光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

エンドウのNゲージ線路に思う「レール戦国時代のころ」

2015-07-03 05:29:02 | 鉄道模型 
 先日紹介のエンドウEF57に関連して。

 エバーグリーンショップでは実はもうひとつ特売していた品がありました。
 エンドウのエンドレスレールセット。これまたひとセット500円というバーゲンプライスだったりします。

 エンドウはこれを出す直前に16番の金属道床に準じた形態の組線路を売り出していた事がありました。
 ですが既にTOMIXがこのジャンルで先行していた、ばかりかシステム性でははるかに上回っていた為に当時店頭でよく見かけた割にはあまり売れなかったようです。

 その反省からかただちにプラ道床の第2仕様を投入したという経緯のある製品です。
 セットのレールは本来の基本セットというよりも増設用の複線外側レールでこれも安かった理由のひとつでしょう。
 さて、このレールの構成は317Rのカーブレールと280の直線レール4本。

 こう聞いて「あれっ?」と思われた方も多いと思います。
 実はエンドウ線路は金属道床仕様は自社オリジナル規格なのですがプラ道床の仕様は寸法に関する限りTOMIXのそれに完全に準拠していたものなのです。
 ほかのセットの仕様を見ると280、541Rの曲線と140,72,5の直線、541R基準のポイントもラインナップされていたようです。

 但しジョイント部はエンドウオリジナル。
 接続に力が要りますがTOMIXよりも接続部の信頼性は高そうです。
 線路自体も当時TOMIXには存在していなかったコンクリート枕木の灰色道床。
 線路の間の枕木の造形もきちんとコンクリしている所がポイント高いです。

 フィーダーもエンドウオリジナルで二つの金具を互い違いに道床に引っ掛ける形式で見た目にしんどい反面線路上のどこにでもフィーダーが付けられるという、お座敷運転ではむしろ親切な設計。
 特殊な端子形状でもないので当時の形式であればパワーパックを選びません。

 ためしにエンドレスを組んでトレーラーを走らせたのですがまるで流れる様に車輪が転がったのには驚きました。とても30年以上前の製品には見えないどころか走りの質感では本家TOMIXをも上回ります。

 全体にTOMIXの規格に準拠していながらエンドウなりのバージョンアップと差別化が図られた一品と言えます。

 この当時はエーダイ(後の学研)も独自規格のプラ道床線路を出していましたがこちらはカーブの径を微妙に変えて独自性を打ち出した一方でTOMIXと接続するためのアダプター線路を早くからリリースしており先行するTOMIXと共存と差別化をよく考えていたようです。

 してみるとすでにこの当時からNの線路は少なくともKATOがユニトラックを出すまではTOMIX規格を中心に回り始めていた訳ですが、規格準拠のサードパーティと言える他のメーカーも単に先行規格の軍門に下るのではなくクオリティや拡張性で独自性を出すべく腐心していた事が伺われ興味深い物があります。