広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

幕洗川・嶺梅院前

2019-10-03 00:57:44 | 秋田市営バス
前回のハンバーガー自販機の話題、ものすごい大量アクセスをいただいており、びっくり。
今回も土崎の話題で、2つのバス停の表示について(これはアクセスは多くならないでしょう)。

10月から土日が大幅減便された旧国道方面。中央高校・将軍野方面へ2路線が分岐した後、唯一直進する寺内経由土崎線単独のバス停。
「幕洗川」
不思議な名前。坂上田村麻呂が汚れた陣幕を洗ったという伝説にちなむとか。
そういう川は実在しない(はず)。1968年までは寺内の小字だったが、今は土崎港東と土崎港南の各一部になって地名としては消滅。町内会の名称として存続しているようで、土崎港曳山まつりにも出ている。

上の写真は、下り側の表示板。
市営バス時代に設置された(青い部分の下に透けている)もので、バス停名のフォントは「ナール」。

この上り側は、パソコン作成の透明シール角ゴシック体(市営バス末期の設置?)のものだったのが、
表示板だけ新しくなった

「幕洗川」
最近標準の、太い「スーラ」の中央寄せ。※バス停表示板について直近の記事
なお、隣の「港南一丁目」は古い手書き文字の表示板だった。未確認だが、いっしょに更新された可能性が高い。

フォント以外に、上下で違いが生じている。
ローマ字の読みが、下りは「MAKUARAIGAWA」、「まくあらいがわ」で、新しい上りは「MAKUARAIGAKA【5日訂正】MAKUARAIKAWA」「まくあらいかわ」。

「川」を「かわ」と読むか「がわ」と読むか、日本語ではよくありがちな問題ではあるが、同じことを指して統一されていないのは、気になる。
個人的には「まくあらいがわ」だと思っていたし、秋田弁としても濁るほうが自然な気がした。少し前にテレビで「幕洗川」をひとことだけ話す場面に遭遇したが、たしか「がわ」だったはず。
バス停の表記では、移管直後の中央交通設置分で、保戸野の「桜町(さくらまち)」を「さくらちょう」してしまっていた。市営バスでもたまに誤った表記のものもあったから、市営バスを全面的に信用もできないけれど…

ところが、秋田市役所(旧?)ホームページの「地名小辞典」や、港まつりの「秋田みなと振興会」ホームページでの町内紹介では、そろって、
「Makuaraikawa」
濁らない「~かわ」となっている。
じゃあ「まくあらいかわ」が正しいのか(だとすれば、中央交通さん疑ってごめんなさい)。バスの車内放送はどうなっているだろう。


もう1つは新国道を越えた場所。9月で廃止されてしまった、土崎駅まで行く神田線のバス停。
現在は撤去されているかな
真ん前にあるお寺の名前が由来のバス停。
これも市営バス設置のナール。一方通行区間なので下り用1つしかないが、当然裏表とも同じ表示。
これは日本語表示に注目。
ぱっと見るとなんとも思わないけれど、落ち着いて見ると、日本語の文字として、ちょっと気になるものがある。

「梅」である。
正しいというか普通のものを見ると分かる。
別のフォントですが
※この平成丸ゴシックは、ナールと同じ「写研」が作ったフォント。写研はパソコン用フォント発売をかたくなにこばんでいるメーカーなのだが、「平成書体」の開発には関わって、これが唯一のパソコンで使える写研フォントということらしい。機会があればいずれ。

梅の右側・つくりは「毎」だから、右下が右にも下にも突き出ているのが普通。
ところがバス停の表示板はどちらも出ておらず、枠でみるとただの平行四辺形。漢字テストで手書きでこの形にしたら、マルをもらえるだろうか。

カッティングシートが部分的にはがれたようなものでもなさそう。
こういう異体字があるのかとも思ったが、「母」のように点になっているものなどはあるが、この形のものは主な異体字にはなさそう。
そもそも、お寺の表示類は、ごく普通の「嶺梅院」となっている。

調べたら、なんのことはない。ナールの「梅」はこのデザインというだけの話だったようだ。
今はナールは道路の案内標識くらいでしか使われないが、大阪「梅田」の写真を見つけたら、同じ形だったので【3日追記・「青梅」も】。

ナールは、文字の基本の形に比較的忠実なデザインかと思っていたし、平成丸ゴシックはじめ他の丸ゴシック体ではそうなっていないのだから、意表を突かれた。
【3日補足】ナールでは「毎」や「母」も同じ形になっているそうだ。
ちなみにスーラでは、右下は右も下も突き出ているのに加え、左の縦線が下に突き出てもいる。似ているようでそれぞれ特徴があるものだ。

※この後の表示板更新や、「梅」同様のナールの「海」の形について、2020年5月の記事
コメント (10)
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バーガー自販機にサイン

2019-10-01 00:45:25 | 秋田の季節・風景
秋田市土崎の秋田港近くの個人商店にある、うどんとそばのレトロな自動販売機が、何年か前にブームになった。
その後、その店は廃業してしまったものの、近くの道の駅であるポートタワー・セリオンの隣にある、覆い付き緑地「セリオンリスタ」の中へ移設。道の駅の管理会社によって、営業が続いている。
ここはNHKの72時間張り付く番組が取り上げたこともあって知名度が高いが、全国的に見ても、今も稼働しているものはちらほら存在するそうだ。

この麺類自販機とともに、レトロな自販機として知られるものにハンバーガーの自販機もある。
今は知らないけれど、昔は県立プールだか県立スケート場なんかにあったはず。それに個人商店時代にはうどんとそばの販売機といっしょに置かれていたそうだが、これはセリオンには引き継がれなかった。


実は秋田市土崎の別の場所に、今も稼働しているハンバーガーの自動販売機が存在する。【2020年7月の末尾の追記参照
けっこう分かりづらい、住宅地の狭い道に面した場所。


「HOT SNACKS」
上部のパネルの写真は、ハンバーガーのほかに箱入りおにぎりと焼きそばも写っており、そういうものも販売できる仕様なのだろう。「電子レンジ加熱」の文字や冷蔵庫の温度計もあり、冷蔵した商品をレンジ加熱して売る方式。
今も、フェリー内とか客が少ない観光施設などで、たこやきなど冷凍食品を加熱する自販機があるけれど、それとは似て非なるもののようだ。

ちなみに、セリオン近くにあったものは、機械の外観は同一のようだが、パネルはコック帽をかぶった白ひげの男(絵)が、皿を持ち(皿の上は実写)、日本語で「ホットスナック」と表記。
これらは、1971年からホシザキ電機(現・ホシザキ)が製造した自動販売機で、OEMで富士電機から発売されたものもあるとのこと。


ボタンは3つあるものの、その上の商品見本には両端2つしか箱がないように見えるが、よく見れば中央も機能しており、各ボタンにはチーズバーガー、ハンバーガー、テリヤキバーガーが割り当てられているようだ。ハンバーガーは価格が判読できないが、他の2つは150円。【2020年2月14日訂正】いただいたコメントによれば、中央のボタンはやはり機能しないとのことで、チーズとテリヤキの2種を扱っていることになる。

張り紙があり、「東日本大震災後、パンを手作りに変えた」、それより後と思われる「連続加熱により故障してしまったが復旧。1日20個限定にさせてもらう。加熱不十分などおかしかったら連絡して」といった内容。
うどんそばの販売機もそうであるように、中に入れる商品は、設置者自らが作るようだ。補充だけでなく、特に古くなると故障対応もあるだろうし、飲み物の自販機よりずっと管理が大変そう。機械は同じでも、味は場所によって違うということにもなる。

今回、久しぶりにこの自販機の前を通ったら、冒頭の写真のようにボディ正面右側に何か書かれていた。
落書き?
「おいしいョ!! ペッコリ45° ついでにレディーガガ!!」
ずん飯尾和樹氏のサイン?! 2018年12月3日付。

こんなところに芸能人が来るとはにわかには信じられないけれど、こんな手のこんだ落書きもないだろう。
後で調べると、今年2019年1月4日深夜(5日)にフジテレビで放送された特番(? 系列局での放送は不明【2日追記・秋田テレビでは遅れて放送されたとのコメントをいただいた。】)「あの人に会ってきな 全国タクシー聞き込み旅」という番組で、あさひタクシーに乗って、湯沢市と秋田市を巡り、ハンバーガーの製造者にも会ったらしい。
【10月1日補足】ハンバーガーの製造・自販機の管理をしている人は、元スケート選手。競技引退後に県立スケート場の物販の仕事に就いて、自販機に関わることになったようで、スケート場と土崎のハンバーガー自販機は、同じ管理者ということになる。

手作りパン(今どきはパンズって言うの?)のハンバーガーが150円なら、食べてみたいけれど、この自販機の寿命を縮めてしまいそうな気もして、そっと離れることにした。だから、詳しい場所も明かさないことにさせてもらいました。


【2020年7月21日追記】2020年7月17日の秋田魁新報サイトに「自販機で熱々「BiGバーガー」販売終了へ」が掲載。
たしかに箱には「BiGバーガー」と書いてあるから、そういう名前だったらしい。
今月、(この記事で取り上げた土崎の)経営者の自宅近くの自販機が故障。スケート場のものも、数年前から加熱が不調なことが増え、メーカーで修理不能・後継機種もないため「箱の在庫がなくなり次第、販売をやめることにした。」。箱の在庫は約500個。
現在はシーズンオフでスケート場では販売なし、土崎の自販機には掲示をして、それを見て連絡してきた人にだけ、冷蔵品を売っている。

記事によれば、1970年頃に秋田市の菓子会社「佐川物産」が製造販売開始。今の経営者はその社員だった。1984年に会社が倒産し、継承。
ピーク時は八橋運動公園など県内に20台の自販機があった。
箱は佐川物産時代と同じもので、「秋田市のデザイン会社が制作」。
エリアなかいちでの冷蔵品の販売は5年ほど前に始まり、今年3月で終了。
コメント (14)
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