を持ったので、改めて別記事にさせてもらうことにした。
●大館始発の特急が! 「日本海」は?
昨日のリリースでは、青森以南の奥羽本線を走る特急列車は、秋田発着の「つがる」4往復だけになると理解していた。
ただし「※この他、臨時特急列車も合わせ、新青森駅を発着する「はやて」と青森・弘前方面の在来線を接続させる体系とします」という一文もあったので、多客期などには増発されることが予想されたが、まだ未定なのだろうと考えていた。
また、寝台特急「日本海」の処遇や弘前以南の普通列車については分からなかった。
ところが、秋田県大館市の「北鹿(ほくろく)新聞」のサイトに
「大館発着のリレー列車 新幹線・新青森に接続 寝台含め特急7往復」という記事がアップされた。それによれば、
「(秋田発着4往復に加え)大館―青森間に特急「つがる」を2往復設定する。」
「寝台特急「あけぼの」「日本海」各1往復も新青森駅へ停車」
「弘前―青森間で運転している普通列車2往復について、大館まで延長する形で増発」
実にさらりと伝えているが、多くの新たなことが分かった!
毎日新聞秋田版や弘前市の「陸奥(むつ)新報」も大館発着の特急について触れており、
「大館-青森間は臨時列車として当面の間毎日2往復を運転」(毎日秋田)
とのこと。
以上から分かったことをまとめると、
・秋田発着4往復に加え、青森-大館間の「つがる」を2往復運行。臨時列車扱いだが、毎日運転。【29日追記】うち下り1本は浅虫温泉始発。下記参照。
・「あけぼの」だけでなく「日本海」も存続。
・弘前-大館間の普通列車が2往復増。
ということになる。
昨日の段階では、従来とあまり変わらなく感じて拍子抜けしたが、上記の点が分かると、これはすごい。大館と津軽の結びつきが強まりそうだ。
いや、県境の矢立峠があるとはいえ、大館と弘前はわずか40キロ。車では行き来する人が多いので、今までの公共交通機関が少なすぎたということか。
大館発着の特急といえば、1993年からしばらくの間、特急「たざわ」が1往復だけあった。(東能代・秋田・大曲経由で盛岡と結ぶ)
上りは朝、特急「白鳥」のわずか数十分後に大館を発車するダイヤだったと記憶しているが、そのせいで利用が少なかったのだろうか、後に快速に格下げされたそうだ。
それ以来の復活になるが、上り秋田方面に向かうのでなく、下り青森方面に向かう逆方向の列車になる。
「臨時列車」なのに「毎日運転」とは変な感じがするが、たまに行われるパターン。試しに運転して利用状況を見て、定期化するか、曜日を決めて運転するか、混雑時期だけの運転にするか等を最終判断したいのだろう。
弘前-大館間の普通列車は、現在8往復運行されているので、2往復増えると10往復になる。
僕が弘前に住んでいた頃は7往復だったのだが、10年ほど前に昼間の1往復が新設(当初は毎日運転の臨時列車扱いだったが、後に定期化)されて以来の増設だ。
一方、大館から上り秋田方面の普通列車は、現在11.5往復(快速含む)。
改正後も変わらないとすれば、大館からは秋田方面・青森方面ともほぼ同数(特急を含めれば青森の方が多い)の列車が走ることになる。
大館にとっては、大きな変化になりそうだ。
なお、河北新報の記事によれば、「いなほ」が廃止されるのは秋田-青森間だけで、秋田-新潟間はやはり残るそうだ。
●「つがる」の車両は決まってる?
昨日の段階では、「つがる」に使用される車両も不明だった。
現在の「かもしか」の車両は老朽化しているし、そもそも4往復(さらに大館発着2往復)をまかないきれない。現在の「つがる」用の車両をそのまま転用(というか横滑り)させるのがベストなのではないかと考えていた。
ところが、この点も上記3紙は伝えてくれた!
「「つがる」は、座席定員252席の4両編成で運転する。」(北鹿)
「現行のかもしかより1両多い4両編成のリニューアル車両を使う。」(毎日秋田)
「つがるは4両編成で運行、「白鳥」と同じ485系車両が当面、使用される。」「つがるの車両は当面、特急「白鳥」の485系が使われる」(陸奥)
これもあっさり解決だが、一般の方には少し解説が必要。
実は、現在、「つがる」には2種類の車両が使用されている。
1つは2000年から「スーパーはつかり」(当時)用として走り始めた「E751系」電車。(陸奥新報では「751系」としていたが、正しくは「E」が頭に付く)
この車両は弘前より南、秋田側へ来たことはまだないはず。
E751系。赤はリンゴの色か?
もう1つは、かつての「はつかり」、現在の「白鳥」とともに「つがる」にも使用される「485系」電車のリニューアル車(「485系3000番台」と区別することがある)。
大曲花火大会の団体列車や「かもしか」の代走として、たまに秋田へ来ることがある。
485系3000番台。黄色の顔と「485 North East Express」のロゴが特徴
現在の「かもしか」も同じ485系電車なのだが、このタイプは秋田市の土崎工場(当時)で大規模な内外装のリニューアル工事が施されており、居住性などは向上している。(「いなほ」のリニューアル車の色違い)
新青森開業後は、どちらの形式も使い道がなくなると予想される(北海道方面は別の車両がメインなので)。
中でもE751系はまだ新しく、電源や保安装置の関係で走行できる路線が限られていること(奥羽本線には対応する)から、こっちが秋田へ「つがる」として来てくれればいいなと思っていたのだが、その望みは一夜にして崩れ去ってしまった。
485系は秋田の乗務員や保守現場で扱い慣れているからということもあるのかもしれないが、じゃあE751系はどうなるんだろう?
陸奥新報には485系は「当面」とあるので、将来的にはE751系が入るのかもしれない。(←願望です)
【28日追記】E751系の車両数(編成数)について、思い違いをしていた。
E751系は少なくとも4本(4編成)以上存在し、新ダイヤ「つがる」をまかなえるだけの車両が存在するのだと思い込んでいたが、実際には3編成(6両×3本)しかないのだった。つまり現「かもしか」用車両(3両×3本)と同編成数だ。(車両総数としてはE751系の方が多いが、それは運転席のない中間車両が多い分)
これでは、定期が現行かもしか+1本(いなほ分)、さらに臨時2本も増えて6往復になる新しい「つがる」をまかないきれないわけで、余裕のある485系3000番台を投入するのも当然のことだった。
それにしても、じゃあE751系は12月以降、どこで使うのかという疑問は残る。
ひょっとして、E751系も6両から4両にして、それで余った中間車両と組む先頭車両を新造した上で、一挙に「つがる」をE751系に置き換える、、、のだったりして…(←憶測&願望で根拠はありません)
【2011年2月1日追記】2011年4月から、E751系が投入されることになった。
485系やE751系は、最低でも4両ないと運転できない構造になっていて、現在はそれに2両増やした6両編成を基本に運転している。
(現在の「かもしか」は485系なのに3両編成だが、これは、大がかりな改造をして、3両で動くようにしたもの。)
秋田行き「つがる」は6両では過剰だと判断し、2両を抜いた最低の4両で運行するのだろう。(混雑期は増結も可能)グリーン車が半室、普通車が3両+半室になるのは間違いないが、
●秋田関連でさらに
毎日新聞秋田版では、ほかにも秋田関連のダイヤ改正内容を伝えてくれた。
「秋田新幹線こまちのダイヤが一部変更になり、秋田発仙台行きの最終列車を約30分繰り下げ」
「湯沢方面から秋田へ向かう普通列車5本は、停車時間の見直しなどで所要時間を25分程度短縮させる」
とのこと。
「こまち」のダイヤは、新青森まで延びた影響で全体的なダイヤ見直しが行われたためだろうし、3月の「はやぶさ」登場でまた変わるかもしれない。
※「こまち○号」という番号も従来とは変更になると思われます。(現行の1号・2号からでなく、11号・12号から始まる)
秋田-湯沢の普通列車の方は、所要時間は通常1時間半程度だが、中には横手駅や大曲駅で10分以上停まるなどして、2時間近くかかる列車もある。
それを改善するということだろうか。
○秋田の報道は…
今回、新たな情報をもたらしてくれたのは、全国紙の毎日新聞秋田版のほか、大館と青森の地元紙。各社ともほぼ同じ内容を伝えているから、JRから追加のリリースとか記者会見での質疑応答でもあったのだろうか。
紹介した以外の青森の地方紙も、新幹線と第3セクター化される並行在来線を使用して同じ区間を移動した場合の費用・時間を比較するなど、熱心に報道している。
一方、秋田S新報は、昨日の当ブログと同内容の、JRのリリースをなぞった記事が第3社会面に載っただけ。全国紙の毎日新聞の方がよほど詳しい。
これでよく「“郷土”の新聞」「先駆け」とか言えますな~
他の秋田の報道機関(テレビや全国紙秋田版を含む)もほとんど伝えておらず、やっぱり秋田の新青森開業に対する意識、すなわち観光客を奪われるという危機感が足りないことの現れではないだろうか。
【29日追記】下記の通り、さらに詳しい情報が判明。
9月24日付けで、JR東日本盛岡支社からもプレスリリースがあり、同支社サイトに掲載されていた。
本文だけで17ページに渡るとても詳しい内容で、一部マスコミの詳細な情報は、これに基づくものだと思われる。
前回の記事と上記において不明だった点ならびに補足したい点を以下にまとめておく。
・新青森-青森だけの利用なら、乗車券だけで特急自由席に乗れるのは、寝台列車は対象外。
(朝の下り寝台列車を座席利用できる制度は、「自由席特急券」ではなく値段が同じ「立席特急券」という別物なので、当然と言えば当然)
・特急「つがる」の指定席/自由席の割合が判明。
グリーン車指定席:半室、普通車指定席:1両と半室、普通車自由席:2両
(妥当なところでしょう。混雑する時期は自由席が1両に減る可能性もありそう)
・大館行きの臨時「つがる」のうち、午前の1本は浅虫温泉始発(青森まで快速運転)
特急列車としては青森-大館間の運行だが、先に浅虫温泉-青森間を快速として運行する。(青森駅で22分停車)
(浅虫温泉・八戸方面の東北本線は、新幹線開業時に第3セクター化される。その区間からの直通特急列車は珍しい。わずか1本だけなので、どういう意図なのかはいまいち分からないけど)
・「リゾートしらかみ」のダイヤも決定(12月~3月分)
例年、冬期間は減便されるが、今年も秋田-青森間2往復の運行。
うち、朝に青森を発って昼に秋田で折り返し、青森で夜明かしするダイヤ(2・6号)が、新しいハイブリッド車の「青池」編成(リリースでは「青池HB編成」と表記)の固定運用。
もう1つの、秋田で夜明かしするダイヤ(1・4号)は「くまげら」編成。
1・4号は現行とほぼ同じダイヤだが、2・6号の方は、現行よりも20分ほど所要時間が短縮されている。
途中駅の時刻が不明なのでなんとも言えないが、新型車両の威力なのかも。
また、「くまげら」編成も4両で運転する旨が記載されているので、12月までの間に1両を増やすということのようだ。(現在のダイヤでは「くまげら」は11月15日以降は稼働しない予定なので、この間に増結作業をするのだろう)
もう1本の「ブナ」編成については触れられていない。例年のように、他支社へ貸し出されて団体列車に使われるのかもしれないが、この間に4両に増やすのだろう。
※追加情報はこちら
秋田支社はぜんぜん情報を公表してくれないが、隣の盛岡支社から発表があるとは…
【30日追記】と、思っていたら、今日、秋田支社サイトにも詳しい資料が掲載された。
こちらも本文だけで17ページに及ぶ大作だが、既に出尽くした情報や、なんか余計な情報もある感じ。ざっと見て、気付いた点は以下の通り。
・奥羽本線の秋田近辺の普通列車ダイヤが断片的ながらも判明
大館を超えて運転される列車が減少している気がする。(秋田方面と弘前方面で乗換が必要)
大館での乗換は考慮しているのだろうが、大館が単なる途中の通過駅ではなくなりそう。
・大館-弘前間で増発される2往復の普通列車のダイヤが判明
大館発が5:56と※12:13、弘前発が※10:01と22:13(※は毎日運転の臨時列車扱い)
・秋田発着に短縮される「いなほ7・8号」は現行とほぼ同時刻。
ただし、上り8号は、秋田発が9:10に繰り下がり、新潟までの所要時間が19分も短縮される。
・最終の仙台行きこまちの時刻繰り下げ
現行の秋田19:44→仙台22:40が、秋田20:11→仙台23:04になる。
【11月25日追記】「かもしか」用車両の今後についての予想
JR東日本秋田支社のサイトに、冬の臨時列車の告知が出た。
それには、例の毎日運転だが臨時列車扱いの大館発着の特急「つがる」も掲載されているが、その車両は「485系4両又は3両編成」とあった。
新青森開業後の「つがる」には、現在の「つがる」「白鳥」用で青森の車両基地に配置されている485系電車のリニューアル車両を6両編成から4両編成に短縮して使用することが発表されていた。でも、「3両」は初めて聞いたし、システム上、青森の車両は3両では走行できない。
「485系で3両編成」といえば、秋田の車両基地にある、「かもしか」用の車両しか該当しないはず。
ひょっとして、大館発着便限定などで、かもしか引退後の車両が再登板するのかもしれない。
また、恒例の来年2月の小正月行事の臨時列車として、大館・秋田・横手・湯沢を結ぶ快速列車が運行される。
その車両も「485系3両編成」となっている。おそらく、従来同様、かもしか用車両が使われるのだろう。
「かもしか」の運行終了後、車両はすぐにでも廃車になるのかと予想していたが、少なくとも2月までは、活躍を続けることになるのかもしれない。