文春文庫 1989年
男と女の話しが多く、ボクなんかはちょっと作りものめいていて
おもしろくない、と思ってしまう。
リアルという点で如実に問題がある。こんな都合のいいことは起
きないだろう、と。
そういう点から言うと、ラストを飾る巣立ちという作品などは、鳥屋
の娘と、結婚四年目の夫の視点から、日常を淡々と描いていて、好も
しい。あと、「海のいろ」という鰺のひらきが好物の男の話しで、時
代の流れとふるさとのあり方を描いていて、たのしかった。文学とは
かくや、という明るさと軽さを兼ね備えた、短編の名手という感じで
あった。
都会生活の哀歓をあざやかに描く短編作品集、と帯にあるとおり、洒落者
(昔の)の感じが読んでいて逸品であった。
男と女の話しが多く、ボクなんかはちょっと作りものめいていて
おもしろくない、と思ってしまう。
リアルという点で如実に問題がある。こんな都合のいいことは起
きないだろう、と。
そういう点から言うと、ラストを飾る巣立ちという作品などは、鳥屋
の娘と、結婚四年目の夫の視点から、日常を淡々と描いていて、好も
しい。あと、「海のいろ」という鰺のひらきが好物の男の話しで、時
代の流れとふるさとのあり方を描いていて、たのしかった。文学とは
かくや、という明るさと軽さを兼ね備えた、短編の名手という感じで
あった。
都会生活の哀歓をあざやかに描く短編作品集、と帯にあるとおり、洒落者
(昔の)の感じが読んでいて逸品であった。