光山鉄道管理局・アーカイブス

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鉄道ミステリとNゲージから 「駅猫」とワム50000

2018-08-17 05:16:58 | 小説
鉄道ミステリネタから

昨年来貨車や客車のキットを作る機会が増えているせいか、今回のネタも貨車モノです。
双葉社の「鉄道ミステリ傑作選」所収、上田廣作「駅猫」をば。

上田氏というといわゆる「兵隊作家」の草分けの一人とされていますが、鉄道員だった経歴を生かした作品も数多く、ミステリと組み合わせる事で独特の味わいのある作品もいくつか物にされています。「指導物語・或る国鉄機関士の述懐」などは氏の両方の資質が発揮された一作と思いますが現在はこれのみが青空文庫で閲覧できます。できれば「駅猫」も出て来るといいのですが。

内容は貨車を利用した一種のアリバイトリックものですが、ミステリとしてはごく普通の内容ながらも刑事の地道な捜査プロセスと駅周囲の描写の確かさでオチの見当がついても引き込ませるものを持っています。

本作の重要なモチーフとなっているのがいわゆる「駅猫」の存在です。
とは言っても別に和歌山鐵道の駅長のことではありませんw
かつて、貨物扱いの駅が多かった時代には構内に巣食うネズミを捕るために猫が飼われる事もあった様です。大概はそこいらの駄猫なのでしょうが餌に困らないので発育がよくなるのはともかく、そのうちに悪さをし始める様になると駅員の手で「他の駅に左遷させられる」ことも多かったらしい。

この猫の存在が事件解決の鍵になるのですが、詳しくは実際に読んでいただく方が良いかと。

さて、先に「左遷」と書きましたがそのやり方は「回送中の貨物列車の中に捨てて行く」ものでして猫の入り用な駅があるとそこで改めて拾われるという独特な人事異動(笑)だった様です。作品自体はフィクションでしょうが駅猫のシステム自体はおそらく実際にあったことだと思います。

猫を閉じ込めるのですから、捨てるのは当然有蓋車ということになりますが作品の時代から言ってワム80000では様になりません。作中でワムの他にスムやスラといった戦前ものの貨車が出ているところから見てNゲージモデルで該当しそうなのはナインスケールのワム50000とか新しくてもワム23000辺りが似合う気がします。

最近はワムとかツムでも扉が開放できるモデルがちらほら出ていますから、これを使ってミニシーンをレイアウトに組み込んでも面白いと思います。

ただ、Nスケールで適当な猫のモデルがあればの話ですが(汗)


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