2022年春に秋田市内の路線バスなどに導入されるICカード乗車券。秋田市が主導して導入するもので、秋田中央交通以外に委託運行するコミュニティーバス(マイタウン・バス)でも使えるようになる。カードは独自規格ではなく、JR東日本のSuicaに独自機能を付加した「地域連携ICカード」なので、汎用性は高い。名称が「AkiCA(アキカ)」に決まったが、ポイント還元率や利用開始日は未発表だった。
※秋田市民の高齢者専用「シニアアキカ」は2022年秋開始予定。
※秋田市周辺のJR東日本の鉄道で利用できるのは2023年春。
2月4日、中央交通と市の連名で「地域連携IC カード 「 AkiCA (アキカ 」 のサービス開始日及びサービス内容について」が発出され、詳細が明らかになった。
でも、青森県各地や山形など今春開始される他地域と比べると、秋田は情報発信が遅い上に、内容が薄い。中央交通サイトにアップされたそのPDFファイル名は「2022.2.4【最終版】サービス開始プレスリリース.pdf」。ぜひとも【追加版】がほしい。【末尾追記の通り、3月15日に多少の追加情報公開】
以下、プレスリリースから分かったことと感想。勘違いがあるかもしれません。
●発売開始・利用開始とも2022年3月26日 土曜日
→当日も発売窓口(後述)の営業は通常通りなので、いちばん早くカードを入手できるのは、秋田駅東口乗車券発売所の6時50分。
●エリア(利用可能路線)は、一般路線バス(国際教養大学周辺含む)、秋田空港リムジンバス、秋田市中心市街地循環バスぐるる、秋田市マイタウン・バス
→言及はなく当然だが、秋田市外にまたがる一般路線バスでも使用可。一方、リムジンと車両が共通である県内高速バス(共同運行先はともかく中央交通担当便)では使えないのか?【3月15日の追加情報では、高速バスでは使えないと明記された。】
【25日補足】中央交通グループエリア内で、秋田市以外の市町村のコミュニティーバスの中には、秋田市内の路線バスと同じ塗装の車両が使われるものもあるが、それらは現時点では対象外。また、現在は、秋田市内に入らずに秋田市外で完結する中央交通本体直営の一般路線バスはなくなっている。例えば八郎潟駅~五城目のバスも、今は直営ではなくコミュニティーバス扱いになったので、本件の対象外。
●IC定期券の開始は「時期未定」【3月15日の追加情報では、令和4(2022)年度中に導入予定とされた。】
【3月27日追記・現行の紙の定期券は「持参人式」。しかし、ICカードでは記名式が必須なので、持参人式とはならないかに思われた。しかし、カードの注意書きには引き続き持参人式になる可能性を示唆する文言があった。末尾リンクの導入時の記事参照。】
●カード発売額は1000円(チャージ500円+デポジット500円)のみ
→他地域では、チャージ額が違う数種類を売っているが、簡略化【9日補足・発売時の混乱解消のため】したのか。リリースにも記載されているが、購入直後にチャージすればいい話なので、理解できる。
●「無記名式AkiCA」と「記名式AkiCA」。紛失再発行や定期券、小児用、障がい者用は要記名式。
→他地域でも同様。記名式にしてもカード面には定期券情報のほか氏名も印字されない。【9日補足・とりあえず無記名式を買って、後から登録して記名式にすることも可能なはずだが、記載なし。】
●バス会社によるチャージ場所は、車内(マイ・タウンバスは除く。千円札のみ)、バス会社窓口。(他に鉄道駅、コンビニエンスストアなど)
→多くの他地域同様、例えば街中などに独自のチャージ機は置かないようだ。
●発売・チャージ窓口は、五城目を含む3営業所、新屋、長崎屋、秋田駅西口、秋田駅東口の各案内所/発売所。
西口のみ、記名式の発行(登録ということか)ができない。
→秋田市外の五城目営業所でも扱うのが少々意外だが、路線があるから当然かも。
他地域では青森市営バスは車内やコンビニでもカードを販売するが、ほかは秋田に近い売りかた。でも、秋田市街地まではあまり出かけない、郊外在住の人がカードをほしい場合は、入手に困りそう。期間・時間限定でいいから、スーパーなんかで売ってもらうとかできるのでは。
●1日乗り放題乗車券(一般路線バス用)と中心市街地循環バスぐるる専用1日乗り放題乗車券の情報を、車内で書き込み(残高から購入)可。2種の同時搭載は不可。Suica、PASMO等も対応。
→値下げや新たなフリー乗車券を期待したが、これまでの紙券そのまま。
●交通ポイントは支払額の一律3%(小数点以下切り捨て)
中央交通、マイタウン共通。ポイント額が、支払い時の運賃に達していれば、その支払に自動適用。ポイント有効期限1年【9日こちらの表記が不適切だったので訂正】ポイントは1年間増減がないと失効。
IC定期券、シニアアキカはポイントなし。※Suica、PASMO、他地域のカード等ではポイント付与なし。
●紙の回数券、乗り放題券は3月25日まで販売。
乗り放題は券面記載の有効期限まで有効。回数券は「使用の期限はありません」。
→他地域では、従来の回数券の有効期限を定めたり、払い戻しを行うところがあるが、やらないようだ。
紙の回数券発売終了により、多くが市営バス時代から続いていた、市内各地のお店などに委託する回数券販売所も、廃止となるのだろう。在庫管理、納品と売り上げ回収、委託手数料の支払いなど、中央交通には負担だったはず。
この程度。
他地域のリリースや案内サイトと比べて情報が少ないとしたが、なんと言っても足りないのが「利用方法」。
よそでは、「乗車時にタッチ」とか「ピッと鳴ればどうこう」とか、写真や絵も使って説明してくれているのに。八戸では説明ブースや案内人も配置する。
秋田では磁気カードすら未導入で、初めてバスでカードを使う客が多いのだから、この点は説明していただかないと困る。利用開始後に混乱が生じるのでは。
【追記・2月9日になって、秋田市のサイト(ページ番号1033265)に写真入りで利用方法などの説明ページはできた。3月15日には中央交通サイトにもガイドが掲載。】
そして残念なのがポイント還元3%ポッキリ。
現行の秋田のバス回数券(過去の記事)は3区分あり、普通回数券で10%、買物回数券で40%、通学回数券で30%のプレミア(その金額分券片が多い)が付く。また、JRの普通回数券も10%。
バス業界の厳しい状況もあり、全国的にバスカード類の還元が少なくなっているとは聞いていた。秋田でも買物回数券(平日10~16時と休日限定)はなくなってしまうだろうと覚悟はしていた。
先に詳細が明らかになった青森市や八戸、山形県のICカードでは、通常分は3%ながら累積利用額に応じてボーナスポイントが付与(最大10%程度のものもあるが、ヘビーユーザーでないと難しい)されたり、12~20代前半の人の付与率を上げたりする。
岩手県北バスでは、3%ながら乗り継ぎ時に割り引きを開始。
ところが秋田では、1乗車100円均一の市民の高齢者以外は、みんな3%。岩手県交通と並ぶケチさである。分かりづらいように実質値上げする「ステルス値上げ」かもしれない。
170円区間だけ乗るとしたら、1回8ポイント、22回目でやっとポイントが使われる。JRの回数券よりも渋いとは…
秋田市外から通院などで来てバスに乗る人や中高生のいる世帯には、これで負担増になる。経済的支援の意味で、もう少しプレミアムを付けたほうがいいのではないだろうか。
ICカード導入により、新たなバス利用者を増やすようなことが言われていたが、たかが知れているだろう。そこへたった3%では、既存のバス利用者の利用控えやバス離れにつながってしまいそうだ。
【18日追記】300円区間を週に1度往復する場合で試算。1年間(600円×52週)では3万1200円分。※秋田駅西口~川元小川町/茨島三丁目などが300円区間。
普通回数券だと28.3冊分、回数券購入2万8000円+プレミアム2800円(9回分タダ)。
買物回数券だと22.2冊分、回数券購入2万2000円+プレミアム8800円(29回分タダ)。
AkiCAでは3万円300円分支払って、900ポイント(3回分タダ)が使われて、ほぼ1年。
支払額2万8000円、2万2000円だったものが3万円300円に。(以上追記)
秋田市公共交通政策ビジョンでは、運賃単純化(ゾーン運賃的なもの)や乗り継ぎ割引運賃の導入が挙げられていた。実現すればある程度の値下げにはなりそうだが、実現するのか。
あるいは、追って始まるIC定期券では、現行より大幅な割り引きでもされるのか。
期待したいけど…
あとは、「学校長期休業中は10代のポイント3倍」「土日に秋田厚生医療センターで乗降したらポイント2倍【10日追記・倍でなく「プラス10ポイント」とかでも】」みたいな、対象を区切ってポイントを増やすような=AkiCAでバスに乗りたくなるキャンペーンをやったらどうだろう。技術的にはできるのでは。
なお、八戸や山形では、カード導入に際して、ポイントが当たったり増えたりするキャンペーンを行なう。
3%しかポイントが付かない、かつ紙回数券は導入と同時に発売終了ながら使用期限なしとなれば、今のうちに回数券を買いだめして、AkiCA開始後も使い続けるのがいちばん得になってしまう。さもしくてみみっちくて、あまりやりたくはないけれど…
一方、現行は現金払いのみ100円均一である、循環バスぐるるは、AkiCA払いでもポイントが付くようなので、こちらは使わないと損。1回3ポイント付く。【4月3日追記・6月30日訂正・ぐるるや空港リムジンバスでは、ポイントが付かない可能性があることが判明しました。この記事も参照。】
その他、こまごまと今回のプレスリリースでは不明な点。
・ポイント残高や利用履歴の確認方法は?
ポイント残高は分からない。
履歴は、せいぜい各窓口、あとは秋田駅の近距離券売機で表示または印字してくださいということだろう。乗降バス停名までは記録されないはず。
・横手・湯沢や能代への高速バスで使えない?
現状では紙の回数券で支払い可能。前述の通り、中央交通担当便は、空港リムジンと同じ車が充当されるので、可能なはずだから、その便だけでも使わせるべきでは。【3月15日追記・3月15日アップのガイドでは、高速バスでは使えない旨明記された。】
共同運行先の能代線の秋北バスでは、いずれ導入されそう。横手・湯沢線の羽後交通は今のところなし。
・中央交通の紙回数券が使用できる、羽後交通本荘線、潟上市や南秋3町村のマイタウンバスでの代替措置は?
高速バスとは少し違って、こちらは便宜的かそれに近い扱いのように思えるので、使えなくなるのかもしれない。【3月15日追記・潟上市マイタウンバスの市のサイトでは、2月18日付で情報が掲載。4月1日から、独自の専用回数券をトランスポートが発売する。プレミアムは10%。3月までの回数券も引き続き使用は可能。南秋3町村のコミュニティーバスについては情報を見つけられず。】
南秋方面ではもともとの運賃が低額であるし、本荘線に至ってはどういう理屈で他社の回数券が使えるのか根拠がよく分からない(中央交通新屋線とは競合関係であって、共同運行ではない)。
・「記名式AkiCA」と「My Suica」の関係は?
これは他地域でも説明が見当たらない。
My Suicaとは、本家Suicaにおける記名式のこと。再発行のほか、JRの定期券とか電子マネー利用(乗車でなく買い物で)のポイントが付くなどする。駅窓口(や秋田駅にはまだないが対応券売機)で、個人方法を登録する。
AkiCAもSuicaなのだから、My Suicaにすることは可能なはず。
では、記名式AkiCAにしたとしても、My Suicaのサービスを受けるには、別に駅へ行って登録しないといけないのか。
これはおそらく、どちらか片方の登録で、もう一方も自動登録される。
ツイッターでは、栃木の記名式totraに、そのままJR東日本の定期券を載せられた(カード面にも印字)との投稿がある。
ただ、My Suicaでは、カード下部にカタカナで氏名が印字される。記名式AkiCA等では印字されないとのことなので、完全に同一の扱いでもないのか?
【9日追記】JR東日本ホームページのMy Suicaの説明に「「地域連携ICカード」も記名式に変更することができます。」とあるので、AkiCAをMy Suicaにすることは可能。でも、バス側の記名式との関連については言及なし。
【17日追記・JR東日本へ問い合わせた回答】どちらか一方で登録すれば、その地域連携ICカードは、もう一方でも自動的に記名式カードになるとのこと。1枚につき1度の記名手続きでいい。
解決したり、新たな疑問が出たりしたら追記します。
【9日追記】リリースでは触れていないが、無記名式カードを購入して、後から個人情報を登録して記名式に変更することが可能はなず。記名式はその本人以外使用できないが、無記名式は貸し借りなどして誰でも使用可。
発売当初の窓口混雑緩和への協力と、現状では大人料金の人ならば大きなメリットはないことから、とりあえず無記名式を購入して、回数券の残り消費&カードを家族などで使いまわして使うのが無難かもしれない。様子見ってことで。
【9日追記】9日に、秋田市サイトのページ番号1033265に、タッチ方法などの説明ページができた。写真もあるが、神奈川中央交通の中古の、ツーステップの三菱エアロミディで撮影している。運賃箱は青いコンパクトタイプでなく、グレーの旧型にリーダーやディスプレイを取り付けている。さらに車体が短いようにも見える。中央交通本体でなく、西部地区マイタウンバス用の秋田中央トランスポート所属の車両ではないだろうか。
中央交通サイトはそのまま。(以上追記)
ゆうちょ銀行での小銭出し入れにも手数料を取られる時代、小銭の心配が不要なのはありがたくスムーズになる(がその代わりに実質値上げとは…)。旅行客にも便利(けど地元住民には関係ない)。
弘南バスでも、ついに2023年春に自治体の補助を受けてICカードを導入することが、今日報道された(勝手ながらたまに弘前に行って小銭に困る者としてはありがたい)。時代の流れにはさからえないってことか。
【3月2日追記・機器の先行電源投入について】
3月1日に秋田営業所930号車に乗ったら、少なくとも運賃箱のカード関連装置の電源が入っていて、液晶画面に日付や「ご乗車ありがとうございました」といった文字が表示されていた。(車内放送に基づく)運賃表示器の切り替えの信号を受信すると「ピロピロ」と音が鳴っていた。Suicaをタッチすれば支払いできそう。
また、1つ前の記事にコメントいただいたように、3月2日にも秋田営業所の車で電源が入って営業運行しており、こちらは調子が悪そうだったとのこと。
確認した限りでは、電源が入っていない車が圧倒的に多い。何らかの理由で先行して動かしているのだろうけど、知らぬ間にポケットのSuicaが反応して、おかしな情報が書き込まれたり、引き去られたりしたら、面倒なことになりそう【3日補足・乗務員用IDカード未タッチの状態で走らせているのだそうで、そのようなことは起こり得ないらしい】。
【3月15日追記・「ご利用ガイド」公開】
10日前になってやっと、中央交通のサイトに「詳しいご利用方法」が掲載。リーフレットと同じと思われる16ページのPDFファイルで、中央交通のみの名義の「AkiCAご利用ガイド」。大したことは書いてないが、新たに分かったことは、
・「※高速バスではご利用できません。」
・「ポイント付与の対象外/不足運賃を現金または回数券で支払った場合」→じゃあ、複数人分をまとめて支払った時、1日乗車券を購入した時は、ポイント付与対象なのでしょうかね? いずれしてもポイント残高が確認できないと分かりづらい。
・「ICバス定期券のサービス開始は、令和4年度中を予定」
【3月25日追記・↑上記16ページをA5判にして綴った冊子が作られており、AkiCA開始以前(前日25日に確認)から案内所や車内に置かれていた。】
【3月25日追記・記名カード申込書先行アップ】
3月22日に中央交通サイトに「記名式AkiCAの購入申込書について」が掲載。PDFファイルの「【 記名式AkiCA購入・個人情報変更 】申込書」もアップされ、記名式を購入する人は「窓口の混雑緩和のため」、これをプリントアウトして記入して持参するよう求めている。
記入例は、2000年4月21日生まれのアキチュウ タロウ。誕生日は、1922年4月21日の、同社(当時は五城目軌道と称した)が今の八郎潟~五城目で鉄道を開業させた日を意識したのだろう。したがって、中央交通では「今年で開業100周年」としている。なお会社設立は1921年1月15日。
※以降は、導入時の記事へ続きます。
※秋田市民の高齢者専用「シニアアキカ」は2022年秋開始予定。
※秋田市周辺のJR東日本の鉄道で利用できるのは2023年春。
2月4日、中央交通と市の連名で「地域連携IC カード 「 AkiCA (アキカ 」 のサービス開始日及びサービス内容について」が発出され、詳細が明らかになった。
でも、青森県各地や山形など今春開始される他地域と比べると、秋田は情報発信が遅い上に、内容が薄い。中央交通サイトにアップされたそのPDFファイル名は「2022.2.4【最終版】サービス開始プレスリリース.pdf」。ぜひとも【追加版】がほしい。【末尾追記の通り、3月15日に多少の追加情報公開】
以下、プレスリリースから分かったことと感想。勘違いがあるかもしれません。
●発売開始・利用開始とも2022年3月26日 土曜日
→当日も発売窓口(後述)の営業は通常通りなので、いちばん早くカードを入手できるのは、秋田駅東口乗車券発売所の6時50分。
●エリア(利用可能路線)は、一般路線バス(国際教養大学周辺含む)、秋田空港リムジンバス、秋田市中心市街地循環バスぐるる、秋田市マイタウン・バス
→言及はなく当然だが、秋田市外にまたがる一般路線バスでも使用可。一方、リムジンと車両が共通である県内高速バス(共同運行先はともかく中央交通担当便)では使えないのか?【3月15日の追加情報では、高速バスでは使えないと明記された。】
【25日補足】中央交通グループエリア内で、秋田市以外の市町村のコミュニティーバスの中には、秋田市内の路線バスと同じ塗装の車両が使われるものもあるが、それらは現時点では対象外。また、現在は、秋田市内に入らずに秋田市外で完結する中央交通本体直営の一般路線バスはなくなっている。例えば八郎潟駅~五城目のバスも、今は直営ではなくコミュニティーバス扱いになったので、本件の対象外。
●IC定期券の開始は「時期未定」【3月15日の追加情報では、令和4(2022)年度中に導入予定とされた。】
【3月27日追記・現行の紙の定期券は「持参人式」。しかし、ICカードでは記名式が必須なので、持参人式とはならないかに思われた。しかし、カードの注意書きには引き続き持参人式になる可能性を示唆する文言があった。末尾リンクの導入時の記事参照。】
●カード発売額は1000円(チャージ500円+デポジット500円)のみ
→他地域では、チャージ額が違う数種類を売っているが、簡略化【9日補足・発売時の混乱解消のため】したのか。リリースにも記載されているが、購入直後にチャージすればいい話なので、理解できる。
●「無記名式AkiCA」と「記名式AkiCA」。紛失再発行や定期券、小児用、障がい者用は要記名式。
→他地域でも同様。記名式にしてもカード面には定期券情報のほか氏名も印字されない。【9日補足・とりあえず無記名式を買って、後から登録して記名式にすることも可能なはずだが、記載なし。】
●バス会社によるチャージ場所は、車内(マイ・タウンバスは除く。千円札のみ)、バス会社窓口。(他に鉄道駅、コンビニエンスストアなど)
→多くの他地域同様、例えば街中などに独自のチャージ機は置かないようだ。
●発売・チャージ窓口は、五城目を含む3営業所、新屋、長崎屋、秋田駅西口、秋田駅東口の各案内所/発売所。
西口のみ、記名式の発行(登録ということか)ができない。
→秋田市外の五城目営業所でも扱うのが少々意外だが、路線があるから当然かも。
他地域では青森市営バスは車内やコンビニでもカードを販売するが、ほかは秋田に近い売りかた。でも、秋田市街地まではあまり出かけない、郊外在住の人がカードをほしい場合は、入手に困りそう。期間・時間限定でいいから、スーパーなんかで売ってもらうとかできるのでは。
●1日乗り放題乗車券(一般路線バス用)と中心市街地循環バスぐるる専用1日乗り放題乗車券の情報を、車内で書き込み(残高から購入)可。2種の同時搭載は不可。Suica、PASMO等も対応。
→値下げや新たなフリー乗車券を期待したが、これまでの紙券そのまま。
●交通ポイントは支払額の一律3%(小数点以下切り捨て)
中央交通、マイタウン共通。ポイント額が、支払い時の運賃に達していれば、その支払に自動適用。
IC定期券、シニアアキカはポイントなし。※Suica、PASMO、他地域のカード等ではポイント付与なし。
●紙の回数券、乗り放題券は3月25日まで販売。
乗り放題は券面記載の有効期限まで有効。回数券は「使用の期限はありません」。
→他地域では、従来の回数券の有効期限を定めたり、払い戻しを行うところがあるが、やらないようだ。
紙の回数券発売終了により、多くが市営バス時代から続いていた、市内各地のお店などに委託する回数券販売所も、廃止となるのだろう。在庫管理、納品と売り上げ回収、委託手数料の支払いなど、中央交通には負担だったはず。
この程度。
他地域のリリースや案内サイトと比べて情報が少ないとしたが、なんと言っても足りないのが「利用方法」。
よそでは、「乗車時にタッチ」とか「ピッと鳴ればどうこう」とか、写真や絵も使って説明してくれているのに。八戸では説明ブースや案内人も配置する。
秋田では磁気カードすら未導入で、初めてバスでカードを使う客が多いのだから、この点は説明していただかないと困る。利用開始後に混乱が生じるのでは。
【追記・2月9日になって、秋田市のサイト(ページ番号1033265)に写真入りで利用方法などの説明ページはできた。3月15日には中央交通サイトにもガイドが掲載。】
そして残念なのがポイント還元3%ポッキリ。
現行の秋田のバス回数券(過去の記事)は3区分あり、普通回数券で10%、買物回数券で40%、通学回数券で30%のプレミア(その金額分券片が多い)が付く。また、JRの普通回数券も10%。
バス業界の厳しい状況もあり、全国的にバスカード類の還元が少なくなっているとは聞いていた。秋田でも買物回数券(平日10~16時と休日限定)はなくなってしまうだろうと覚悟はしていた。
先に詳細が明らかになった青森市や八戸、山形県のICカードでは、通常分は3%ながら累積利用額に応じてボーナスポイントが付与(最大10%程度のものもあるが、ヘビーユーザーでないと難しい)されたり、12~20代前半の人の付与率を上げたりする。
岩手県北バスでは、3%ながら乗り継ぎ時に割り引きを開始。
ところが秋田では、1乗車100円均一の市民の高齢者以外は、みんな3%。岩手県交通と並ぶケチさである。分かりづらいように実質値上げする「ステルス値上げ」かもしれない。
170円区間だけ乗るとしたら、1回8ポイント、22回目でやっとポイントが使われる。JRの回数券よりも渋いとは…
秋田市外から通院などで来てバスに乗る人や中高生のいる世帯には、これで負担増になる。経済的支援の意味で、もう少しプレミアムを付けたほうがいいのではないだろうか。
ICカード導入により、新たなバス利用者を増やすようなことが言われていたが、たかが知れているだろう。そこへたった3%では、既存のバス利用者の利用控えやバス離れにつながってしまいそうだ。
【18日追記】300円区間を週に1度往復する場合で試算。1年間(600円×52週)では3万1200円分。※秋田駅西口~川元小川町/茨島三丁目などが300円区間。
普通回数券だと28.3冊分、回数券購入2万8000円+プレミアム2800円(9回分タダ)。
買物回数券だと22.2冊分、回数券購入2万2000円+プレミアム8800円(29回分タダ)。
AkiCAでは3万円300円分支払って、900ポイント(3回分タダ)が使われて、ほぼ1年。
支払額2万8000円、2万2000円だったものが3万円300円に。(以上追記)
秋田市公共交通政策ビジョンでは、運賃単純化(ゾーン運賃的なもの)や乗り継ぎ割引運賃の導入が挙げられていた。実現すればある程度の値下げにはなりそうだが、実現するのか。
あるいは、追って始まるIC定期券では、現行より大幅な割り引きでもされるのか。
期待したいけど…
あとは、「学校長期休業中は10代のポイント3倍」「土日に秋田厚生医療センターで乗降したらポイント2倍【10日追記・倍でなく「プラス10ポイント」とかでも】」みたいな、対象を区切ってポイントを増やすような=AkiCAでバスに乗りたくなるキャンペーンをやったらどうだろう。技術的にはできるのでは。
なお、八戸や山形では、カード導入に際して、ポイントが当たったり増えたりするキャンペーンを行なう。
3%しかポイントが付かない、かつ紙回数券は導入と同時に発売終了ながら使用期限なしとなれば、今のうちに回数券を買いだめして、AkiCA開始後も使い続けるのがいちばん得になってしまう。さもしくてみみっちくて、あまりやりたくはないけれど…
一方、現行は現金払いのみ100円均一である、循環バスぐるるは、
その他、こまごまと今回のプレスリリースでは不明な点。
・ポイント残高や利用履歴の確認方法は?
ポイント残高は分からない。
履歴は、せいぜい各窓口、あとは秋田駅の近距離券売機で表示または印字してくださいということだろう。乗降バス停名までは記録されないはず。
・横手・湯沢や能代への高速バスで使えない?
現状では紙の回数券で支払い可能。前述の通り、中央交通担当便は、空港リムジンと同じ車が充当されるので、可能なはずだから、その便だけでも使わせるべきでは。【3月15日追記・3月15日アップのガイドでは、高速バスでは使えない旨明記された。】
共同運行先の能代線の秋北バスでは、いずれ導入されそう。横手・湯沢線の羽後交通は今のところなし。
・中央交通の紙回数券が使用できる、羽後交通本荘線、潟上市や南秋3町村のマイタウンバスでの代替措置は?
高速バスとは少し違って、こちらは便宜的かそれに近い扱いのように思えるので、使えなくなるのかもしれない。【3月15日追記・潟上市マイタウンバスの市のサイトでは、2月18日付で情報が掲載。4月1日から、独自の専用回数券をトランスポートが発売する。プレミアムは10%。3月までの回数券も引き続き使用は可能。南秋3町村のコミュニティーバスについては情報を見つけられず。】
南秋方面ではもともとの運賃が低額であるし、本荘線に至ってはどういう理屈で他社の回数券が使えるのか根拠がよく分からない(中央交通新屋線とは競合関係であって、共同運行ではない)。
・「記名式AkiCA」と「My Suica」の関係は?
これは他地域でも説明が見当たらない。
My Suicaとは、本家Suicaにおける記名式のこと。再発行のほか、JRの定期券とか電子マネー利用(乗車でなく買い物で)のポイントが付くなどする。駅窓口(や秋田駅にはまだないが対応券売機)で、個人方法を登録する。
AkiCAもSuicaなのだから、My Suicaにすることは可能
では、記名式AkiCAにしたとしても、My Suicaのサービスを受けるには、
これは
ツイッターでは、栃木の記名式totraに、そのままJR東日本の定期券を載せられた(カード面にも印字)との投稿がある。
ただ、My Suicaでは、カード下部にカタカナで氏名が印字される。記名式AkiCA等では印字されないとのことなので、完全に同一の扱いでもないのか?
【9日追記】JR東日本ホームページのMy Suicaの説明に「「地域連携ICカード」も記名式に変更することができます。」とあるので、AkiCAをMy Suicaにすることは可能。でも、バス側の記名式との関連については言及なし。
【17日追記・JR東日本へ問い合わせた回答】どちらか一方で登録すれば、その地域連携ICカードは、もう一方でも自動的に記名式カードになるとのこと。1枚につき1度の記名手続きでいい。
解決したり、新たな疑問が出たりしたら追記します。
【9日追記】リリースでは触れていないが、無記名式カードを購入して、後から個人情報を登録して記名式に変更することが可能はなず。記名式はその本人以外使用できないが、無記名式は貸し借りなどして誰でも使用可。
発売当初の窓口混雑緩和への協力と、現状では大人料金の人ならば大きなメリットはないことから、とりあえず無記名式を購入して、回数券の残り消費&カードを家族などで使いまわして使うのが無難かもしれない。様子見ってことで。
【9日追記】9日に、秋田市サイトのページ番号1033265に、タッチ方法などの説明ページができた。写真もあるが、神奈川中央交通の中古の、ツーステップの三菱エアロミディで撮影している。運賃箱は青いコンパクトタイプでなく、グレーの旧型にリーダーやディスプレイを取り付けている。さらに車体が短いようにも見える。中央交通本体でなく、西部地区マイタウンバス用の秋田中央トランスポート所属の車両ではないだろうか。
中央交通サイトはそのまま。(以上追記)
ゆうちょ銀行での小銭出し入れにも手数料を取られる時代、小銭の心配が不要なのはありがたくスムーズになる(がその代わりに実質値上げとは…)。旅行客にも便利(けど地元住民には関係ない)。
弘南バスでも、ついに2023年春に自治体の補助を受けてICカードを導入することが、今日報道された(勝手ながらたまに弘前に行って小銭に困る者としてはありがたい)。時代の流れにはさからえないってことか。
【3月2日追記・機器の先行電源投入について】
3月1日に秋田営業所930号車に乗ったら、少なくとも運賃箱のカード関連装置の電源が入っていて、液晶画面に日付や「ご乗車ありがとうございました」といった文字が表示されていた。(車内放送に基づく)運賃表示器の切り替えの信号を受信すると「ピロピロ」と音が鳴っていた。Suicaをタッチすれば支払いできそう。
また、1つ前の記事にコメントいただいたように、3月2日にも秋田営業所の車で電源が入って営業運行しており、こちらは調子が悪そうだったとのこと。
確認した限りでは、電源が入っていない車が圧倒的に多い。何らかの理由で先行して動かしているのだろうけど、知らぬ間にポケットのSuicaが反応して、おかしな情報が書き込まれたり、引き去られたりしたら、面倒なことになりそう【3日補足・乗務員用IDカード未タッチの状態で走らせているのだそうで、そのようなことは起こり得ないらしい】。
【3月15日追記・「ご利用ガイド」公開】
10日前になってやっと、中央交通のサイトに「詳しいご利用方法」が掲載。リーフレットと同じと思われる16ページのPDFファイルで、中央交通のみの名義の「AkiCAご利用ガイド」。大したことは書いてないが、新たに分かったことは、
・「※高速バスではご利用できません。」
・「ポイント付与の対象外/不足運賃を現金または回数券で支払った場合」→じゃあ、複数人分をまとめて支払った時、1日乗車券を購入した時は、ポイント付与対象なのでしょうかね? いずれしてもポイント残高が確認できないと分かりづらい。
・「ICバス定期券のサービス開始は、令和4年度中を予定」
【3月25日追記・↑上記16ページをA5判にして綴った冊子が作られており、AkiCA開始以前(前日25日に確認)から案内所や車内に置かれていた。】
【3月25日追記・記名カード申込書先行アップ】
3月22日に中央交通サイトに「記名式AkiCAの購入申込書について」が掲載。PDFファイルの「【 記名式AkiCA購入・個人情報変更 】申込書」もアップされ、記名式を購入する人は「窓口の混雑緩和のため」、これをプリントアウトして記入して持参するよう求めている。
記入例は、2000年4月21日生まれのアキチュウ タロウ。誕生日は、1922年4月21日の、同社(当時は五城目軌道と称した)が今の八郎潟~五城目で鉄道を開業させた日を意識したのだろう。したがって、中央交通では「今年で開業100周年」としている。なお会社設立は1921年1月15日。
※以降は、導入時の記事へ続きます。
競合する青森市営への対抗、観光客が多い土地という点では、順当でしょうかね。
昨年末弘前で見た限りでは、使い回しの古い運賃箱搭載車が減って、改造でカード対応可能な新型運賃箱の車がだいぶ増えたと感じました。水面下では準備が進んでいるのかもしれません。
古参車でもわざわざ新型に交換していたので意外でした。
西部マイタウンバス向けはノーマークでしたが旧型運賃箱が残れば
ある意味貴重な存在ともいえそうです。
あと、最終使用から1年でポイント失効は短く感じますね。今後、ポイント倍になるとかキャンペーンを打つならいいなと思います。
直営・本体と、受託・子会社の格差でしょうか。透明な投入口の箱の左側に、無理がありそうな取り付けですが、なんとかなるもんですね。
マイタウンではチャージしないとのことですが、この装備なら物理的には可能かもしれません。2024年の新紙幣の対応は大丈夫かという不安もありますが。
東北各地の古い運賃箱を残している各事業者の対応も気になります。
>ときさん
秋田市交通局廃止時は、交通局発行の回数券は、使用期限あり・払い戻しありでした。今回はほんとに永遠に使えるのでしょうかね。
買物券は、今で言うオフピークの利用促進を先取ししたものでした。40%といかずとも、何らかの優遇をと思わずにはいられません。
ポイント期限は、地元在住者のためのカードで、年に1回くらいは乗ってほしいということでしょう。地元でも、たった3%ならいらないと、モバイルSuicaなどを使ってしまう人もいそうです。
Suicaを持って居たら別にAkiCAを持たなくとも良いような。
情報が本当に少ないですよね。
秋田市と中央交通の特別な計らいで実現できている障害者バス福祉特別乗車証ですが
これが記名式障害者特別乗車証AkiCAになるのでしょうか。
ケチなポイント制は仕方ない面も。
川崎市営バスではPASMO・SuicaでバスICカードですが
今年3月31日の最終バスでバス特(バス利用特典サービス)は終了となります。
1円につき1ポイント、1回の乗車で210円ポイント障害者は105ポイント)ついたのですが。
首都圏では殆どがバス特を止めている現状では仕方ないです。
現在乗車証を持っている人には、案内や説明が届いたりしないのでしょうかね。
現状の説明だけでは、総合的に3月末はいろいろ混乱が生じかねません。
全国的な流れがポイント引き下げなのは分かりますが、突然7%分も削られるのですから、ちゃんとした説明と激変緩和措置があっていいと思います。
あと、秋田市は低炭素社会とかコンパクトシティとかエイジフレンドリーシティとか持続可能な街とか、市民にバスを利用させていく方向性の施策を進めているはずです。だったら、あと1%でも、せめて若い人だけでも、バスを選びたくなるポイント制度を構築してくれるものと期待していたのに、残念でした。
やっと、ゆうちょ銀行のSuicaが秋田でも意味を成す状態になった訳で。
発売直後は登録窓口が混雑したり、不慣れで間違って登録されたりしないか、個人的には心配です。
カタカナのフルネームと電話番号のみの登録なので、黒の券売機でツグナガモモコで登録した人も多かったとかで、嗣永桃子本人が手続きをした際にたくさん登録されていたとかという話もあったそうで。