古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ノイズからサウンドへ、音楽   鶴岡 卓哉

2021-03-30 11:14:58 | 詩・ポエム

昨日の広島牛田の夕方の天気はちょっと
不思議な感じでした。西の空には遠くの
方に明るみの中に夕焼けが見えて、東の
空には大きな虹がかかっていて、厚い黒
い雲に覆われ、凄い雨が降っていました。
SF映画の異星のワンシーンみたいでし
たよ(2014、8、30)。


ノイズからサウンドへ、音楽  


君のサウンドで僕は二十四時間踊り続けるんだ

コーヒーポットの中の舌も踊り続け

ウインナーはクリームのような動きの滑らかさ

柔らかな花弁が僕を絶頂へと誘う

君となら三週間ずっとノイズをサウンドにかえてもいい

音楽を君と奏でるんだ

僕はピアノを盗み、ドレミファソラシド

君は音階なんて無視で歌う

それは快調に快走するポップスを超越する

コーヒーポットの中の舌は整列し君の唇と指に歓喜するんだ


夢の中じゃ、ボクはキングだったぜ! JB並みのステップを踏んで見せたぜッ!

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TOKYO TRIBE CLASSIC 井上三太

2021-03-28 04:41:09 | 本の紹介

1998年  ビー・エス・ピー

 

98年といえば、ぼくが東京に住んでいたころだ。

 

いつもなら古本屋にいってもマンガ本はスルーす

 

るのだが、ビビビビッとくるものがあって、手に

 

取ると、なんかおもしろそうだ、と判断、つづき

 

ものでもないらしく、即買いだった。

 

TRIBE(族)SIVUYA VS SINJU

 

KUという構図の話しに大日本手淫党やら、レイプ

 

暴動などが起こって、なんじゃ、こりゃ、こりゃ、と

 

おもしろかった。ハチャメチャ感が。

 

三太氏の日記ものっていて、それも時代背景がよくわか

 

るし、好みもわかって、よかった。岡村靖幸、チャラ、

 

プリンスの好きなひとにつまらないアーティストはいない

 

んじゃないか。ぼくも好きなアーティスト、アイスキューブ、

 

BRAND NEW HEAVIESたちの名が連なる。あぁ、

 

いい時代だったなあ、と今は思う。ビースティ・ボーイズと

 

かね。

 

あぁ、そっか、三太氏を知らなかったのはぼくだけだったのか?

 

と今更ながら、井上三太を知ったぼくだった。……合掌。

 

 

 

平和大通りにあったヘンな生き物の彫像。こいつなにいってんのかな?

おっ、あいつ美味そうだな、かな。

 

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下駄でカラコロ朝帰り     椎名誠

2021-03-27 07:31:36 | 本の紹介

ナマコのからえばり   2011年  集英社文庫

 

 

2010年から書かれていて、その頃、丁度、例の

 

東北の大震災があった。お気楽なシーナ氏もさすが

 

に笑っていられなくなったようで、原発の災害に対

 

する怒りを感じる。東電に対する疑問も多々あるよ

 

うだ。

 

まあ、今回のよみどころはそこいらへんのような気

 

がする。

 

けど、コアなファンを自認するぼくとしては、「

 

ソフトクリームに負けた」という朝めし代わりにた

 

べたソフトクリームにあたって、悶絶するシーナ氏

 

の名文にやはり魅力を感じてしまうのだ。やはり、

 

シーナ氏はこうでないと。社会に怒りを覚えるの

 

はわかる、それに社会に対して問題を提起しなく

 

ちゃいけないのもわかる。でも、そうじゃない

 

ところで、心の豊かさからそういった問題を喚起

 

していくという手法もあるんじゃないか。文学

 

とは、直截的に社会問題を問うのではなく、その

 

周縁から問うていくものではないか、とぼくは思

 

うのだ。

 

あと、シーナ氏が気にしているらしいのが、メタ

 

ボ問題で、若いのも中年も、腹が出ているのが気

 

になるらしい。ぼくは二年前の夏がでぶのピーク

 

で見事な腹をしていて、おめーは開高健かッ!

 

とツッコミを入れたくなる腹をしておった。今は

 

なんとなくひっこんできたかな、という感じ。

 

やはり、でぶのときは辛かったですよ、いろいろ

 

と。……合掌。

 

 

 

広島・牛田の京橋川の土手の桜だぞいッ! この桜は数年前の桜。

何年前かはわっかりましぇぇぇん!

 

 

 

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夢十夜     夏目漱石

2021-03-25 10:15:45 | 小説の紹介

角川文庫   明治四十一

 

夢にみたのだろうか10コの短い話しが出てくる

 

第一夜を書いてみて、これはいけるぞ、と思ったのか

 

第一夜が一番いい。

 

なんとも、死に間際のきれいなうら若い(勝手にこっち

 

でそう思っている)女というのがなんとも色っぽい。

 

女と死という組み合わせはやはりいい(と書くとセクハラ

 

になるな。いやいや、漱石先生いろいろタイヘンな時代に

 

相成りましたよ)。

 

死んだら百年まってください、というのだが、百年経ったら

 

こっちもガイコツだろう、とツッコミを入れといたぜ。

 

なんせ夢が元らしいので、しっかりとしたストーリーがある

 

わけじゃあない。あいまい模糊とした漱石先生らしい、とい

 

うか、人間漱石というものが、垣間見えてくるような気がす

 

る。……合掌。

 

 

おいっ! ちゃんと掃除しろよなっ! 汚いのは嫌いだニャン! 角度がヘンだぞ!

 

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君の苦悩     鶴岡 卓哉

2021-03-24 09:53:41 | 詩・ポエム

№21



君の苦悩     

君は激しく嗚咽するように泣いている

心は突風の如く吹きすさんでいる

僕は助けることなどできやしないのだ

僕は無力で君の苦悩など分かろうはずもない

君はとても辛い思いをして湖底に沈みこんでいる

君は恋に破れたのかも知れないし

あるいは、誰かのトラップに嵌まり込んだのかもしれない

友情を無くして戸惑い狼狽え

愛情の裏切りを身をもって感じたのかも知れない

ああ、それがどんな理由であれ僕はその苦悩を

判じ得ないのだ、断罪などできるものか

君は君自身で既にそれを行おうとしている

ダメだ、それは存在するだけで君を蝕んだりしない

さらに成長させ、君を、その瞬間を美しくするのだ

僕はそれを知っているし、そしてまた僕は蝕まれ損なわれてしまったりしなかった

そう信じるし、失われてしまうことなどあり得ないのだ

理想はそう易々と手に入るものではないが

その嗚咽が理想へと君を近づけるのだ

 

 

 


寝たら、ランボーになって、町を破壊する夢をみたニャ!

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まだ人間じゃない      P・K・ディック

2021-03-23 10:05:04 | 小説の紹介

友枝 康子・訳    「ディック傑作集4」所収。

 

ともすると、中絶を容認するともとれる、実際、中絶

 

反対団体から抗議の手紙をうけとったというから、この

 

短篇の持つ、中絶に対する考え方の一応の答えが垣間見

 

えるのではないか。

 

ぼくとしての考え方はちょっと違う。あくまで、P・Kと

 

いうひとは魂の在り方を問うていたのだ、と思う。大学

 

出のエド・ガントロをまったくおかしな行動、堕胎トラ

 

ックに乗せるようなことをさせたことにもそれはうかが

 

い知れる。

 

魂は生まれたときから備わっているだろう。12歳から

 

数学ができるようになったからと言って、備わるような

 

ものではない。知識や智慧がなくとも人間は人間である

 

という、ある意味、逆説的な試みをしているのだろう。

 

我々はまだ人間になっていない、それが人間のあり様なの

 

だ、と。……合掌。

 

 

わて、カップヌードル、三分じゃなくて、三十分でも待てますで。麺伸びてまうけどな。

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ポーク   鶴岡 卓哉

2021-03-22 14:44:45 | 詩・ポエム

ポーク   ・


ティシューペーパーを捨てたポーク

ポークは完璧なまでに人工スクランブル

バッドな夢の中でガリガリに飢えている

夢を食いながら果てしなく前進していく

赤い皿の上にいるのは油塗れのVツイン

Pを作ったときイライラしたポークたちを前に

色つきのジンジャーが水に溶ける

黒いのがドロドロ溢れ出してケーキの味がするんだ

まずいことに君たちは夢の中の中

インサイドのビートで満足するデジタルノイズみたい

クラクションの音はメタルグレーで染める

人々はポークの思考の中で踊る

レコードで四十八回転、死にながら走り続ける

ポーク!何色が好きなんだ!


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文鳥      夏目漱石

2021-03-21 03:17:09 | 小説の紹介

角川文庫   明治41年

 

昔、ぼくが幼いころ、インコを飼っていたのだが、いつしか

 

忘れ去られて、エサもやらず、餓死させてしまった、という

 

笑うに笑えぬはなしが我が家にはあるのだが、それと同じ文

 

鳥にエサをやり忘れ、殺してしまった、というオチだとは思

 

わなかった。

 

文鳥が行水するところなどをよむと、この明治の時代の水道水

 

というのはどういったものであったのか、とか、煙草はどんな

 

味がしたのだろうか、とか、想像は尽きぬ。

 

文鳥はもしかして、寒さのために死んだのでは、とも思うのだ。

 

それにしても、鈴木三重吉は、なかなか文鳥をもってこなかった

 

のだが、すぐに実行に移せない男なのか、おカネをポッケに入れ

 

て使い込んで、おカネができたので、文鳥を持ってきたのか。

 

とにかく、わからぬ男に違いない。……合掌。

 

 

パンはパンでもフライパンでつくったパンはこのパン。読書で疲れたときは、このおいしそうなパン写真をみて、癒される(いや、癒されはしないだろう!)。

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小さな町       P・K・ディック

2021-03-20 10:47:35 | 小説の紹介

「ディック傑作集4」所収   小川隆・訳

 

アメージング誌1954年5月号

 

ジオラマに43歳のハスケル氏はのめりこんでいる。その

 

世界にすっかり入りこんでしまい、その世界の住人となり、

 

妻のマッジ、浮気性のマッジもその世界の住人となり果てる。

 

この作品はSFではない、ファンタジーだ、とP・Kも述べてい

 

る。

 

文学作品に近いものがあるのではないか。創造する、という

 

反対の要素、破壊こそこの作品の裏テーマらしいが、町を壊

 

して、創造する神になったハスケル氏という市民に神のような

 

力を与えるのは危険だ。意外とファシスト気質だったりするの

 

だ。ある意味、とても怖い作品だ。……合掌。

 

 

一足お先に冷やし中華なんてどお? 街の冷やし中華いいんじゃねえ?

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かけがえのない人造物    P・K・ディック

2021-03-14 09:41:19 | 小説の紹介

小川隆・訳  「ディック傑作集4」所収。

 

ギャラクシィ誌1964年10月号

 

Yイコール非Yに行きつくというのも、ヘンなはなしだ。

 

YはYじゃないから非Yなのだから、イコールなはずはない。

 

この論理はヘンだ。けど、思考的には、そうならざるこ

 

ともないこともないのかもしれない。机上の空論的に。

 

ストーリーらしきものはなく、ぼくもどんよりとした頭で

 

よんでいたのでよくわからなかった。アンフェタミン

 

興奮剤の自販機にコインを入れるとむこう側に落ちる、

 

というはなしが印象的だった。これに象徴されるように

 

たぶん、ドラッグノベルというやつに位置づけしていい

 

のではないか。……合掌。

 

 

 

ぼくは小鳥を狙ってるニャン! けど、いっつも逃げられちゃうニャン!

 

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