新潮社 2018年
ツノウミ・タロウではなくツノ・カイタロウ
と読むらしい。
ちゃんとした賞も獲っておられるし、晶文社
のおえらい人だという。しらんかったわ。
80になられるらしく、本が読めなくなった
いや、もう読めない、と読書に関しての老年化
に伴う障害について、つらつらと書いておられる。
でも、そんなに退屈でもなく、この人の
文体には光るものが確かにあるので、ただの
老人の繰り言とはちと訳が違う。そこには
文体というものがあるからだ。
解説で鈴木敏夫氏の文章が載っていたが、やはり
これは退屈だった。比すると、津野氏の文章は
ピンと糸が張っている感じがした。そういった意味
では、鈴木氏は津野氏の引き立て役にはぴったり
だったんじゃなかろうか。
(読了日 2024年5・30(木)17:00)