古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ぼくは落ち着きがない      長嶋有

2018-02-27 05:16:12 | 長嶋有
光文社文庫 2008年6月刊。


西部劇に出てくるバーにあるようなドアのある図書館。そこに高校生たちが



集まって図書部を形成している。そのどの面々も、クラスではちょっとという



ような学生ばかり。読後になにがおこっていたのか、と問われると、いや、そ、


それはなんでしょうねえ、となってしまうが、読書体験としてはおもしろいこと


この上ない。読んでいて、楽しいのだから、読書はやめられないし、そんな体



験をさせてくれる長嶋氏に感謝したいくらいだ。細かい雑学に満ちあふれている。



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ダウンタウン少年日記       ジム・キャロル   梅沢葉子・訳

2018-02-25 08:12:10 | ジム・キャロル
晶文社


1971年から73年ころまでの日記。日記には、アンディ・ウオーホール


アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、サルバトール・ダリといった


人物が登場する。特にアレンのバイブレーターの話しは苦笑を禁じ得ない。ど



うつかえば、部屋中汁まみれにできるんだよ………! 本とかは疑問だけどね。


ケルアックがウソを書いたことを悩んでいた、みたいな記述もみられる。ボクは



信じてるが、ある人たちに言わせるとケルアックはウソつきらしい。


そういや、ダライ・ラマも登場する。刺激に満ちたライフ。ダウンタウンか



らカリフォルニアへ、そして、N・Yへ。セックスパーティーあり、腕からなん



やしらん膿が大放出してくるし、なんなんこのキャロルって人………。



初めてマンハッタン少年日記を19歳の時、読んで以来、二十数年ぶりに読んだけ



ど、やっぱり、ファンキーだね。死んでしまったけど、ふれられて良かった、とい



う気がしますよ………いや、マジで。 
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工場   小山田浩子

2018-02-24 04:19:12 | 小山田浩子
工場……何を作っているのかわからない工場で、シュレッダーに


かける作業だけとか、意味をなさないコケの研究をさせられて



いる男………めまぐるしく視点が変わってゆく。そして、不思議



な生き物洗濯機トカゲとかがいる世界。


緻密に描かれてゆく世界を構築させてゆく手腕は並々ならぬモノ


を感じさせるデビュー作。



いこぼれのむし………極端に改行を少なくしている。立場立場で


意見はめまぐるしく変化していく。27歳とは思えない筆致。


この人の作品集はわずか二冊だが、早く新作を読んでみたいも


のである。


同郷のよしみとしてだけではなく、作家として、おもしろい作


品を書くと思う。


労働の困難さみたいなものも如実に描くのもこの人の得意なところだ。
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優雅で感傷的な日本野球     高橋源一郎

2018-02-23 05:05:34 | 高橋源一郎
河出書房    1988年3月



ポスト・モダニズムということが盛んに言われていた頃の作品である。


世界的にみて、局所的な野球から文学というモノを読み解き、普遍性に


まで到達しようという試みだと思うのだが。


実に荒唐無稽でおもしろかった。


文学の可能性という意味で、知るの遅すぎでした、という感じか。


でも、高橋教授の読むのが初だったので、衝撃でした。


リチャード・ブローティガン的と申しましょうか、いや、おもしろぉぉぉい



です。


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印度放浪     藤原新也

2018-02-21 19:58:28 | 藤原新也
朝日文庫。


読むことが気持ちよくなってくるような文章。


死んだ女のひとが流れてきた、っていうはなしは驚愕の一言。


文化というモノを語っているのだが、それが文学的で、すごく面白い。



全体がひとつのフィルムのようで、すごいドキュメントを一本見た、という


重い覚悟が残る。


とにかく文章はうまいですね。


旅青春論の原典として静かに読み継がれてきた藤原新也の処女作合本(帯より)
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ピンク・バス       角田光代

2018-02-20 10:44:41 | 角田光代
1993年8月作品。



妊娠したことが分かったサエコの家、に夫の姉実夏子がころがりこんでくる。


妊娠を気持ち悪いといい、サエコはじょじょにおかしくなってゆく。


実夏子はピンクのバスに乗って帰る、という。


サエコは大学生の頃、レゲ郎という浮浪者と行動を共にし、性交もしていた。


ピンクのバスは確かに来た、このあたりから、このはなしは浮浪体験をしている


ときにみている白日夢なのか、わからなくなってくるようにおれっちには思える。



ひとつの幻想小説的な側面もあると僕はおもうのだけれど。



実に不思議な魅力を持った短編である。
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イン・ザ・プール      奥田英朗

2018-02-19 01:57:12 | 奥田英朗
文春文庫。


ちょっとヘンな精神科医・伊良部が本気が呆けか、病質者


を治してゆくはなし。


体調不良の編集マンが泳ぐことに取り憑かれ、不法侵入し


てまで泳ごうとする姿をユーモラスに描く………イン・ザ・プール



ケータイ中毒の高校生男子。伊良部のわがままな振る舞いを見て


友達なんていなくても楽しくやれるんだ、と思う。


誰からも誘われなくなり、伊良部からはメールが来る。


クリスマスの夜、患者たちとクリスマスを過ごす友達がいないと


言った看護師のマユミさんも楽しそうである。


メリークリスマス、雄太は夜空に向かってつぶやいていた。


…………フレンズ。
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マリファナ青春旅行(下) 南北アメリカ編    麻枝光一    

2018-02-18 09:59:04 | 麻枝光一
特にボリビアの月の谷に生えるサボテンで痺れるトリップ


幻覚サボテンの話しで、おかしみもあるし、ケッサクである。


らもさんの本にも出てきたと思うが、ガマガエルのドラッグとか


の話しも僕は好きであった。


でも、マリファナ、やっちゃあだめよおォォォ………合掌。



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マリファナ青春旅行(上) アジア・中近東編    麻枝光一    

2018-02-17 13:58:28 | 麻枝光一
幻冬舎アウトロー文庫。



マリファナの素晴らしさをうたう、ドラッグエッセイ。読んでいるだけで


どっぷりとマリファナをキメている気分になってくる………かな。


その世界はゆったりとした時間が流れていて、この世界旅行記もゆるりと


していてキマっている。


三角地帯にいとも簡単にいくところが、麻枝さんにしかできない旅だ。



何度でも読みたくなるような本である。



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猫はどこ?       林丈二

2018-02-15 12:00:19 | 林丈二
講談社文庫。



「吾輩は猫である」の猫の子供捜し、など、アイデアにとんでいて、


昔話に出てくるネコネタに詳しい。


また、なぜクルマの下にいるのか考察したり、写真も実にかわ


いく、猫好きにはたまらん………!


ネコ絵はがきがたくさんのっている。


ネコにどっぷりつかりたいときに読むと癒やされます。
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