新潮文庫 平成10年
吉村氏はすこぶる常識人であり、道理の分かる人だ。
始めエッセイとしてはどうかとも思ったが、リアリ
ストはリアリストとしての面白さがある。
帯にもあるが、男の品格、ということなのだろう。
本を読まない人が60数パーセントもいるという。
ぼくは文学をやっているし、読書家であると、自認
しているのだが、こんな面白いことをぼくだけが
楽しんでいいのだろうか、と思う。いや、いいのだ。
思う存分、楽しむがよい、と自分に言ってあげようで
はないか。
吉村氏は酒豪だったそうで、毎晩飲んでいたらしい。
父上を17、8歳の時に亡くし、53歳だったそうだ。
その当時の寿命だ、と言うが、ぼくなんて、あと1年
しかないのですが。よく警察官とかに間違われ、近所
の八百屋の主人だと思われていたこともあるし、養豚
業者だと思われていたこともあったらしい。
昭氏は2006年に亡くなっていて、奥さんは作家の
津村節子女史で、96歳でご存命ナウだそうだ。
(読了日 2024年9・17(火)21:30)
(鶴岡 卓哉)
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