古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

日記+「だからロッドを抱えて旅に出る」PT1 残間正之

2024-07-31 03:01:46 | 本の紹介
今は、3:10。昼間は暑くて、なにも

できない。カフェもクーラーがないので、

人が来ないし。

文学賞も落ちてしまったしで、ちょっと

落ち込んで、書く気も起きないですが、

次は、ちょっと目線を変えて、応募する

のを変えてみようかと思います。

なんだか、こう書いてみると、ちょっと

元気も出るかもです。

未来には、明るい何かが待っていると信

じるのも悪くないかな、と思っています。

今日の本は釣りの本ですよ。

枻(えい)出版社 1999年

釣り、に行く、ではなく、タイトル、

旅に出る、となっているように、いろいろ

なところに旅に出て、釣りをしている。

残間(ざんま)さんは、写真家でもあるらしく

て、秀逸な写真が多数載っている。

ぼくはこの本の中で、パイク釣りがいちばん

心に残った。最後ってこともあるのかもしれない。

オランダで行ったが、伝説のガイドを伴っても

釣れない。この人のメーンテーマは釣れない

釣りらしいので、真骨頂だろう。

最後にエサ釣りで引き上げるのだ。この本は

「フィッシング」という本に寄稿されたもの

らしくて、かなり専門的知識のある人が読む本

らしく、ぼくはかなり、よく分からなかった。

専門用語が、レギュレーションって、そこで

釣るルールらしいのだが、それさえ、分からな

かった。

絶版になっているらしいので、読むのは難しい

かもしれない。

(読了日 2024年6・26(水)21:47)
                (鶴岡 卓哉)



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朗読者 ベルンハルト・シュリンク

2024-07-25 12:50:14 | 大道珠貴
松永美穂・訳 新潮社 2000年

3部構成になっていて、1部では、36歳と15歳の

情熱的な関係が描かれ、これはそこはかとないエロ

小説なのか、などと思っていると、第二部ではナチズム

のアウシュビッツでの女看守の裁判に36歳のおとなの

関係になっていたハンナという女性が現れ、裁かれてゆく。

朗読がこの本の大きな鍵となっていくのだが、ハンナ

という女性は分盲なのだ。文盲であるが故に裁判では、

不利な状況に陥り、終身刑を言い渡されてしまう。

肉体関係、それも15歳でもった女性が戦争犯罪人

だったことで、罪の意識に苛まれつつ、朗読した

テープを18年送り続ける。そして、出所という

その日、ハンナは自殺してしまう。久しぶりに

マジで泣いてしまった。この哀しみはどこから

くるのだろうか。ぼく自身、よく分からなかった。

分からないが、哀しすぎて、涙が止まらなかった。

(読了日 2024年6・26(水)0:23)
              (鶴岡 卓哉)


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新版 悪魔の飽食 森村誠一 

2024-07-24 00:45:32 | 大道珠貴
角川文庫 昭和58年

第七三一部隊と称される満州に展開していた

細菌兵器を研究していた施設があって、そこで

行われていた悪行の数々を暴いている。

ぼくは広島に住んでいて、時に原爆のことで

被害者だ、という想いがあったが、これを

読んで、加害者としてのWWⅡを知って

しまった。御国の為という言葉ひとつで残虐

になれる日本人。それは決して、我々とは

別の日本人ではなく、地続きの日本人の姿

なのだ。

その施設は寒天の腐った臭いが立ち込め、

「丸太」と称される人間(ロシア人他)の

人体実験につかう人間がいて、一日に数体消費

されたという。

人間が出来る最悪な非業とはこのことだろう。そ

の罪からは幾年月が過ぎても逃れられない気が

確かにした。

(読了日 2024年 6・22(土)17:53)
                (鶴岡 卓哉)


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サイコキラー 多重人格殺人 和田はつ子

2024-07-20 02:33:04 | 小説の紹介
今は2:45。眠れないし、余力もあるので、

書評なんてもんをやってみましょうかね。    

角川ホラー文庫 平成8年

これを良書か悪書かといったら、悪書だろう。

悪書ならではの魅力というものもある。

トリビアに満ちていて、飢饉についての考察に

詳しい。

よくいろいろ調べてあって、いろいろ勉強にもなった。

ひとつ気になったのは、生ごみというのは燃えない

ごみなのですかね。ぼくは燃えるごみだと思っていたが。

この本書では脳を食べるということになっているが、

人間の部位で一番食べちゃいけないのが脳だという。

だから、狂った、ということに相成るのかもしれない

けれど、ラストの二行はホラー文庫の名に負けない

怖いものだった、脳を食べながら……うわっ、怖っ!

(読了日 2024年 6・17(月)20:30)




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親鸞(上) 五木寛之

2024-07-15 03:08:00 | 小説の紹介
講談社 2010年

9歳で比叡山に入山することを志し、ツブテ

の弥七やらの手引きで無事、入山を許され、

数々の修行を果たしていく。

あるくぐつ女と出会い、その女のことを忘れ

られず十年経って、ツブテの弥七の手引きで

その女と再びめぐり逢い、その女の胸の中に

飛び込もうとすると、黒面法師の矢で當麻御前

となり、歌姫となった女は矢の為、心の臓を

射抜かれて死んでしまう。そこいら辺は、涙

なくしては読めない展開になっている。うーん、

おもしろいのと、同時に、修行僧の気分にも

なれる一冊。((下)は女がどうのこうの、とあり

得ない展開に、あまりにもあれなんで、ほっぽり

出してしまった)

(読了日 2024年6・10(月)14:59)
                (鶴岡 卓哉)

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最後の読書   津野海太郎

2024-07-14 06:53:23 | 本の紹介
新潮社 2018年

ツノウミ・タロウではなくツノ・カイタロウ

と読むらしい。

ちゃんとした賞も獲っておられるし、晶文社

のおえらい人だという。しらんかったわ。

80になられるらしく、本が読めなくなった

いや、もう読めない、と読書に関しての老年化

に伴う障害について、つらつらと書いておられる。

でも、そんなに退屈でもなく、この人の

文体には光るものが確かにあるので、ただの

老人の繰り言とはちと訳が違う。そこには

文体というものがあるからだ。

解説で鈴木敏夫氏の文章が載っていたが、やはり

これは退屈だった。比すると、津野氏の文章は

ピンと糸が張っている感じがした。そういった意味

では、鈴木氏は津野氏の引き立て役にはぴったり

だったんじゃなかろうか。

(読了日 2024年5・30(木)17:00)























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〈映画の見方〉がかわる本 ブレードランナーの未来世紀 町山智浩

2024-07-13 08:53:06 | 本の紹介
新潮社 2006年

第一章 デヴィッド・クローネンバーグ監督「ビデオ

ドローム」から口火を切る。支離滅裂、本人の

クローネンバーグ監督すら自分でわからない、という

難解な作品をどう料理するのか? 
 
第二章 ジョー・ダンテ監督「グレムリン」この

奇妙で怖い映画をどう批評するのか。おもし

ろくて映画好き全ての人に読んでみて欲しい。

第三章 ジェームズ・キャメロン監督「ターミネー

ター」考えてみれば、すべてSF。第四章も、

テリー・ギリアム監督の「未来世紀ブラジル」

結果的に個人的には一番好きなってしまった映画、

オリヴァー・ストーン監督の「プラトーン」

第六章 デヴィッド・リンチ監督「ブルー・ベルベッド」

この不思議で怖い映画。説明するのも怖い。

第七章 ポール・ヴァーホーヴェン監督「ロボコップ」

そして、締め括りは第八章、リドリー・スコット監督

「ブレードランナー」この映画もけっこう暴力的だ

よな、でも、SF好きで嫌いな人はいないと思う。





































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思い出を切りぬくとき  萩尾望都

2024-07-10 19:40:12 | 本の紹介
河出文庫   2009年

いくら少女漫画を読まないぼくでも望都

さんという大天才漫画家のことは知って

いた。

へえ、エッセイなるものを描いていら

したのか。古本で見つけて、速攻買っ

て読んでみた。その挿し絵にやられた

ポーの一族か、読んでみたいぞ

いつか読んでみたいぞ。中島らも氏は

少女漫画を愛読していたらしいが、羨まし

すぎるぞ。ぼくも、読んで見たい、少女漫画!

うーん、アマゾンで今なら買えるけど、

いかんせん、ポチる勇気もない。

このエッセイは、顔はあっちに向いたり、

そっちに向いたりするが、どこか読者に

気が向いてくれていて、天才ってそうなんだよ、

ナチュラルなんだよね。音楽でもそう、モー

ツァルトでも、気取ったところなんてなかった

と思うもんな。

















































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はだかの太陽  アイザック・アシモフ

2024-07-05 00:54:48 | 小説の紹介
早川書房  1984年 小尾芙左 ・訳

SFとミステリーの見事な結合。一般に

言ってSFとミステリーというのは相性が

悪いといわれているらしいが、この、はだ

かのそれを難なくやり遂げてしまっている。

正直、ハッとする解決にはなっていない感

があり、まあ、そうなるよな、と思って

ちょっとがっかりして読んでいると、どんでん

返しが待っている。でも、それも、大どんで

ん返しってほどじゃない。その惑星間の軋轢と

言うか、地球の持っている危機感とかがソラリア人

の持っている脆弱性と符合するということだろう

ことが、切々と説かれてゆく。見る、と、眺める

という今でいうテレワーク的な発想もおもしろ

かった。




































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辻留・料理のこつ   辻嘉一

2024-07-03 09:31:45 | 本の紹介
中央公論社  1980年

冒頭、幸田文氏の一文から始まる。ひとつ目が

いわしの辛煮。でも、今ではいわしは手に入れ

るのも、大変だし、この本のすべての料理が

気軽にできるようなものではないと思える。

文学メシとぼくは呼んでいるが、くった気に

なってみるのだが、残念だが腹はふくらまない。

丸揚げ豆腐というのは、おいしそうだし、試み

るのにも丁度よさそうだな。

ぼくは岩槻高校出身なのだが、岩槻葱というのが

有名だとは知らなかった。葱男子を自称している

ぼくとしては迂闊だった。もっと早く知ってれば

食べられただろうにぃ。





















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