古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

極楽船の人びと   吉田知子

2018-04-14 09:37:13 | 吉田知子
中央公論社 昭和59年。


死に向かう共同体の中で、狂気に陥る者、過去を語る者……。そんな


ものは、実際にはありはしないが、幻想としてのパラダイスへの階段


というか……。目を背けたくなることにこそ文学的価値があるとす



るなら、まさに、これは文学でしか成しえない作品だろう。


ツドイと呼ばれる船客たちの集会で語られる有象無象の話し。ここでは


真実などどこにもない。人の死に向かっていく欲望に支配されている、



のみならず、なにも知らない人たちも混じっているらしい。


運命を担った船は爆破に向かって驀進してゆく……。


コメント
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