古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

リンダリンダラバーソウル 大槻ケンヂ

2025-01-27 00:12:08 | 本の紹介

新潮文庫   2002年

 

1990年代初頭に突如として巻き起こったバンドブーム。

 

僕はその頃、精神的に混沌としていたので、覚えていないが、

 

そ-いうのがあったらしい。

 

その頃のことを、オーケンこと大槻ケンヂが赤裸々に綴った

 

本がこのリンダリンダラバーソウルだ。

 

コマコと云うカノジョを軸に数々のバンドがそのブームに

 

翻弄されていく様を描く。ボンクラの大学生が徐々にブームに

 

乗ってTVに出たりして、調子ぶっこいていく様が描かれ、コマコ

 

はいつしか忘れ去られ、修羅場の果てに別れてしまう。

 

まあ、それも人生だよ、とひと言で片づけられないような、

 

人生のジョイ・レセプション。

 

いま、どうしているのだろうなあ、大槻氏。58歳かあ、そもそも

 

生存しているのだろうか? とググってみるとご存命ナウであった。

 

いやぁ、そういうえば、この前、TVでお元気そうなお姿を拝見し

 

たわ。

 

細かいバンドの解説も付いていて、格好のテクストになるだろう。

 

90年代の道案内書であった。

 

(2024年 12・22(日)16:55)

             (鶴岡 卓哉)

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雑記+新 私の歳月 池波正太郎

2025-01-23 02:10:35 | 本の紹介

中居正広・考と題し、考察を深めたが、なんか

 

バカバカしくなり、正論をぶち上げてもなんも

 

面白くもない、と取り下げてしまった。

 

さあ、気を取り換えて、池波正太郎氏のレビュー

 

です。

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

講談社文庫 1986年

 

池波氏と云う人はとてもモダンな感覚を持ってるし

 

気も細やかに使えるし、それを人に薦めている。

 

若くして、ギャンブルにのめり込み、使えない程、

 

カネを稼いで、使ってしまった、と云うか、使い

 

道がないので、女にやってしまったらしい。

 

妾みたいなものだろうが、池波氏も17歳とかだ。

 

十六で、吉原に登楼したと云うから早熟だ。

 

母には堅く堅くと云う教えだったので、株をやったり、

 

博奕をやったりして荒稼ぎをしていることを云う訳にも行かず

 

家を借りて、金庫に金を入れていたらしい。

 

先日、藤枝梅安の映画を丁度視て、橋の上から下の

 

船に飛び降りて、殺すやつの話しとかをしていて、

 

あれは梅安の見どころのひとつだったのでしょう。

 

池波氏の文章はとても心地いいし、一流と云う人の

 

おカネの使い方は際立っている。チップやのし袋を

 

持つと云うけれど、私めにはとても真似の出来ない

 

ことだ、と恐れをなしたのだった。

 

(読了日 2024年12・21(土)22:42)

                (鶴岡 卓哉)

 

 

 

 

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日記+贋食物誌 吉行淳之介

2025-01-19 06:41:43 | 本の紹介

さっき、鶴岡卓哉で検索したら、ヘンな男の写真の

 

FACEBOOKのがあって、あれは、いやがらせなのか、

 

それとも、たまたま同姓同名なのか、まあ、いやが

 

らせの件が濃厚だね。まあ、どうでもいいや。

 

ま、たちまち(広島の方言で取り敢えずと云う意味、

 

居酒屋などで、たちまちビール、などと云う)

 

写真は載せておくわ。僕はこういう感じの顔なんですよね。

 

まあ、それは本当にどうでもいいんだけど、木曜に

 

歯痛にになって、たまき先生のところの歯医者に駆け込んで

 

、麻酔して、仮の歯を入れて、コンクリみたいのなんだけど、

 

それが、とても慣れなくて、思考もまともに出来なくて、

 

やる気も出ないしで、更新しなかったのだけど、

 

大分、慣れて来たので、更新します。

 

二日くらい、活字を読まなくて、久しぶりに

 

活字を読んだんだけど、やはり、僕は活字が好きなの

 

だなあ、と云うことをはっきり感じた。

 

これかも活字人生を歩んでいきたい、と確信した。

 

今日は、吉行淳之介氏ですよ。

 

ーーーーーーーーーー

 

絵・山藤章二 中公文庫 1978年

 

山藤氏の吉行氏の似顔絵がそっくりで、それも顔に

 

青筋立てていて、いつも怒っているのがおかしくて

 

視る度に笑っていた。交遊の広さも伺わせて、文豪

 

たちがたくさん出て来る。阿川氏とか、三好達治氏

 

とか、近藤啓太郎氏とか、いろいろなことについて、

 

書いておられるが、そのどれもがうろ覚えと云う、

 

他人とは思えない。僕も大抵のことがあやふやでな

 

んとなくで済ましてしまうところがある。

 

タイトルに食材の名前を書いて、それに関して描か

 

れている。この本一冊で、吉行氏の魅力も充分に堪能

 

出来るだろう。解説に色川武大氏の文章が載っている。

 

これもとても貴重なもので、色川氏の吉行氏は先輩に

 

当たるらしい。装丁も山藤氏が担当していて、鴈と

 

貝の絵が描いてある。もしや、これは? と思っていると、

 

贋と云う字を解体してみた意匠だと云うことだ。

 

(読了日 2024年12・21(土)15:20)

                 (鶴岡 卓哉)

 

 

 

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わたしの脇役人生  沢村貞子

2025-01-16 04:23:17 | 本の紹介

新潮文庫   平成二年

 

わたしの献立日記に続いて、二冊目の拝読と

 

云うことになる本書。ホンモノの文章とはこ

 

う云うものかと感慨を深くした。人間には

 

福分と云うものがあって、ラックと云うか、

 

幸福度って云うか、福分に見合った生き方が

 

大切だと云うことだろう。TVのことについて

 

描いてあるところもけっこうあって、高校野球

 

とかお好きだったんでしょうね。エッセイでTV

 

について書くことに対しては一考する余地があ

 

るとは思うのだが。

 

女性が世界的に強くなったこの世界で、男の

 

私めなんかは肩身を狭くして生きておる次第

 

です。

 

1996年86歳で亡くなられた。RIP.

 

(読了日 2024年12・17(火)21:55)

                (鶴岡 卓哉)     

 

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荷風散策 ‐紅茶のあとさき‐ 江藤淳

2025-01-12 11:15:18 | 本の紹介

新潮文庫  平成8年

 

広島の横川の楢さんでこの古本を贖って、三週間

 

かけて、じっくりと読んだ。

 

始め、荷風散策との題から、荷風散人の好きだった

 

散歩の道行きを書いたものかと思い込んでいたの

 

だが、荷風散人の文章をそのまま載せている部分が

 

半分は占めると云う評論であった。

 

ぼくは、想うのだが、荷風散人はまるで、舞台のレビ

 

ューを視るような格好で股を開いて坐っている女を

 

批判的に描いているが、散人のような好色で、漁色し

 

ているような色ボケ男が、そんな現代風な女を作った、

 

張本人ではないか、と云うことだ。

 

好色男だったが、偏奇館が戦火で焼けてしまってからは、

 

食ボケになられたようで、その様子もヘンだったと云う。

 

江藤氏は本書を書いた三年後、平成11年に亡くなられた。

 

RIP。

 

(読了日 2024年12・11(水)7:03)

                (鶴岡 卓哉)     

 

 

 

 

 

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ハイスクール1968   四方田犬彦

2025-01-10 00:14:49 | 本の紹介

新潮社     2004年

 

月島物語につづいて手に入った本が本書であり、

 

本書は氏が高校に入ってから卒業、浪人して、

 

東大の文三に入るまでの心の動き、趣味、つまり、

 

ビートルズやバロウズ、ガロ、COMあたりについ

 

て言及した書であり、バリケード封鎖した際の

 

状況が綴られている。

 

バリ封を直截、企てたわけではなく、ある日、学校

 

に行くと、教室がバリ封してあり、どうやって入った

 

のだか、教室に入り、その頃親しかった者たちと合流

 

し、食べ物が必要だ、長くなりそうだから、と思った氏は

 

家に帰り、食べ物を調達して戻ってみると、きれいさっ

 

ぱりバリ封は影も形もなくなって、椅子も机もきれいに

 

戻されていたと云う。この裏切りに苛立った氏は、窓を

 

割ったと云うが、どこまでもフィクション的な感じが

 

拭えない。と云うか、氏はこれはフィクションだ、と

 

言い切っている。

 

ぼくはビートルズもジョン・レノンも全部聴いたし、

 

ゴダールも好きな監督であり、実験的作風に惹かれる

 

ところも似ていると感じた。が、ぼくは、残念ながら、

 

東大に行けるほど優秀な頭脳を持ち合せていないのだ

 

った。ひぇー。

 

(読了日 2024年12・10(火)11:20)

                 (鶴岡 卓哉)

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2024年読書概観+鼎談解説

2025-01-09 10:32:49 | 本の紹介

2024年は、101冊本を読ませていただいた。ユーチューブ

 

で、ベスト10などをやっているが、僕が読んだ本のどれも

 

が魂を込めて書かれた本であるようなので、簡単に順位な

 

ど決めることは出来ない。どの本も、ベストだ。

 

大抵、古い本なので、レビューも特にバズることもなく、ま

 

あ、訪問者も100超えしたりしなかったりと云ったところか。

 

去年、一番、訪問者が多かったのは、データは、よくは

 

わからぬが、三百近くあった時が一回あった。

 

今年も読書は地道に続けて行って、古本屋もやって行って、

 

あげていく心積りなので、宜しくお願いします。出来ることなら、

 

もう少し紙媒体の本が売れればいいのですが。広島の人は特に

 

あまり本を読まないのかもしれないです。広島のメーンの通りの本

 

通りの書店は軒並み潰れてしまいました。残念なことです。

 

今日は、素敵な活字中毒者の鼎談解説の解説です。

 

ーーーーーーーー

 

素敵な活字中毒者 〈鼎談解説〉

 

鏡明氏と目黒考二氏と椎名誠氏による活字中毒の

 

解説。目黒氏はチラシまで読む活字中毒者で、

 

皆から病気だ、と云われる。鏡氏の弟も中毒とのこ

 

と、次に電車での本の読み方についての話になると、

 

隣りの人が読んでいる本がいったい何の本か気にな

 

るらしい。中吊り広告も気になると云う。1983年

 

頃は書店は人の山だったと云う。鏡氏はマンガ雑誌ま

 

で読んでいる。

 

やっぱり、ぼくはアマゾンで買うより、古本屋でこう

 

いう掘り出し物の本を探すのが好きですね、因みに、

 

この本は110円で購入しました。うーん、こんなに

 

味わい尽くし、楽しんで、110円。今、一番安くて楽し

 

める娯楽なんじゃあないでしょうか。

 

(読了日 2024年12・5(木)1:40)

            (鶴岡 卓哉)

 

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いちばん熱心に読んだ本   江國滋

2025-01-07 06:01:13 | 本の紹介

「素敵な活字中毒者」所収。 集英社文庫

 

昭和五十四年

 

1934年、東京生まれ。演劇関係のエッセイストと

 

云うことだ。この短編は「小説新潮」に発表。「読書

 

日記」に収録されている。

 

これは病気文学と云うジャンルに属するのだろう。痔、

 

である。良くは知らぬが、肛門性交が原因ではなかろう

 

か、と疑うも、妻はいるらしい。野坂昭如氏も痔だったが、

 

あれはルンペンやっていた時、男にレイプされて痔になった

 

のだ。ヒロシも痔だが、あれは、なんだろう、ヒロシは

 

ホモではないようだ。痔の手術して、初めての排便の時、

 

気絶って、うふふ、気絶ね。

 

(読了日 2024年12・5(木)0:16)

               (鶴岡 卓哉)

 

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文字食う虫について  澁澤龍彦

2025-01-06 22:02:36 | 本の紹介

「素敵な活字中毒者」所収。 集英社文庫

 

昭和五十五年

 

澁澤氏と云えば、エロティシズムの権威として有名だ。

 

マルキ・ド・サドの研究に於いても秀でている。

 

この短編は、「ユリイカ」に発表。「ドラコニア綺譚集」に

 

収録。青土社より刊行されている。

 

この短編は衣魚(しみ)と云う虫。本を食べる虫について

 

の話しだ。

 

経典で三行の文章がどうしても読めない。覚念は深く嘆き悲

 

しんで三宝に相談し、加護を求めた。すると、夢の中に気高い

 

老僧が出て来て、「おまえには宿因がある。前世は衣魚という

 

虫で、その三行を食べてしまったのだ」と云う。それからは、

 

つっかえずに読めるようになった、と云う話しが紹介されている。

 

僕はこの話しがとても好きである。宿めとは、動かしがたく、

 

そこに存在すると云うことが明解になっている点が良い。

 

(読了日 2024年12・4(水)14:40)

               (鶴岡 卓哉)

 

 

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万引千摺り百十番 野坂昭如

2025-01-04 10:38:47 | 本の紹介

新年早々、グーブログが不具合で接続不可能

 

に至っていたらしく、更新出来なかった。

 

サイバー攻撃なのだろうか。よくは分からない。

 

兎に角、復旧したらしいので、野坂昭如氏、い

 

ってみましょうか。

 

ーーーーーーー

 

「素敵な活字中毒者」所収。 集英社文庫

 

昭和五十年

 

敬愛する野坂氏のドラッグ短編。バナナの皮の白い部分

 

をこそいで煮詰め、オーブンで焼くとドラッグになる

 

らしい。どうなるかは定かではないが、なんか手近なも

 

のでもあるので、面白い。TNTを主人公はつくろうとする

 

んだが、その煩雑さ故、うまくゆかない。そこへ、息子に

 

ぴったりくっ付いて離れない母親がやって来て、TNTをつ

 

くっておきましたよ、と言う。

 

危ないから、110番に電話して処理してもらうことにする

 

が、ハハの冗談ではないか、と訝る。

 

エロ小説のていもきちんと取っていて、そこはさすがぬかり

 

はない。TNTのつくり方も微に入り細に入り書いてあるが、

 

見当も付かぬ。主人公は万引きを繰り返すが、捕まらずに

 

うまくやっていたように書かれている。

 

うーん、いいねえ、やっぱり、野坂昭如氏、

 

2015年に亡くなっている。RIP。

 

(読了日 2024年12・3(火)10:45)

                (鶴岡 卓哉)

 

 

 

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