私小説で殺人とはおだやかじゃないな、と思いつつ、この
短編を読んでみる。シーナ氏の野良犬時代の話で、ケンカで
やっちまったらしいのだ。相手は死んだかもしれないが、逃
げたのでわからなかったらしい。もうひとつは、キャバクラの
ホステスの家で個人的に呑んだりしていたが、そのホステスが
殺された、というもの。犯人は内縁の夫だ、ということだが、
巻き込まれるのでは、と恐怖したという話だ。
ぼくはおとなになってからは、ケンカはしたことはない。
小学生のころは毎日、ケンカに明け暮れたが、おとなになったら、
真っ先に謝る人になっていた。いいのか、悪いのか? いや、
いいだろ。