古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

散文 私は生きるのを好きだった   谷川俊太郎

2023-06-30 15:12:53 | 谷川俊太郎
講談社    1969年

1959年ころからのエッセーを6章に分けて、綴られている。

本屋さんにはないかもしれない、絶版になっているということだ。

1960年代のドキドキとする時代感覚が如実ににじみでているような

気がする。

セザンヌの描いた1コのリンゴの絵が、ホンモノのリンゴより価値がある

問題には、そういう見方があるものか、果たして、1コなん億円ものリンゴとは

いかんや、と思った。それはひとつの芸術論であると同時に、ひとりの人間の

価値観でもあると思うのだ。クルマがお好きだったという谷川氏。

ぼくは詩人とは大声では言えないような詩を書かせてもらっている

男だが、大先輩(というのも憚れるが)の若き日の永遠を目にし、感動

している次第。

        (読了日 2023年6・5(月)18:40)
                       (鶴岡 卓哉)
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ひとり暮らし     谷川俊太郎

2023-01-16 00:43:32 | 谷川俊太郎

新潮文庫  平成13年

 

あるお母さんが、谷川氏を読もうとしたが、難しくって

 

と言っていた。たしかに難しい部分はある。初心者向き

 

の雑文ではないかな、という気がしないでもない。

 

ぼくには丁度よい。軽すぎもせず、重すぎもせず、この

 

テンションはここ地いいと感じる。

 

恋愛でもないし、さりとて、愛に無関心というわけでも

 

なさそうである。だいたいが200年ころの文章といって

 

いいようだ。22年前くらいか、丁度、ぼくが広島にでて

 

来たころで、暗雲立ち込めていたころだ。

 

谷川氏の文章に、酔ってしまうように、文体に身を寄せて、

 

つらつらと思考に任せて、泳ぐのが気持ちよかった。

 

     (読了日 2022年12・27 21:51)

 

 

 

 

 

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ショートショート集 ぺ   谷川俊太郎

2018-01-31 11:18:12 | 谷川俊太郎
講談社文庫   1982年。



1960年代前半に大半は書かれたらしい。世界



終末思想的なものから心象風景まで、詩的に切り



取って見せる。



情景が極めて鮮烈に思い描ける、それだけ、イメ


ージがしっかりとしているということである。



それぞれにオチがある。文章は骨太であるにも関わ



らず、繊細さを保っている、実に精巧に仕上がって


いる。
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