新潮社 2018年
秋級(あきしな)をメインの舞台に繰り広げられる、ポハピピンポボビア星人
の苦闘。
ボクも地球星人になる前は、宇宙人がやってきて、この地球から連れ出してく
れると信じていた。でも、今は地球星人なので、宇宙人はいないし、ボクを連
れだしてくれるプランも存在しないことを洗脳されてしまった。
ボクがとち狂っていたころは、たしかに、宇宙人は存在したし、いろいろはな
しをしたよ。いや、とち狂っていたのではなく正常だったのか、今がとち狂って
いるのかもしれないしな。
けど、この作品がカニバリズムで終わるとは思ってもいなかった。人間食いの歴史は
古く、中国ではよく食べていたと聞く、開高健師匠もカニバリズムに興味があったら
しく、書いておられた。
究極の美食は人間だ、と常々ボクは思っている。でも、食べようとは思わんが。
それはあくまで文学的文脈上での話だ。
村田さんはこの作品を書いて更に浄化されたことだろうと思います。人を救うとは
どういうことなんでしょうねえ………………合掌。
(鶴岡卓哉)
秋級(あきしな)をメインの舞台に繰り広げられる、ポハピピンポボビア星人
の苦闘。
ボクも地球星人になる前は、宇宙人がやってきて、この地球から連れ出してく
れると信じていた。でも、今は地球星人なので、宇宙人はいないし、ボクを連
れだしてくれるプランも存在しないことを洗脳されてしまった。
ボクがとち狂っていたころは、たしかに、宇宙人は存在したし、いろいろはな
しをしたよ。いや、とち狂っていたのではなく正常だったのか、今がとち狂って
いるのかもしれないしな。
けど、この作品がカニバリズムで終わるとは思ってもいなかった。人間食いの歴史は
古く、中国ではよく食べていたと聞く、開高健師匠もカニバリズムに興味があったら
しく、書いておられた。
究極の美食は人間だ、と常々ボクは思っている。でも、食べようとは思わんが。
それはあくまで文学的文脈上での話だ。
村田さんはこの作品を書いて更に浄化されたことだろうと思います。人を救うとは
どういうことなんでしょうねえ………………合掌。
(鶴岡卓哉)