広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

秋田 和田

2020-08-14 22:46:29 | 秋田の季節・風景
秋田駅からJR奥羽本線上り(いわゆる“奥羽南線”側)に2駅だけ乗車。短距離で秋田市内ではあるが、個人的には乗る機会が少ない方面であり、さらに初めて降りる駅。指定席券売機で往復乗車券を購入。
ゆき券
券面左下の数字(券番?)「60006」は、これを発券した券売機が、その日に扱った6件目のきっぷという意味だと思う(1件目はメンテナンス用で、5件目かも?)。
秋田駅には指定席券売機が4台並ぶ。このFC1号機は、うち唯一のクレジットカード専用機なので、少なめかもしれないが、単純に4倍すれば、午前10時頃で30件ほどしかきっぷが売れていないことになると思う。新型コロナウイルスのため、それだけ(少なくとも)長距離客が減っているということか。

自分で画面で確認して買ったのに、券面を見て、一瞬どきっとしてしまった。
「秋田→秋田」に見えてしまったから。
※秋田発秋田行きの乗車券も、大回りして重複しない経路ならば、(窓口で)購入することはできる。

もちろん「秋田→和田」。秋田駅から和田(わだ)駅まで。
のぎへんの漢字+田は共通ながら、つくりは火と口で区別付きそうなものだけど、一瞬だけなら見間違う。
秋田中央交通では一時期、秋田駅(西口)-和田駅前の路線バスを運行していたのだが、その行き先表示は「わだ駅」とひらがなにしていた。
(再掲)2018年10月で廃止された横山経由わだ線=路線名もひらがなだった
それは、Wikipediaによれば秋田と和田の誤認を防ぐためだったそうだ。「要出典」っぽいけど、この乗車券を見れば、改めて納得できる(そして中央交通としては気が利いている)。


新庄行き各駅停車は、適度な間隔をおいて座れる程度の乗車率。この時間はいつもこのぐらいかもしれないが、お盆にしては旅行客風の人は3人(いずれも一人旅)ほどしかいない。地元の人はいつも並みのようで、全体の乗車率は緊急事態宣言中のゴールデンウイーク、あるいはその前の年度代わり頃よりは、多いと思う。

秋田-和田は13.3キロ、12~13分、240円。
間には四ツ小屋駅(2年前の記事)だけ。和田の次は、秘境駅とも言われる大張野駅(10年前の記事)。
大張野まで秋田市内だが、和田と大張野は旧・河辺町(2005年1月まで)。

和田は、河辺地区の中心地なのだが、これまで国道13号などで通過するばかりで、駅も町なかもなじみが薄かった。今回も、行ったわりには急ぎ足でざっと見ただけに終わってしまったのだけど、簡単に記録しておきます。
和田駅は明治時代開業。元は2面3線だったが、今は秋田新幹線(標準軌)の通過線ができたため、乗降できるホームは2面2線。
上りが主に停まる2番線。向かいが1番線でその向こう側(柵)が標準軌
停止位置目標やワンマンミラーは、両ホームとも上下両側向きに設置されている。

駅舎は橋上駅舎。
券売機はなく、窓口で購入できる簡易委託駅。秋田地区の慣例として、降車客のきっぷは委託の人が集札し、ワンマンでもすべてのドアが開く。
乗車時の改札や案内はなし。改札口の隣に10人弱座れる待合室、1階にもベンチなどがあるが、いずれも乗り遅れやホーム間違いには注意。

駅の建物も町も国道13号も北側にある。
跨線橋と並んで南北自由通路があり、まずは南側を見ると、
水田の中に道路が伸びるだけ
秋田では珍しくはないが、見事な田んぼ。奥のほうに集落があり、雄物川支流の岩見川が流れている。渡った先が「七曲臨空港工業団地」。
北側へ降りると、
なかなか立派で新しい駅舎
合併直前の2003年にできた橋上駅舎。2011年までキオスクもあった。
駅舎に向かって右側は「ふれあい交流館かわべ」という施設。元は河辺町の施設だったので、今は秋田市管轄らしいが、入らなかったし、秋田市役所のホームページには名前と所在地ぐらいしか掲載されておらず、よく分からない施設。

駅前には高雄【11月25日訂正】高尾タクシーが待機。
かつては中央交通の路線バス(上記わだ線や国際教養大線)が乗り入れていたが、現在は秋田市マイタウン・バス南部線のみ。御所野のイオンモール~和田駅~岩見温泉の路線が、平日7往復・土日4往復と、その他予約式路線。
【19日追記】国際教養大線は2019年春まで和田駅乗り入れ。以降は四ツ小屋駅に変更された。以前は、和田駅で教養大の学生らしき人が乗降していたのを見たことがあった。おそらく、この変更により和田駅の利用者や売り上げが、多少なりとも減ったのではないだろうか。
【11月25日追記】新型コロナウイルス感染症による国際教養大のオンライン授業実施のため、2020年春以降、四ツ小屋駅発着の路線バスは運休中。運行再開後は、再び和田駅発着になるという情報もある。
【12月11日追記】2021年1月9日から、駅裏の南側に「和田駅前」停留所を設置し、教養大との間を運行することが告知された。再び中央交通が河辺・和田に来るようになり、和田駅の利用者と売り上げも増えることだろう。

駅舎を左に駅前の光景
駅舎に向かって右(上の写真で奥左)側には、「秋田市河辺生産物直売所・農産物直売所フレッシュランドまごころ」。お盆の花が次々に売れていた。
その向こうに見えている、似たような形の屋根は、線路からも見える秋田市立河辺体育館。

和田駅前には、それ以外には店もなさそうだし、左右方向の道路もない。
上の写真で直売所の右手前の民家前から右方向に伸びる、広くはない道が、和田駅のアクセス道路。これが県道175号で、和田駅前から国道13号まで約400メートルの短い路線。

県道を進む。駅前にもあったが、すぐにバス停。
「和田駅入口」
秋田市内で、一般路線バスが廃止され、マイタウンバス化された路線では、廃止前のバス停ポールを譲り受けて(?)継続使用することがある(外旭川笹岡)。
ここもそのようだが、おそらくマイタウンバスと教養大線が共存していた時期は、2社で共用していたのだろう。それが、中央交通撤退後もそのままで中央交通の名と社章が残っている。
「バスで行こう」の部分に、マイタウンバスを受託する「高雄【11月25日訂正】高尾ハイヤー(企業名はタクシーじゃないのか)」。バス停名はパソコン作成で上張りされていて、角ゴシック体の斜め字。

昔のストリートビューでは向かい合って両側にポールがあったようだが、現在は和田駅に向かう側にしかなかったと思う。しかも時刻表が入っていなかった。駅が終点でなく、先まで行く路線もあるのだから、時刻表がないのはマズいのでは?

路上からは見えない位置の裏面を拝見すると、
こちらは原型の手書き文字

小さな十字路があって、その辺りが和田のメインストリートあるいは中心部のようだ。道は見通しが利かず、全貌は分かりづらい。会社や店はちらほらとはあるが、民家や空き地も多くて、思っていたよりも寂れているというのが、率直な印象。

駅を背に左、西へ曲がる。
振り返って和田郵便局など。右が駅方向
上の写真奥に、小高い丘がある。駅から見ると右。
「和田公園」だそうで、眺めがいいようだ。太平山三吉神社もあるらしい。

郵便局の斜め向かいの奥まった所が、旧河辺町役場だった、
「秋田市河辺市民サービスセンター」
他の各市民サービスセンター同様、愛称が付けられているのだが、道路からは表示が見えなかった。ここは「カワベリア」。
正面上に秋田市章が設置されているが、若草色ではなく、外壁と同じキツネ色で溶けこんでしまっている。
この裏などに消防や図書館など公共施設がまとまっている。まとまっているわりにはバラけた配置というか、道路のカーブや裏手に梵字川が流れているせいなのか、初めてだと分かりづらい。
金融機関やマックスバリュ、薬王堂、駐在所(秋田東警察署)などもある。

と、この程度の和田訪問でした。
これで、秋田市内の旅客駅で乗降した経験がないのは、羽越本線・桂根駅だけになった。別に狙っているわけではないが、桂根は停車本数が少ないから難しい。あと、クルーズ船来航時だけの秋田港駅、来春開業の泉外旭川駅もあるか。

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7 コメント

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横丁の角を曲がればもう旅と申しまして (あんなか)
2020-08-15 02:46:52
実は私も電車で通過はするのですが和田駅には降りたことが無くて面白い記事でした。
河辺町時代はそれなりに大きい町というイメージを持っていました。
町制当時は消防署もあったような。
町村が市に合併されてさらに衰退が加速したなんてあちこちで聞きますね。
紛らわしい?ことに横浜市保土ケ谷区の相模鉄道には和田町駅ってあるんですよね。
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Unknown (マイスターフォ-ク)
2020-08-15 11:42:13
こんにちは。

和田には保守系の大物議員さんの御屋敷ありますし地方の拠点だったと思います。

小さな町でも議会を持つことは大切ですね。
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コメントありがとうございます (taic02)
2020-08-15 23:30:39
>あんなかさん
「遠くへ行きたい」けど今は…でも、近場でもまだまだ知らない場所はあるものです。
我々旧・秋田市住民にとって、河辺地区は岩見三内側のほうが、行楽などで行く機会が多いかもしれません。和田側は通過点になりがちです。
雄和町も、その他市町村でもそうですが、合併は不可避だったにせよ、結果として良かったのか、難しいところでしょう。
消防は、今は、市民サービスセンターの裏に、秋田南消防署の河辺分署がありました。
どこかにほかにも「和田駅」があっても良さそうですが、和田町だけのようです。地名としての「和田」はそこそこ各地にあるみたいですが。

>マイスターフォ-クさん
こんばんは。
明治に「和田村」が発足し、昭和10年から30年までは「和田町」だったそうですね。
国道沿いに細長い地域ですが、森林管理署やコカ・コーラの工場もあって、一定の機能はそろっているでしょうか。
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Unknown (ゆててて)
2020-08-17 23:21:37
秋田・和田の話題に関連して(関連付けて)、私がいつも気になっていたのは、秋田道・協和出口の案内看板でした。
正式名称は「協和IC」だと思いますが、方面表示である「雄和」と並んで、「協和 雄和」と表記されているので、小さい頃から「兄弟?」と思いながら通行していたのを覚えています。
今でも「ともかず?たけかず?」なんて、勝手に親心を頂きながら見てます(笑)
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協和 雄和 (taic02)
2020-08-18 00:54:48
その発想はなかったですが、言われてみれば!
町政時代を知る者としては、河辺郡と仙北郡で区切ってとらえてしまっていたのかもしれません。
調べてみると、町の前身、協和村は1955年、雄和村は1956年に誕生。町から村になったのは1969年と1972年。似ています。
協和さんが兄、雄和さんが弟で、意識しつつ切磋琢磨して成長した兄弟に例えても、差し支えないかもしれません。
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Unknown (Unknown)
2020-11-25 00:04:11
高雄ハイヤーではなく、「高尾ハイヤー」です。

かつては、和田タクシーと新屋タクシーが傘下に入っており、現在の社長になったときに高尾ハイヤーに吸収合併され、現在に至っています。

地域によっては、廃業した営業所跡地をマイタウンバスの待避所としているところもあるそうです。
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ご指摘ありがとうございます (taic02)
2020-11-25 22:11:34
高尾山だから高尾でしたね。でも、本社は仁井田。
昔は、秋田駅辺りではあまり見ないマイナーなタクシー会社の印象でした。新屋タクシーが加わってからは、ぐっと増えた感じがします。
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