秋田県沿岸北部、能代市の産直・みょうが館の彼岸だんごはおいしかった。今回は、内陸北部、大館市や北秋田市鷹巣(たかのす。JR駅名は鷹ノ巣)の彼岸の餅類。※鷹巣の町やまんじゅうについてはこちら。
鷹巣市街地の2つの店で、2種類を購入。
左は駅前の「産直センター の~そん」で購入(の~そんのことは後日)。
右は駅から少し歩いた、「イオンタウン鷹巣」内「ザ・ビッグたかのす店」で購入。
どちらも「しんこ餅」という名称。
どちらも白くて小さい餅があんこの中に混ざっている。秋田市でも比較的なじみがある、典型的な(秋田の)しんこ餅だ。県内では、能代の「セキト」の「志んこ」が著名。県外では、北海道の大沼だんごや新潟県新津の三色だんごなども、同じ系統。
彼岸の入りのこの日、の~そんには、餅類がいろいろあるかと期待した。しかし、たしか赤飯やぼたもちが少々と、このしんこ餅しか置いていなかった。
奥羽本線で鷹ノ巣の1駅下り方向、糠沢駅の辺りの方の製造。
税抜200円。原材料は「餅粉(国内製造)、うる粉、小麦粉、小豆、砂糖、塩」。消費期限は翌々日。
とりあえずしんこ餅が手に入って満足したが、秋田を出る時点で計画が狂ってしまい、鷹巣で時間が余った。
スーパーがそう遠くないということで、向かった。イオンタウン鷹巣の斜め向かいには、「いとく鷹巣ショッピングセンター」もあって、両方入ってみた。
どちらの店にも、写真右のしんこ餅が大量に売られていて驚いた。たけやや千葉恵製菓などのおはぎ・ぼたもちもあるが、それらに負けないくらい。
大館市の「菅原餅店」の製品。250g、税抜365円(価格が印字済み)。100g当たり200kcal。
原材料は「上新粉(国内製造)、小豆、砂糖、水飴、/酵素」。消費期限は翌日。
菅原餅店では、同じサイズで、あんこの代わりにごまをまぶしたものもあった。
さらにいとくには、あんこのしんこで「御所野」とかいう製造元のものもあった。北秋田市内、合川方面のようだ。
以前、秋田県内の一部地域では、彼岸に「だんし(以下、ダンシと表記)」なる、おはぎ・ぼたもちではない、団子を作る(そして供えて食べる)ことを知って驚いた。いろいろ調べると、ダンシでも、地域によってさらに違いがあることも分かったが、情報が少なかった。
その中で、秋田県北部ではわりとダンシが盛んなように感じていた。
今回の彼岸の直前には、大館の方から、大館ではダンシとしんこは似ているが、原則的には材料がもち粉とうるち米の上新粉の違いがあるとのコメントもいただいていた。また、秋彼岸にも作るが、春のほうが盛んとも。
鷹巣のスーパーで、あんなにたくさん売っていたということは、やはりダンシの風習は根強く、おはぎ・ぼたもちでなく、ダンシと同等と見なして、またはやむなく代替として、しんこを買う人が多いのだろう。
翌日消費期限のをあれほど売るんだから。
の~そんのしんこ餅
名前は「しんこ餅」ながら、原材料が「餅粉」だから、これらがよりダンシに近いのだろうか。
しんこ餅のセオリー通り、小さめの餅に、こしあんがまぶされている。でも、この餅はギリギリ1口大ほどで、しんこ餅としては大きい。餅は柔らかくて、伸びないタイプだが、指や容器にはべたっとくっつく(みょうが館のだんごと似ている)。あんこの味付けは、各家庭の違いだろうか、素朴な感じ。
菅原餅店のしんこ餅。黄色いシールは「しんこ」
こちらも標準的で、餅のサイズも標準的。
ソーセージ状の餅をカットして作っているような形。粘着力は弱く、うるち米のしんこらしい。あんこはあっさり目で好き。
菅原餅店は大館では親しまれているお店だそうで、おにぎりなども製造している。
これが秋田県北部の彼岸の実情。秋田県に長く住むのに、餅好きなのに、まだまだ知らないとがあるものだ。
近年、北秋田市といえば「バター餅」が有名になったけど、それ以前からこんな餅文化があったのだった。
現在の秋田市内では、セキト以外のしんこを購入するのは難しいと思われる。八郎潟の畠栄の「あんごま餅」やそのたけや製パン版などは、しんこじゃなく、重い(もち米の)餅で違う。しんこならではのあっさりが好き。
輸送の都合もあるのだろうが、秋田市のスーパー(いとくでもイオン東北でも)では、ほぼまったく売られていないのは、この手の餅好きとして惜しい。県北部から秋田市へ移り住んだ人たちも、残念がっているかも。
今後の彼岸は、能代の彼岸だんごと北秋田・大館のしんこを買いに行かなければ。
【追記】2021年春彼岸に、能代市二ツ井の道の駅ふたついに行ったところ、産直売り場で菅原餅店のしんこが売られていた。
【2022年3月21日付 秋田魁新報 県北地域面より追記】「しんこ餅作り 彼岸で最盛期 大館市内の餅屋」として、菅原餅店が取り上げられていた。
「16日ごろから1日当たり千パック以上を製造」→2022年の春彼岸入りは3月18日。いつまで大量生産が続くのかは言及なし。
「しんこ餅のほか、おはぎやぼた餅を買い求める客も多く」→これは製造元へ直接買いに来るということか。
「同店のしんこ餅は250グラム入り394円。大館、北秋田、能代3市のスーパーで販売している」→小坂町や鹿角市へは行かないのか。
【2024年3月24日追記 能代市のスーパーでの扱い】2024年春彼岸明けの日に、イオンスタイル能代東といとく能代ショッピングセンターへ行ってみたが、秋田市内でも買える量産品ばかりで、地域からではの彼岸菓子はなかった。
鷹巣市街地の2つの店で、2種類を購入。
左は駅前の「産直センター の~そん」で購入(の~そんのことは後日)。
右は駅から少し歩いた、「イオンタウン鷹巣」内「ザ・ビッグたかのす店」で購入。
どちらも「しんこ餅」という名称。
どちらも白くて小さい餅があんこの中に混ざっている。秋田市でも比較的なじみがある、典型的な(秋田の)しんこ餅だ。県内では、能代の「セキト」の「志んこ」が著名。県外では、北海道の大沼だんごや新潟県新津の三色だんごなども、同じ系統。
彼岸の入りのこの日、の~そんには、餅類がいろいろあるかと期待した。しかし、たしか赤飯やぼたもちが少々と、このしんこ餅しか置いていなかった。
奥羽本線で鷹ノ巣の1駅下り方向、糠沢駅の辺りの方の製造。
税抜200円。原材料は「餅粉(国内製造)、うる粉、小麦粉、小豆、砂糖、塩」。消費期限は翌々日。
とりあえずしんこ餅が手に入って満足したが、秋田を出る時点で計画が狂ってしまい、鷹巣で時間が余った。
スーパーがそう遠くないということで、向かった。イオンタウン鷹巣の斜め向かいには、「いとく鷹巣ショッピングセンター」もあって、両方入ってみた。
どちらの店にも、写真右のしんこ餅が大量に売られていて驚いた。たけやや千葉恵製菓などのおはぎ・ぼたもちもあるが、それらに負けないくらい。
大館市の「菅原餅店」の製品。250g、税抜365円(価格が印字済み)。100g当たり200kcal。
原材料は「上新粉(国内製造)、小豆、砂糖、水飴、/酵素」。消費期限は翌日。
菅原餅店では、同じサイズで、あんこの代わりにごまをまぶしたものもあった。
さらにいとくには、あんこのしんこで「御所野」とかいう製造元のものもあった。北秋田市内、合川方面のようだ。
以前、秋田県内の一部地域では、彼岸に「だんし(以下、ダンシと表記)」なる、おはぎ・ぼたもちではない、団子を作る(そして供えて食べる)ことを知って驚いた。いろいろ調べると、ダンシでも、地域によってさらに違いがあることも分かったが、情報が少なかった。
その中で、秋田県北部ではわりとダンシが盛んなように感じていた。
今回の彼岸の直前には、大館の方から、大館ではダンシとしんこは似ているが、原則的には材料がもち粉とうるち米の上新粉の違いがあるとのコメントもいただいていた。また、秋彼岸にも作るが、春のほうが盛んとも。
鷹巣のスーパーで、あんなにたくさん売っていたということは、やはりダンシの風習は根強く、おはぎ・ぼたもちでなく、ダンシと同等と見なして、またはやむなく代替として、しんこを買う人が多いのだろう。
翌日消費期限のをあれほど売るんだから。
の~そんのしんこ餅
名前は「しんこ餅」ながら、原材料が「餅粉」だから、これらがよりダンシに近いのだろうか。
しんこ餅のセオリー通り、小さめの餅に、こしあんがまぶされている。でも、この餅はギリギリ1口大ほどで、しんこ餅としては大きい。餅は柔らかくて、伸びないタイプだが、指や容器にはべたっとくっつく(みょうが館のだんごと似ている)。あんこの味付けは、各家庭の違いだろうか、素朴な感じ。
菅原餅店のしんこ餅。黄色いシールは「しんこ」
こちらも標準的で、餅のサイズも標準的。
ソーセージ状の餅をカットして作っているような形。粘着力は弱く、うるち米のしんこらしい。あんこはあっさり目で好き。
菅原餅店は大館では親しまれているお店だそうで、おにぎりなども製造している。
これが秋田県北部の彼岸の実情。秋田県に長く住むのに、餅好きなのに、まだまだ知らないとがあるものだ。
近年、北秋田市といえば「バター餅」が有名になったけど、それ以前からこんな餅文化があったのだった。
現在の秋田市内では、セキト以外のしんこを購入するのは難しいと思われる。八郎潟の畠栄の「あんごま餅」やそのたけや製パン版などは、しんこじゃなく、重い(もち米の)餅で違う。しんこならではのあっさりが好き。
輸送の都合もあるのだろうが、秋田市のスーパー(いとくでもイオン東北でも)では、ほぼまったく売られていないのは、この手の餅好きとして惜しい。県北部から秋田市へ移り住んだ人たちも、残念がっているかも。
今後の彼岸は、能代の彼岸だんごと北秋田・大館のしんこを買いに行かなければ。
【追記】2021年春彼岸に、能代市二ツ井の道の駅ふたついに行ったところ、産直売り場で菅原餅店のしんこが売られていた。
【2022年3月21日付 秋田魁新報 県北地域面より追記】「しんこ餅作り 彼岸で最盛期 大館市内の餅屋」として、菅原餅店が取り上げられていた。
「16日ごろから1日当たり千パック以上を製造」→2022年の春彼岸入りは3月18日。いつまで大量生産が続くのかは言及なし。
「しんこ餅のほか、おはぎやぼた餅を買い求める客も多く」→これは製造元へ直接買いに来るということか。
「同店のしんこ餅は250グラム入り394円。大館、北秋田、能代3市のスーパーで販売している」→小坂町や鹿角市へは行かないのか。
【2024年3月24日追記 能代市のスーパーでの扱い】2024年春彼岸明けの日に、イオンスタイル能代東といとく能代ショッピングセンターへ行ってみたが、秋田市内でも買える量産品ばかりで、地域からではの彼岸菓子はなかった。
冷凍便専用で、日保ちは解凍後約一日とのこと。
餅のほうも悪くなるというより固くなりそうですが、どんなものなんでしょうね。
バイパス店隣接の現工場になってから、宅配専用の志んこができたらしく、店舗販売とは別の専用のあんこを使っているそうです。
どう違うのか、機会があれば試してみたいものです。
反対にセキトといえば、(ゴマダレ入りの)だまこ餅と言う人も多そうですが。
大館の鶏めしや煉屋バナナのように、直営店でないにしてももっと秋田市内で売れば売れそうですよね。
日持ちしないし、品質保証の自負みたいなのがあるのかもしれません。
秋田市では一番安いやつ(1000円前後の、一番小さい重箱の商品のみ)しか買えないので、能代で大型のものを買うことが多い(重箱に入っていない、キロ単位で買えるものもある)ですが、なかなかいく暇がない。
しかも、上町本店(本社移転前の本店店舗)は、昼のみの営業(公式には、働き方改革を理由としている)にされてしまったので(本社移転後の本店および工場もバイバス店隣接地なので、工場から上町本店まで搬送するのに時間がかかるようになった)、秋田市からバイパス店だと車がないとちと辛いかも。
秋田市に支店があっても、売り上げはありそうな気もしますが、セキトさんはどうでしょうね。