この電車…


側面が水色の帯と黄緑色の帯だから、京浜東北線と山手線と(首都圏の鉄道を知る人は)思ってしまいそう。
でも、濃いピンク(マゼンタ)の帯も入っているように、奥羽本線・羽越本線などを走る秋田車両センターの701系電車です。
これは、JR奥羽本線全線開通110周年を記念した、ラッピング電車。
7月18日から10月31日まで、3種類のデザインが施されて(2両編成に各デザイン1本ずつ)、奥羽本線・青森-秋田-新庄、羽越本線・秋田-鶴岡の間で運行されている。
車内の中吊りのQRコードを使ったモバイルスタンプラリーが行われ、3編成制覇者から100名にオリジナル革製マウスパッドが贈られる。
※これとは別に「駅」のモバイルスタンプラリーも実施されるようだ。
奥羽本線は、青森-秋田-山形-福島だが、この列車は途中の新庄まで。これは新庄以南が山形新幹線のレール幅に拡げられ、走行できないから。(山形新幹線が山形止まりだった当時は、秋田の701系が山形まで入っていた)
せっかくの記念イベントなのに、山形県内陸~福島の沿線は蚊帳の外のような感じ。実際問題、ミニ新幹線で分断され、新庄以南は「山形線」と通称されていますが…
反対に無関係なのに羽越本線を走ってしまうことになるが、こちらも山形県だし、秋田支社の管轄だし…。要は奥羽と羽越で車両運用を分離するのが難しいのでしょう。
あと、秋田の701系は津軽線の青森-蟹田にも運用を持つが、この編成は走らなさそう。津軽線に入る701系って、元々3両編成限定のような気がする。
なお、JR東日本秋田支社のプレスリリースでは、運用区間を「青森~新庄・酒田」としてしまっている。
これでは酒田も奥羽本線の一部のように受け取れるし、実際には酒田の先の鶴岡まで入線している。
具体的な運用(どの編成が何日のどの列車を走るか)は、公式ホームページ「運転予定」で公開。
今のところ8月いっぱいまで掲載されているけれど、どこかで大雨などにより変更されてしまわないことを願います。
ただし「日中帯に運転する列車を抜粋して掲載しております。」そうで、おおむね始発駅を7時~17時台に出るダイヤだけが掲載されているようだ。
運用を見ると、2両編成が走るダイヤ全部ではなく、特定のダイヤに偏っているような気もする。(気のせいかも)
大館発の快速(3640M・かつての急行よねしろ相当)で9時40分に秋田に着いて、その次は秋田発14時27分の羽後本荘行き(2544M)とだいぶ間が空く運用があり、その間も車両センターへは戻らず、秋田駅東側の留置線に入っていることが分かるなど、発見もあった。
さて、ラッピングの3つのデザインには、愛称が付けられている。
「ご当地キャラクター号」、「ご当地スタンプ号」、「ご当地もぐもぐ号」。(それぞれN27、N17、N35の各編成)
ご当地キャラクター号はまだ遭遇できていないので、他の2編成を紹介。
N17編成 ご当地スタンプ号
沿線の駅にちなむ風物・名物などをスタンプ風(というか版画風?)に描いたものが、ピンク帯の下の水色帯上に青森から福島まで順に並んでいる。(向きは列車の青森方向・福島方向と対応している)
スタンプ“風”であって、同じデザインのスタンプが実在するわけではないようだし、開催されるスタンプ“ラリー”とも無関係。
窓の並びに110周年ロゴ。ドアボタン更新済み
トイレ部分には大きな110周年ロゴ
スタンプ化された23駅とそのモチーフは次のとおり。
青森駅・青森ねぶた祭り、新青森駅・三内丸山遺跡、浪岡駅・本郷だるま凧、川部駅・岩木山、弘前駅・弘前城、大鰐温泉駅・大鰐もやし、碇ケ関駅・まるめろ、大館駅・きりたんぽ、鷹ノ巣駅・大太鼓、東能代駅・バスケットボール、八郎潟駅・八郎湖、追分駅・スカイタワー、秋田駅・竿燈、大曲駅・花火、横手駅・かまくら、十文字駅・十文字ラーメン、湯沢駅・犬っこ祭り、新庄駅・最上川、天童駅・将棋駒、山形駅・花笠まつり、かみのやま温泉駅・温泉、米沢駅・米沢牛、福島駅・わらじ祭り
※碇ケ関駅はちゃんと「ヶ」ではなく、駅名としては正式な「ケ」になっている。
※「スカイタワー」は天王グリーンランド(道の駅てんのう)にあるタワー。追分駅が最寄り駅ではなく、男鹿線の出戸浜駅と上二田駅のちょうど中間にある。秋田市のポートタワー セリオンとは別。「最上川」も新庄駅よりは陸羽西線のほうが近い。
※竿燈には「まつり」が付かないのが少々気になる。ねぶたや花笠にはあるのに。

1両に全駅分が収まっている。(つまり、2両×左右両側=4パターン繰り返し)

各県の配分は、青森県7、秋田県10、山形県5、福島県1。
浪岡の「本郷だるま凧」は知らなかったし、マルメロやスカイタワーもややマイナー。
土崎駅のセリオンとか、さくらんぼ東根駅辺りのサクランボなんかは登場しても良さそうなのにない。
N35編成 ご当地もぐもぐ号(ドアボタン未更新)
こちらは沿線の食べ物の名物を順に並べたもの。駅名でなく県ごとで、カラーの版画風イラスト。こちらも1両にすべてが収まる。

青森県はじゃっぱ汁、りんご、けの汁。
秋田県はきりたんぽ、ハタハタ寿司、かやき、しょっつる、納豆汁、いぶりがっこ、ババヘラ、横手焼きそば、稲庭うどん。
山形県はいも煮、米沢牛、玉こんにゃく。
福島県は喜多方ラーメン、いかにんじん、もも。
きりたんぽと米沢牛はスタンプ号と重複。スタンプにあるのに、こちらには出られなかった食べ物もある。
こっちにも山形県のサクランボは出ないのはおかしいと思うし、喜多方は奥羽本線からはだいぶ遠いんじゃないでしょうか。
まだ見ていないキャラクター号は別としても、ぱっと見て目を引くし、よく見れば楽しい図柄。無機質な701系電車に華を添えるラッピングだ。
それにしても、この版画風の絵に見覚えがある。秋田市の方言のラッピングバス(現在は終了)やかつての秋田テレビの時間つなぎ(?)に流れていたイラストをかいていた人の作品だと思う。秋田の女性のイラストレーターだったはず。
強いて言えば、もう一工夫ほしい点が2つ。
まずは正面。
ロゴマークがあるだけ
これではラッピング車両であることが分かりにくい。
6月19日付の秋田支社プレスリリースのイメージ図では、中央の貫通ドアの周りから前照灯にかけても、ラッピングの帯と同色になっていたのに。
他にもプレスリリースの図では、側面窓周りにスタンプラリーの告知や、地図も出ていたり、スタンプ号の水色の部分に柄が入るなど、差異がある。
あとは、側面の形式表記の処理。
窓下のラッピングの絵柄と形式表記が重なってしまうのだ。スタンプ号ももぐもぐ号も、表記部分だけラッピングを切り抜いて対応している。
上の写真の通り、スタンプ号では表記部分を避けてスタンプを配置しているので、間が抜けてはいるけれど見られる。
もぐもぐ号では、絵は避けずに表記と重なって、切り取られてしまっている。
これじゃあ「横 そば」
秋田市のバスのラッピングでも、灯火と文字が重なったケースがあった。天下のJR東日本さんでも、こういうことになってしまうとは、残念。
なお、車内は通常と同一。(スタンプラリー用QRコードはどこかに下がっている)
ご当地キャラクター号は撮影できたら別記事にて。


側面が水色の帯と黄緑色の帯だから、京浜東北線と山手線と(首都圏の鉄道を知る人は)思ってしまいそう。
でも、濃いピンク(マゼンタ)の帯も入っているように、奥羽本線・羽越本線などを走る秋田車両センターの701系電車です。
これは、JR奥羽本線全線開通110周年を記念した、ラッピング電車。
7月18日から10月31日まで、3種類のデザインが施されて(2両編成に各デザイン1本ずつ)、奥羽本線・青森-秋田-新庄、羽越本線・秋田-鶴岡の間で運行されている。
車内の中吊りのQRコードを使ったモバイルスタンプラリーが行われ、3編成制覇者から100名にオリジナル革製マウスパッドが贈られる。
※これとは別に「駅」のモバイルスタンプラリーも実施されるようだ。
奥羽本線は、青森-秋田-山形-福島だが、この列車は途中の新庄まで。これは新庄以南が山形新幹線のレール幅に拡げられ、走行できないから。(山形新幹線が山形止まりだった当時は、秋田の701系が山形まで入っていた)
せっかくの記念イベントなのに、山形県内陸~福島の沿線は蚊帳の外のような感じ。実際問題、ミニ新幹線で分断され、新庄以南は「山形線」と通称されていますが…
反対に無関係なのに羽越本線を走ってしまうことになるが、こちらも山形県だし、秋田支社の管轄だし…。要は奥羽と羽越で車両運用を分離するのが難しいのでしょう。
あと、秋田の701系は津軽線の青森-蟹田にも運用を持つが、この編成は走らなさそう。津軽線に入る701系って、元々3両編成限定のような気がする。
なお、JR東日本秋田支社のプレスリリースでは、運用区間を「青森~新庄・酒田」としてしまっている。
これでは酒田も奥羽本線の一部のように受け取れるし、実際には酒田の先の鶴岡まで入線している。
具体的な運用(どの編成が何日のどの列車を走るか)は、公式ホームページ「運転予定」で公開。
今のところ8月いっぱいまで掲載されているけれど、どこかで大雨などにより変更されてしまわないことを願います。
ただし「日中帯に運転する列車を抜粋して掲載しております。」そうで、おおむね始発駅を7時~17時台に出るダイヤだけが掲載されているようだ。
運用を見ると、2両編成が走るダイヤ全部ではなく、特定のダイヤに偏っているような気もする。(気のせいかも)
大館発の快速(3640M・かつての急行よねしろ相当)で9時40分に秋田に着いて、その次は秋田発14時27分の羽後本荘行き(2544M)とだいぶ間が空く運用があり、その間も車両センターへは戻らず、秋田駅東側の留置線に入っていることが分かるなど、発見もあった。
さて、ラッピングの3つのデザインには、愛称が付けられている。
「ご当地キャラクター号」、「ご当地スタンプ号」、「ご当地もぐもぐ号」。(それぞれN27、N17、N35の各編成)
ご当地キャラクター号はまだ遭遇できていないので、他の2編成を紹介。

沿線の駅にちなむ風物・名物などをスタンプ風(というか版画風?)に描いたものが、ピンク帯の下の水色帯上に青森から福島まで順に並んでいる。(向きは列車の青森方向・福島方向と対応している)
スタンプ“風”であって、同じデザインのスタンプが実在するわけではないようだし、開催されるスタンプ“ラリー”とも無関係。


スタンプ化された23駅とそのモチーフは次のとおり。
青森駅・青森ねぶた祭り、新青森駅・三内丸山遺跡、浪岡駅・本郷だるま凧、川部駅・岩木山、弘前駅・弘前城、大鰐温泉駅・大鰐もやし、碇ケ関駅・まるめろ、大館駅・きりたんぽ、鷹ノ巣駅・大太鼓、東能代駅・バスケットボール、八郎潟駅・八郎湖、追分駅・スカイタワー、秋田駅・竿燈、大曲駅・花火、横手駅・かまくら、十文字駅・十文字ラーメン、湯沢駅・犬っこ祭り、新庄駅・最上川、天童駅・将棋駒、山形駅・花笠まつり、かみのやま温泉駅・温泉、米沢駅・米沢牛、福島駅・わらじ祭り
※碇ケ関駅はちゃんと「ヶ」ではなく、駅名としては正式な「ケ」になっている。
※「スカイタワー」は天王グリーンランド(道の駅てんのう)にあるタワー。追分駅が最寄り駅ではなく、男鹿線の出戸浜駅と上二田駅のちょうど中間にある。秋田市のポートタワー セリオンとは別。「最上川」も新庄駅よりは陸羽西線のほうが近い。
※竿燈には「まつり」が付かないのが少々気になる。ねぶたや花笠にはあるのに。

1両に全駅分が収まっている。(つまり、2両×左右両側=4パターン繰り返し)

各県の配分は、青森県7、秋田県10、山形県5、福島県1。
浪岡の「本郷だるま凧」は知らなかったし、マルメロやスカイタワーもややマイナー。
土崎駅のセリオンとか、さくらんぼ東根駅辺りのサクランボなんかは登場しても良さそうなのにない。

こちらは沿線の食べ物の名物を順に並べたもの。駅名でなく県ごとで、カラーの版画風イラスト。こちらも1両にすべてが収まる。

青森県はじゃっぱ汁、りんご、けの汁。
秋田県はきりたんぽ、ハタハタ寿司、かやき、しょっつる、納豆汁、いぶりがっこ、ババヘラ、横手焼きそば、稲庭うどん。
山形県はいも煮、米沢牛、玉こんにゃく。
福島県は喜多方ラーメン、いかにんじん、もも。
きりたんぽと米沢牛はスタンプ号と重複。スタンプにあるのに、こちらには出られなかった食べ物もある。
こっちにも山形県のサクランボは出ないのはおかしいと思うし、喜多方は奥羽本線からはだいぶ遠いんじゃないでしょうか。
まだ見ていないキャラクター号は別としても、ぱっと見て目を引くし、よく見れば楽しい図柄。無機質な701系電車に華を添えるラッピングだ。
それにしても、この版画風の絵に見覚えがある。秋田市の方言のラッピングバス(現在は終了)やかつての秋田テレビの時間つなぎ(?)に流れていたイラストをかいていた人の作品だと思う。秋田の女性のイラストレーターだったはず。
強いて言えば、もう一工夫ほしい点が2つ。
まずは正面。

これではラッピング車両であることが分かりにくい。
6月19日付の秋田支社プレスリリースのイメージ図では、中央の貫通ドアの周りから前照灯にかけても、ラッピングの帯と同色になっていたのに。
他にもプレスリリースの図では、側面窓周りにスタンプラリーの告知や、地図も出ていたり、スタンプ号の水色の部分に柄が入るなど、差異がある。
あとは、側面の形式表記の処理。
窓下のラッピングの絵柄と形式表記が重なってしまうのだ。スタンプ号ももぐもぐ号も、表記部分だけラッピングを切り抜いて対応している。
上の写真の通り、スタンプ号では表記部分を避けてスタンプを配置しているので、間が抜けてはいるけれど見られる。
もぐもぐ号では、絵は避けずに表記と重なって、切り取られてしまっている。

秋田市のバスのラッピングでも、灯火と文字が重なったケースがあった。天下のJR東日本さんでも、こういうことになってしまうとは、残念。
なお、車内は通常と同一。(スタンプラリー用QRコードはどこかに下がっている)
ご当地キャラクター号は撮影できたら別記事にて。