講談社文庫 2007年
津原泰水の黄昏抜歯からの盗作を揶揄されている作品で
これに対し川上女史は明確な解答をしていないらしい。
この問題では、ぼくはそんなに盗作めいていないんじゃ
ないか、と思っている。歯をテーマに書けば似てくるイ
メージもあるわけだし、歌手が他人の歌をうたっちゃい
かんというわけでもなかろう。この「わたくし率~」は
確かに川上女史が自分のものにしていると感じられた。
イメージを借りるっていうのは、別にいいんじゃないか、
と思うけどね。もっとあからさまに、昔の話をモチーフに
パクっている作家はけっこういるしね。
それに、たぶん津原氏の作品より、川上女史の作品の方が
おもしろく書けてるんじゃないか、と思う。そこら辺が逆に
問題だったりするのかもしれませんね。