前進するのは誰でも怖い
暗闇を進むのは、とても怖いものだ
しかし前進しなければ
我々に明日は来ないのだ
あの娘の言ったことを
噛み締めるのだ
我々は夢にもう少しで到達するという
予言めいた言葉を
羊の前で祈るのだ......処女の血
宗教を蹴散らすことは不可能
誹るのだ......ボク等の生きる道を照らせ
まるで最後の日のように
踊り、食べ、酔うのだ
思い出せ......行軍するのだ
我々には望みはそこにしかない
詩をうpします。この詩は暗くて
病んでますが、この時期は、ボク
も病んでいたんですねえ。あまり
思い出したくない時期です。
その幻影は消えない
ワケの分からぬその幻影が俺を苛むのだ
苦悩から湧き立つ言葉が始終俺を焼き尽くす
その幻影は追いつこうとしても逃げようとしてもダメだ
ただそこに厳然と存在し睨みつける
俺は長い間それに耐えてきた
その蛇のような幻影は俺を蝕み廃人にしてしまうだろう
その日まで耐え続けるのだ
その痛みにその苦しみに
俺が廃人になるまでそ奴はじっと待ち続けているのさ
僕が十年以上前にひとり旅で尾道
に鈍行で行ったときの詩をうpし
ます。
鈍行列車
見知らぬ場所に旅に出る
鈍行列車に飛び乗り、ポケットには切符しかなくて
どこかへ行けるのは素晴らしいことだ、と
車窓からはきらきら光る海の景色が
迷うことなく突き進むだけ
目的なんてなくても、ただ動いているということが
僕には何とも言えない快感だ
列車はしきりに停まるけど
時には休憩が必要だって事
時にはホームでタバコをふかし
しばらくその駅の感じを楽しむんだ
また列車に乗り込み田舎じみた乗客を眺めながら
また違う場所に向かうんだ
たまにはうな重でも食いたかったなあ。食えても中国だよ。でも、やっぱりカリカリはうまいよなあ。生まれて二週間後にはもうカリカリ食ってたもんなあ。思えば、カリカリ猫生だったもんなあ。我がカリカリ猫生に悔いなしだよ。
地獄行き
何のことを言っているのやら
そやつのいうことには、この電車は地獄に行くんだとか
気でも違っているのかと思う
ワケの分からぬことを言い続ける
俺はシカトし、混み合った電車の中で新聞を読み始めたが
その新聞にも同じようなことが書いてある
これは皆目分からぬと思っていると
事故があったとアナウンスがあった
電車は三十分停車し、また走り始めた
おれの好物? そりゃ、キャビアだな。いやいや、キャビアはご主人様は食わしてくれなんだ。ほんとはサッポロ一番塩味なんだ、へへっ。ずるずるっと、いくんだな、これが。
屍
青い屍を踏みつけた
遠い過去から来た自分のことを
今俺は赤い屍となり時間のはざまにいる
永劫となり果てて見たその世界は美しいとは言えなかった
ただ荒涼とした荒野のような空っ風が吹き荒ぶ寂しいところだ
俺はずっと死にながら
その荒んだ地を独り、歩き続けている
右側は危険だ
右側を走る
右側を歩く
右側に進む
右側に曲がる
右側を見る
右側から声をかけられる
右側は危険だ
魂に気をつけろ
ねぎっこ焼き、いかがっすかっー。詩に不似合いなんじゃないですかねえ。特に右側のねぎっこ焼きには気をつけた方がいいですねえ、ねえ、解説員?
君のことで
なぜかラムネが冷蔵庫に三本も入っていて
それは暗号か何かなのか
それにテーブルの上には見知らぬ花が一輪置いてあり
とにかくそれで僕は君が去って行ったことを確信した
僕には小さな猫が一匹いるだけだったし仕事もなかった
だから仕方のないことかも知れないとも思った
君が去って行ったことで僕は変われるわけもなく
いつものようにクッキーを齧って暮らし続けた
わしは腹がへったことがない。石だからじゃ。腹がへらんとは、食わんでええ、ゆうこっちゃ。ださんで、ええ、ゆうこっちゃ。だから、わしは千年先もこのまま、ゆうこっちゃ。
病巣
コールガールの寝言が耳に残る
それは膿んだ闇の言葉
貝殻を開ける熱に似て高熱病的
その冷却装置の故障が彼女の病巣
そこには熱気を放つムシがウジャウジャと蠢いている
それは形容しがたいニオイを放ち
自分では気づかないまま放置され
膿みながら熱を放ち続ける
仏の道に入りとな。否、それはやめといたほうがよかろう。まず、第一にねぎっこ焼きがいつでも食べられなくなるぞ、それでもええのか? そうか、それなら、止めるのはよそうかね。
感情の果てで
本当の知覚を覚悟したその時には僕は老い
混沌に満ちた小さな部屋で煩悶の最中に
身悶えながら、外の景色を眺めながら、絶命の予感を覚える
そこに死を感じ得るときこそ、僕は最終任務を感じる
この世界の廃墟を前にして新たな人間の清廉なる任務を胸にする
息絶えながら、廃墟のような焦土の中で
新たな生を受けた時のような感動を覚える
不法の池に飛び込むような自由さを感じるべき時なのだということを
もうこんな時間か。出前に行かなくちゃな。仕事仕事ッ。