光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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鉄道模型の買い物のはなし2買い物とアナログ感覚(笑)

2015-07-28 06:51:57 | 思いつくままに・考察
 今回も「酔っぱらいの屁理屈」的な話ですので気に障る向きはご勘弁を。

 鉄道模型からやや離れますがずっと昔に読んだ探偵小説の古本マニアの殺人事件を扱った小説の以下のくだりがときどき私の脳裏をかすめる事があります。

「しかしだね、何も殺さなくたって…金を出せば手に入るのだろう」
「金で手に入れるなんて邪道だ、古本マニアじゃない。足で手に入れるんだよ、この足で」
と太い足を突き出したのは米沢だった。

「そりゃ一冊千円位で早川・ポケミスの黄表紙をずらりと並べて売っている古本屋もあるよ。でもね、店じまいをした貸本屋や小さな古本屋などを丹念に廻っていれば300円以下、時には100円台で見つかる事もあるんだ」
「そうだもんね、金で手に入れようなんて奴がいるからカーターブラウンなんかに一冊千数百円の値がつくのさ。俺なんかポケミスの『死の時計』をたった40円で手に入れたもんね」
 

 ~下条謙二作「信濃平発13時42分」に出てくるセリフの一節から引用 
 
 これは少なからずアナログな感覚であり世代によっては古いと捉える向きも多いでしょうが、鉄道模型についても(少なくとも新車も比較的入手がしやすく、又全国でまんべんなく中古モデルが買えるNゲージについては)「足で探す」事による入手の快感、或いはその過程で掘り出し物を見つけるサプライズを感じやすいと思います。

 同様の感覚はデジタルでも例えばネットオークションの出物に珍しい物を見つけた時にもありますが、こちらの場合は自分の他に同じ様な感覚の持ち主がかなりいる場合が多く大抵の場合金銭的な競り合いに発展しやすい弱点もあります(笑)
 実はこれが苦手でオークションになかなか手が出せなかったりするのですが。 

 足で探したアイテムの場合「自分だけの掘り出し物を見つける」感覚がたまに味わえる事がありますが、更に足で探すという過程の中で買い物とは関係ないところでその場所に付帯した色々な見聞や体験が形のない財産となって身につく面白さもある様な気がします。
 「ああ、こんな所にこんな店が」とか「○○を買ったところは妙に景色が良かった」とか「××の店の前に東北本線が通っていてコンテナ貨物が俯瞰で観れる」とか
 どうかすると「高速道路のSAでマイクロエースの鉄道模型が売られている」とか「あの町の模型屋の隣のわらび餅が美味かった」なんて思い出も(笑)

 こういう五感を駆使した思い出はなかなかネットでは味わえない所ではあります(ほとんど実用上の役には立っていませんが)

 ですが、どんな物でもそうですが「出物漁り」ばかりに拘っているとどうしても視野が狭くなりやすく、心の余裕が失われがちになる気がします。
 初売りの行列、或いは特売やブランド品に群がる人の群れなどを見ていると私などはどうかして裏をかいてやりたくなるような衝動にかられる事があります(笑)
 この点は以前書いた事のある「流行への態度」に繋がるところもあるのですが
 少なくとも趣味の製品についてはまだそういう「人のゆく裏に花道あり」的な事がやりやすい側面もあります。

 ですがこれも一歩間違えれば「買い物依存症」と大して変わらなくなる危険も孕んではいます。
 少しは自戒しなければと思う今日この頃です(汗)
 が、そろそろそういう買い物がしたくなる衝動に襲われる季節がすぐそこに(大汗)