古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

誰も信じまい      鶴岡 卓哉

2024-09-17 06:25:50 | ポエム

僕は誰も信じることができない


信じるに足る根拠もないし、理由もなく


真実を知りたければ、ドアを叩けばいい


誰かの心はそれで開かれる?


ボクは荒野でひとり、求めている


ドアを探し、理由を探す


どこにもボクの求めるものはない


頭の中にしか追い求めているものは


存在していないのだから………………

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詩 蘇生   鶴岡 卓哉

2023-12-17 06:48:48 | ポエム
さて、気分ものってきたので、詩を

ご紹介しましょう。

蘇生

やむことのない排水口からの汚水

ストーリーなきイメージだけの映像が僕には見える

完璧な足のグラドルに目を奪われる

もう僕は胃の洗浄の仕上げだけだ

仮死の状態から息を吹き返す

死んだわけじゃなかった

まだ生きるのか


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ニュートラル      鶴岡卓哉

2023-01-29 07:15:20 | ポエム

もう過激にならず

 

しとしとと降る雨の如く

 

煙る部屋の中、何を思う

 

必ず来るという数年に一度の怪物

 

ポップソングを口ずさむ夕暮れ

 

痩せゆく僕に惜別を

 

言葉に仕えるのではなく

 

ゆっくりと泳いでゆこう

 

揺蕩う大地に新たなる一歩

 

スケールの大きさではない

 

三角形を嫌う男の子のように

 

タバコを百九本一日に吸う

 

怪物を退治するための武器

 

地面を転がす万年筆の蓋

 

サイダーの泡のようにキラキラ光って見える湖面

 

あの娘は怒っているだろうか?

 

僕は頭をニュートラルにした

 

その方法を覚えることに成功したのだ!

 

氷を溶かす方法を三十二通り試してみた

 

カフェには誰も来ぬ、僕のせいか……暑さのせいか?

 

怪物は来なかった

 

地球の怪物は僕以外

 

死に絶えたのである

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In My Rain    鶴岡 卓哉

2023-01-20 11:38:37 | ポエム

Mデパートの裏口の階段で

 

トランキライザーを飲んでラリっていると

 

腐敗臭のするどしゃ降りの雨が降ってきた

 

そこいら中に腐敗の臭いが立ち込め

 

オレはクラクラする

 

オレンジジュースの氷がカチカチと鳴る

 

どこにオレンジの果実が……探し回る

 

オレンジジュースを飲み干し

 

尖った包丁の先みたいな感覚の中

 

オレはよろよろと立ち上がり

 

イヤな臭いのする雨の中

 

歩き出すんだ

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虚構の詩     鶴岡 卓哉

2022-10-07 05:35:12 | ポエム

唇の赤い端を指でなぞる夕暮れ



彼女の描いたストーリーを生きていた



抱き合っていた彼女は虚構の存在?



墜ちていった深い溝の中で、もがいているのか



光のない闇に埋もれた夜空の中で


ボクは影のような女を求めていたのか……?



知らぬ間に、ボクは存在を失い、ボク自身さえ



透明な目に見えない何者かによって、失ってしまった



心をもう取り戻せないのか?

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すみれの花の砂糖づけ    江國香織 

2021-07-11 22:39:33 | ポエム

新潮文庫    1999

 

詩というものは、時間をそっと言葉という容器に密閉し

 

保存しておくといった意味合いがあるのではないかと

 

思う。そういう意味では砂糖づけとは、甘くて、すみれ

 

の花をそっと甘く保存するという意味もあるこのタイトル

 

ステキ度は高いんじゃあないか。

 

江國女史は、都会的で、洗練された女であるだろう、と

 

思うのだが、この詩集を読めば、おのずとぼくの言う意味も

 

わかっていただけるだろう。

 

ぼくは恋とは、縁遠く、恋というものをあまりしたことが

 

ない男なのだが、この詩集には、ほのかに恋の味がする。

 

それも、ただの恋じゃない。危うく、脆く、時に、危険な恋

 

だ。あぁ、ぼくにはよくわかんないやつだなぁ、と諦めて

 

いるが、ここの指先に籠められた先を見なければいけない。

 

そうだ、詩の示す先を見つめなければならんのだよ、分かる

 

かね?(うーん、分からない)……合掌。

 

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尾道   鶴岡 卓哉

2021-07-01 10:45:27 | ポエム

尾道  



この町は坂がやたらと多く道はくねくねと続く

やけに静まり返る中に猫が陽だまりに

やけに有名だけどあまり美味しくないラーメンを食べると

何だか少しだけ幸福に近づけたような気がする

錯覚だか大げさかは知らないけどさ

ちょっとだけとまどってみることが

ちょっとだけ進んでみることが

時に大きな意味を持ってきたりするんだ

その時間が時に僕に重くのしかかってきたりするんだ

たまに君を想ったりするときにね

それでも列車は待ってくれたりしない

時刻通りに列車は走り出すんだ

列車はやっぱりレールの上をガタンガタン

やけに揺れるけど僕は大丈夫、たまに君を想いだして

たまに君を忘れ、列車に揺られて

進んでいくんだ




町を守って戦いたい時は、ねぎっこ焼きだ。こいつを食えば、十秒だけ戦える。走り込んで、怪獣にテレビで見て覚えたハンセン張りのウェスタン・ライアットを食らわせてやれ! それで、この町も守られるだろう……。























































 

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どこ     鶴岡  卓哉

2020-12-27 05:49:01 | ポエム

僕は味覚のない人間になってしまった

 

僕は感情のない人間になってしまった

 

それでも、僕は生きていたい

 

けれども、僕の中の何かは死んでしまっている

 

死ぬことが僕の本能なのか

 

生きることのみが僕の真実なのか?

 

形のない混乱と静寂、それから、微かに香る腐臭

 

僕はどこにいるのか

 

僕は死を見つめることで生きようと

 

いや、僕は、背けている

 

そのことで僕は、跪いている

 

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世界の隅っこ    鶴岡 卓哉 

2020-12-22 11:30:58 | ポエム

世界の隅っこで僕はひとり蹲っている

 

哀しみの涙も枯れ果ててしまった

 

僕は世界を嫌悪しているんだ

 

友達もいないし、お金もないんだ

 

将来もないし、希望もないんだ

 

僕にはなにもない、空っぽなんだ

 

世界の隅っこで僕はひとり疲れ切っている

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ストーン      鶴岡 卓哉

2020-12-20 00:55:05 | ポエム

僕は不幸のストーンを手にする

 

それは実に不幸の種であり

 

僕に様々な不幸を運んでくる

 

それでも、ストーンを捨てようとしなかった

 

僕は不幸を甘んじて受け入れた

 

いつか幸福になれると信じて

 

 

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