古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ばかもの     絲山秋子

2019-04-30 02:19:23 | 小説の紹介
新潮文庫   平成20年


一読すると性的描写が乱暴に感じられるが、読み進めてゆくと


ヒデという主人公は次第に酒に溺れてゆく。


なんなんだ、この展開は…………と、アッという間に読み終わって


しまったが、それを破滅と再生の物語と書くのは陳腐すぎるだ


ろう。


時間は情け容赦なく我々に襲いかかり、うちのめす、解説を



書いておられる赤染晶子さんも42歳の若さで亡くなってし


まった。


我々は生きている世界でものを見ている。生きているのだか


ら当たり前だが、この世界はいつか終わるだろう。そのとき


に滅んでいく世界をどうやって,我々は捉え得るのだろうか?


ボクにどれだけの時間が残されているのかわからないが、そ


の時間をなにか刻み込みたいと思っている。それが、ボクに


とっての書くと言うことなのだ。
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あやしい探検隊 焚火発見伝  椎名誠・林政明

2019-04-26 22:38:38 | 小説の紹介
1996年    小学館文庫


ボクが子供のころは、給食にクジラの竜田揚げがでたんだが、


あれは味がコクって美味かったな。いつしか鶏肉にしても、


肉自体の味が曖昧になってきて、ただ安いのはクサかったり


するだけで、昔の人はもっとうまい肉を食っていたんじゃな


いかと、想像するんだけど。


ボクの親の世代はコロッケ、ラーメン、カレーだったらしい


ボクはそんなに変わらないが、コロッケはないかな、コロッ


ケの代わりにハンバーグかな、とは思う。


最近はまずいものってあんまりない気がする。どんなに安い


松屋とかでも牛丼はうまいし、まずいってなかなか体験できな


い。


セブンのカツ丼は、甘すぎて、美味しいとは感じなかった。



ほとんど自炊するので、よそで食べないっていうのもあるか


もしれない。


今、食べたいものはシナチクだ。スーパーで探しているのだが


売っていない。カップラーメンにちょっと入ってるがあれも


あんまり美味くないかな………………合掌。
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さらば、ガク    野田知佑     

2019-04-20 09:45:14 | 本の紹介
文春文庫    2002年


ボクは犬が嫌いだ。今までの人生で二度襲われたことがある。


一度はクリーニング屋のちっこい犬に踵をがぶりとやられ、一度は


二メートルくらいの大きな黒い犬に襲われて、戦った末、ビニール


傘がボロボロになり、死ぬ思いをした。怪我はなかったが、こんな


でかい犬をほっておくなんてキチ×イの飼い主か、と思った。


その経験で判明したのは、ボクの前世は猫説だ。たぶん、猫だ


った。いや、絶対猫だったと思うぞ。


けど、このガクとやら、やたら偉そうで、凜としていて、賢そうだ。


けど、やっぱり、ボクのこと嫌うんだろうなあ、猫だもんなあ………合掌。
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本日順風    野田知佑

2019-04-18 09:38:52 | 本の紹介
文春文庫   1996年


「個」が失われつつある今、いかに「個」というものを


確保するかが切実な問題になっている。


「個」の喪失は二十数年前よりもっと深刻で、「個性」


というものは、もはやテレビの中の幻影になりつつある。


「政府」は国家的戦略で「個」を潰し、戦争へと知らず知らず


導いているのでは、と鋭い人なら、すぐに感知するだろう。


「戦後」は終わったが、「戦前」時代が始まったやもしれず、


我々は「全体主義」のもとで「統治」されていくのだ。


と言うおれっちは、カヌーに乗ったこともないし、自然派でも


なく、むしろ都会派、都会大好き。アウトドア派でもない、むし


ろインドア、本大好きだもんね、って感じのただの(いや、むしろ


ただ、じゃないかも)おっさんである………………合掌。


                    (鶴岡卓哉)
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蝶々の纏足    山田詠美

2019-04-11 09:56:50 | 小説の紹介
新潮文庫   昭和62年


「蝶々の纏足」は読んだが、「風葬の教室」、「きぎつねこん」


は途中下車してしまった。


なんだかイヤ~な気持ちになる作家っていうのはいるもので、そ


れなりに需要もあるのも知っているつもりだが、おれっちはムリだ。


山田氏のラヴァーズ・オンリーは17歳の、高校の文化祭のときに


フケて、屋上のところで読んだ記憶がある。


文学ってものに求めるものが違ってきたんだろうなあ、という気が


する。やっぱり辛い気分になって、イヤなヤツになっていくのがわ


かる作品は読みたくない。


なんか山田さん、性格悪そうだしねえ、ってよく知らないのにそう


いうこと書いちゃダメだよなあ、っていうか、山田さんは性格悪い


のが売りだろ!、って売りなのか?………合掌。

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我らが隣人の犯罪    宮部みゆき

2019-04-10 09:48:44 | 小説の紹介
ミステリーというのはどうも苦手なのだが、この我らが~


は、なんとなく読み始めて、「この子誰の子」、「サボテ


ンの花」、「祝・殺人」、「気分は自殺志願」と読んでし


まった。


コミックタッチというか、そんなに深刻にならないのが、エ


ンタメ小説っぽくて、読みやすいかな、と思った。


どの短編も、今ではレジェンド的短編らしい。


一発目の表題作、オール讀物推理新人賞を受賞したデビュー作。


マンションの隣の犬がうるさいので誘拐しようとする話しである。


ただ、それだけじゃないのが、宮部流だ。一転二転する展開の


スピーディさに、つい、面白いと口走ってしまう。
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アレルヤ     桜井鈴茂

2019-04-06 10:34:37 | 小説の紹介
双葉文庫    2002年




読後に電話をして、相談したくなるような作家を読みたいと




書いたサリンジャーを引き合いに中俣さんという人は解説を




書いているが、本トに、なんか、桜井さんって人はフツーな




んだろうなア、と「おれのユッキー」を読んで思った。




男なら一度は妄想するだろう、アイドル的なコとのラブゲーム!




を、それを素直に率直に書いてしまえるところが、なんとも



かわいくもあり、いい奴、と思ってしまう。



「アレルヤ」であるが、サブカル青春小説って感じで、葉っぱ



のプッシャーになる吉永シロウくんが描かれる。



この主人公はあっけらかんとしているようで、病的………ヘリで



生きる男ですね。



あんまり売れなかった、とあとがきに書いておられるが、出版



されて十年経って文庫化され、十年、今こそまさに読み時が来た、



と言いたい。
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ゑびす殺し   荒俣宏

2019-04-05 09:55:15 | 小説の紹介
徳間書店    1990年


「ゑびす殺し」は作家幸田露伴に捧げられている。露伴の作品が


下敷きになっているらしい。こういう作品をどこまでがオマージ


ュとするかが問題となるだろうが、この作品だけしか知らないの


で、なんとも言えない。オチも決まっていて、良かったのではな


いか。ただ作品自体のキマリは悪い。


「長生譚」、「迷龍洞」とつづき、「蟹工船」、この作品は、かの



小林多喜二へのこれまたオマージュとなっている。



最後は書き下ろしの作品だったが、おれっちの理解力では歯が立た



ず、わからなかった。途中下車してしまった、チーン………合掌。


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日本全国津々うりゃうりゃ   宮田珠己

2019-04-04 10:34:05 | 本の紹介
幻冬舎文庫      2012年


宮田さんって人は海の生物がお好きらしい。とにかく「海物語」というパチン



コの海生物のことまで書いている。おい、待てよ(キムタク風に)、これって


紀行文じゃなかったのかよぉ……。


いや、それは、こっちの勝手な思い違いらしい。


それでも、旅はされていて、津軽の金木町に行って、えっ? 石拾い? おれ


っちだったら、一目散に憧れの太宰先輩の記念館(斜陽館)にはせ参じるのに、


と思うのであるが、もったいないと思いつつ、人それぞれ興味は違うのだな、と


納得した、したのか?


しまなみ海道は行ったことがあるぞ、と思ったりね。


学生時代に4連で玉砕した、と書いておられたが、そういう思い出もないおれっち


は、うらやましいなあ、と思ったのだった。そういや、青春らしい青春の思い出な


んてひとつもないぞ、まあ、今更、悔いても、遅いぞ、おれっち………合掌。

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夜中にジャムを煮る    平松洋子

2019-04-02 11:45:07 | 本の紹介
新潮文庫   2008年


うちでは毎日ごはんをコンロで炊くのだが、それに鍋を


使っているのだが、それが文化鍋というものだというこ


とを知らなかった。


はじめ、大火で一気に沸騰させ、最近知ったのだが、沸


騰したら、ごはんをかき混ぜる。すると、うま味が均等


にいくらしいのだ。水気がなくなったら、小火にして、


文化鍋の上に鋼のボールを乗せて、十五分炊いて、最後


大火で十秒。すると、おいしいごはんが炊ける。毎日、お


いしく食べられてるのも、文化鍋のおかげかもしれない。


古民家ギャラリーうしたで、冬に、火鉢で炭を熾すこと


がある。炭を熾して、かき餅を焼いたりする。かき餅は好


評だ。甘いのとしょっぱいの、下手な人は焦がしちゃったり


して、なんとも楽しい。子供たちはキャッキャッいいながら


焼く。


もちろん、その炭も大切だ。中国産は焼いたらすごくクサい。


うちで使っているのは新潟産の炭である。


平松さんの本が読みたいな、と思っていたら、百円本ででて


いたので即購入。楽しんで読ませていただいた。
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