広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

菊谷小路2004

2022-09-18 18:04:24 | 昔のこと
秋田市保戸野(ほどの)の県道233号の一部、通称「菊谷小路(きくやこうじ)」中ほどから、北方向を見た風景。
2022年9月撮影
背後すぐを左に入ると諏訪愛宕神社、通りのずっと後方が通町方向。先の押しボタン式信号を左折すると保戸野小学校正門。
見づらいがもう1つ先の信号機の左右が、千秋トンネル通り。突き当りには、太平山の山並みが見える。※突き当り付近の過去の記事。千秋トンネル通りとの交差点から先は市道になり、そこまでは菊谷小路とは呼ばないのが一般的だと思う。
地名は、通りの左側が保戸野すわ町、右側が保戸野中町。
「小路」の名の通り、もともとはもっと狭い道だったのが、戦時中の建物疎開で保戸野中町側に拡張されたとのこと。

この辺りは、住宅と商店が混在する。ここ十数年ほどで、やめたお店や、建て替わった家、新たな家も少なくないのは知っていたが、全体の雰囲気としては、数十年変わっていないと思っていた。
今回、ここを撮影したのは、18年前=2004年3月に撮影した写真を見つけたから。
2004年3月撮影
改めて見ると、いろいろと違っている。
全体の印象としては、18年前のほうが「にぎやか」な雰囲気。

2004年と2022年の細かな違いを、左手前→奥→右手前と見てみる。
・左手前にあった居酒屋は、建物ごとなくなった。
・左側の電柱広告は、この裏通りの整形外科医院。2010年代後半に閉院して、今は広告なし。
・押ボタンとその先の信号機が、電球式横型から、LED式縦型に更新(2010年以降数年かけて)。
・突き当りの駐車場だった所に、保育園ができた。2022年の写真では、その赤茶色の屋根が見える。

上の写真右奥を拡大
・右奥に「緊急出動」の表示。秋田市消防本部 秋田消防署保戸野出張所。
2003年12月に廃止(本署に編入)。跡地に2005年8月に秋田市保戸野地区コミュニティセンターが開館。
※保戸野小学校敷地内に今もあるのは、非常勤の組織である、秋田市消防団保戸野分団の車庫。保戸野出張所は、常時消防隊員が詰めている消防署の小規模なもの。末期はポンプ車1台のみで、救急車等の配置はなかった。

・歯科医院前には、白と緑の市営バス「すわ町(神田線・添川線上り側)」バス停。2005年3月に秋田中央交通へ移管され、バス停ポールも更新
2004年5月撮影。向かいの下り側。市営バスが「二面体」として1986年度に設置した(参考記事)バス停ポールは、風を受けて倒れやすく、しかもプラスチック製で壊れやすかった。これもフレームの上辺がなくなっている。中央交通の名前も書いてるのは、楢山大回り線だけ先に移管していたため。

・「ハイタク興業(株)」は、秋田市内全タクシー共通のタクシーチケットを扱う企業。2000年代に寺内蛭根へ移転。建物解体。

右手前を拡大
・「秋田魁新報」は魁の販売店。2017~2019年頃に、この先の「原の町通り」沿いに移転し、経営者が替わった(その旨のあいさつ状が購読者へ届いた)。

・「With」、見づらいが黄色い「小学館の学習雑誌」は、「エス書店」。大人向け商品が充実していたと評判。
写真を拡大すると、この時点では営業していないように見えるが、建物と看板はまだ残っていたのか。

・右いちばん手前は、医療用機器を扱う企業。現在も変わらないものの、「フジカラー」の看板はなくなっている。写真店などでも見なくなったから、フジフイルム側の都合か?

・歩道部分が真新しい舗装。
2002年9月時点では、保戸野すわ町側だけきれいで、保戸野中町側はボロっちくて縁石がないようなあるようなあいまいなもので、視線誘導標(デリネーター、デリニエーター)がなかった。


また、奥まっているなどで写真では見えないものとして。
・魁の向かい、押しボタン式信号前には、文具店「のてや」があった。2019年閉店

・消防署向かい辺りには、1990年代頃まで「小僧寿し」があった。

・魁販売店とエス書店の間には、平成初期頃まで、スーパーマーケット「マルナカ」があった。寺内や勝平にあったのと同じチェーン。「マルダイ」や県外にあるマルナカとは無関係。
その跡と思われる場所には、1990年代半ばの通町の再開発事業の際、通町から豆腐店が移ってきたが、2010年頃の時点でやめている。


Googleストリートビューがまだない頃だけに、手前味噌ながら貴重な写真。残雪の山並みがきれいで撮影したはずだが、思いがけず、街の変化を伝えてくれた。
それにしても、21世紀、たった18年前の風景なのに、思っていた以上にずいぶんと変化してしまっていた。
【18日追記】店が少なくなったものの、その跡が民家になった場所もある。空き家は多少ありそうだが、空き地はほぼない。人の暮らしは継続している地域と言える。「店舗の割合が減って、住宅地に特化しつつある」という変化なわけだが、それをもって「寂れた」と言っていいのかどうか。

※新旧比較シリーズとして2003年と2023年の手形の風景
コメント (9)
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