古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

アルコールの中で   フィッツジェラルド

2023-11-30 13:42:19 | 小説の紹介
村上春樹・訳 「マイ・ロスト・シティー」収録

きっと、フィッツジェラルドがアル中に

なっていたころのことを描いているのだ

と思うが、誰もひとを救えない、という

箴言じみたものは、心に響く。

大分、フィッツジェラルドの短篇にぼくも

慣れてきたようで、楽しく読めた。まあ、

決して、楽しい作品ではないけれど。辛く

て、厳しい世界を描いている。

アル中かあ、アル中なあ。アルコールの中で

というタイトルもなかなかいいのだが、ぼく

だったら、アルコール中毒患者の場合、に

するけれどね、チーン。

(読了日 2023年11・3(金)2:10)
               (鶴岡 卓哉)  
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失われた三時間   フィッツジェラルド

2023-11-29 03:47:20 | 小説の紹介
村上春樹・訳

これはかなり興味深い短編だ。再読だが、

こんなにドキドキさせられる短編はなか

なかないだろう。飛行機で降り立った三

時間の間でナンシーと言う三十過ぎの女に

十二歳以来に会う。ドナルドと言う主人公

はパワーズと言う少年と間違えられている

ことを知ることになる。キスまでしたのだが、

この喪失感はなんともはや。これは、訳もいい

し、A+を上げてもいいんではないだろうか

(あんた、何様目線だよ?)。

原題をTHREE HOURS BETWEEN PLANS

、ぼくなら、三時間の間に果たされた計画、と

するけど、ちょっと直訳過ぎるか? どうだろ 

うか、チーン。

(読了日 2023年11・3(金)1:10)
              (鶴岡 卓哉)





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若くても、若くなくても、女性というものは グレイス・ペイリー

2023-11-28 06:42:14 | 小説の紹介
村上春樹・訳

さよなら、グッドラックより、筆も上がって

いるし、とてもよく訳されているらしく、

好短編だった。

ぼくは、フィッツジェラルドよりペイリー

さんの方がより好みのようだ。やはり、

これを読むと、フィッツジェラルドは古び

た感じが気になる。

ペイリーさんの短編の中には、やはり、

人生がある。ブラウニーという男性を取り

合うのだが、かわいいアリスちゃんは14歳

にもならないのだ。リジ―ともうまくいかな

くなって、「私」は梅毒検査でひかかって

ブラウニーとは結婚できなくなってしまう。

話しとしては、結婚についてだと思うのだが、

まあ、ぼくは、結婚についてはどうでもいい

かな。

本当のことを正直に言うと、あまり興味のな

い話しだった。

原題をA WOMAN、YOUNG AND OLD。

ぼくなら、老いも若きも、女性は、にすると

思うけどね、チーン。

(読了日 2023年11・2(木)21:26)
                (鶴岡卓哉)





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氷の宮殿   フィッツジェラルド

2023-11-26 23:37:02 | 小説の紹介
村上春樹・訳 「マイ・ロスト・シティー」収録

再読で、前になんかしらレビューを書いている

ように記憶しているが、詳しくは忘れてしまった。

いま一度読んで、大作家フィッツジェラルド様に

なんてことを言うんだ、と言われそうだが、

ウケていないコントみたいだなあ、と思った。

やりとりが、なんとも言えず、これが、大時代を

描いた、なんというか、これが、コントなのだよね。

春樹氏は夢中になったと言うが、ぼくは、まったく

夢中になる要素を見出せなかった。この訳ではと言う

ことだが、チーン。

(読了日 2023年11・2(木)18:45)   












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さよなら、グッドラック   グレイス・ペイリー

2023-11-24 09:44:29 | 小説の紹介
村上春樹・訳 文藝春秋 1959年

レイモンド・カーヴァ―氏の次に発掘するのが、

このグレイス・ペイリー女史ということらしい。

いま、何歳なのか、この短編はちょっと若書き

っぽい感じがしないでもない。けっこう、読み

辛く、書いてある内容は薄っぺらだが、難解な

感じだ。薄っぺらといったが、人生というもの

を描いているので、薄っぺらとは誤謬があるか

もしれない。「ペイリーさんの小説はとにかく

ひとつ残らず、自分の手で訳してみたい」とまで

惚れこんでいるらしい。

原題を、GOODBYE AND GOODLUCK。ぼくなら

そうだな、さよなら、それから、グッドラックに

するけどね、チーン。

(読了日 2023年10・31(火)16:00)





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村上朝日堂はいかにして鍛えられたか 文・村上春樹 絵・安西水丸

2023-11-23 13:41:15 | 本の紹介
朝日新聞社 1997年

本書の丁度、中盤に、全集に載せてやる、と

いわれて、春樹氏はその物腰に非常な不快を

感じ、拒否し、吉行淳之介氏らもでてきて、

なんとかしようとしたらしいが、春樹氏はか

たくなに拒否して、その担当の人は自殺した、と

いう話しを書かれている。ぼくは、恐らく、30

分はゆうに考え込んだ。この人のかたくなさにつ

いて、作品に対する思い入れについて、そして、

春樹氏は、人の血が流れるのは当然で、それも

背負って生きていかなければならない、と結んで

いる。うーん。思わず唸ってしまう。

ただ、この話しがあるおかげで、このエッセイ

はキリッと締まったものになっている。

自分のことをアホだなんだとおっしゃっているが、

いやいや、これはもちろん、ポ-ズですよ。でも、

春樹氏の走りの話しはぼくはすごい好きなんです

よね。思わず、走りたくなっちゃう。まあ、ぼくの

場合、歩いて散歩ですけどね。

(読了日 2023年 10・30(月)18:30) 



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哀しみの孔雀   フィッツジェラルド

2023-11-22 05:21:16 | 小説の紹介
村上春樹・訳

この翻訳ではということだけれど、この

短編はそう何十回も読み直すほどのお作品

とは思えなかった。少なくとも、春樹氏を

魅了したほどにはぼくは魅力を感じなかった。

それに、このタイトル訳もよくない。Lo、

The Poor Peacockと原題で

いうんだけれど、春樹氏は哀しみの孔雀、と

訳しているけれど、ぼくだったら、見よ! こ

の貧しき孔雀を、にするね。この方が気が利

いていると思われる。たぶん、フィッツジェ

ラルド氏もこっちの方がいいと言うと思う。

なんだか、フィッツジェラルドを春樹氏より

うまく訳せるんじゃないか、という気がしてきた。

なんの自信なんだろうね、この人は、やれやれ。

(読了日 2023年10・29(日)16:40)





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荻窪風土日記    井伏鱒二

2023-11-21 13:49:56 | 本の紹介
新潮文庫 昭和57年

手書きの文章というもので独特の井伏調

というものがあって、始め、馴染めず、

前半部分で、寝かせることにした。

しばらく(三週間)して、読むと、この

井伏調が気持ちよく感じられ、すいすい

と、しかし、じっくりと読ませる。

荻窪駅は昭和8年ころは乗降客がひとりか、

ふたりの秘境駅だった、というのだから、

え、井伏氏と言うのはそんな古い人なのか、

と思うと、太宰治氏の師匠でもあるんだから、

そうか、そうなるか、と納得。太宰氏に

関する記述もあるので、気になる方は、読ん

でみるといいかもしれません。ちなみに、この

荻窪風土記、どうでもいいけど、あのらく氏と

いうユーチューバーがおちくぼ風土記といって

ましたが、あれは、ツボでしたね。

(読了日 2023年10・28(土)21:53)
                (鶴岡 卓哉)



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残り火 フィッツジェラルド             

2023-11-20 05:18:07 | 小説の紹介
村上春樹・訳 中公文庫

まず、本書のはじめに、フィッツジェラルド体験、と

題された評論がある。それは春樹氏の真骨頂ともいえ

る素晴らしいものだ。言葉の柔軟性といい、美しさ、

といっちゃあ幼稚かもしれぬが、芳しい香りが立ち上

ってくるような文章だ。「残り火」という短編も、

伴侶の頭の瘤が弾けて寝たきりになってしまう、とい

う悲惨な話だ。暗いし、しかし、ひりひりするような

鋭い痛みが夢中にさせた、本当だ。この本を買って、

20年以上たって思うが、その真価が分かるようにな

れたのは、フィッツジェラルドもとうに死んでしまった

年齢になってからだとは。僕はフィッツジェラルドの

ようには絶対に書けない、でも、と僕は思うのだ。

僕のように、フィッツジェラルドだって書けないはずだ、

と。

(読了日 2023年10・27(金)21:20)




























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蒼き狼 井上靖

2023-11-17 10:00:25 | 小説の紹介

新潮文庫   昭和35年

 

ぼくが11歳かそこいらのときに、この本を読み

 

いたく感動したことを覚えている。いま、読んで

 

みて、成吉思汗って人はバカだなあ、と思う。思い

 

ッ切りのバカヤロォだ。人を殺してなんとも思わ

 

ないし、昔の人っていうのは、野蛮だな、と思う。

 

成吉思汗も出生は、はっきりしないらしい。モン

 

ゴルの血で蒼き狼だということを証明するために

 

アジアを征服していったといって過言ではない。

 

やはり、色を好んだらしく、女をたくさん侍らせて

 

いたらしいね。でも、読んでいる途中は、殺戮を

 

繰り返す汗にうんざりしてきたが、読後は、やはり、

 

これはおもしろかった! に変わっていた。人間は

 

戦争を繰り返してきた。これからも滅亡するまで、これ

 

は終わらないだろう。これは人間に課されたサガ、宿命

 

のようなものだ。人は人を殺す、これはきっとやめ

 

られないだろう。いや、ぼくは人を殺さないし、平和

 

主義者だけれどね。ほんとのことを言うと、なんで

 

戦争をするのかよく理解できないのだけれどね。ああ、

 

やめて欲しいわ、いい加減。

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