CHAPTER11
測ってみると、16分で読めてしまっていた。そもそも、ぼくが
この本を買ったのは怖い話が読めるのだな、と認識したからであり、
読んでみて気づいたのだが、決して怖いわけではないのだな、とい
うことだ。
奇妙というべき割合が大きく、この聖家族もともすれば、SFチック
であり、性的であるわけだ。なかなかに読みすすめるごとに興味は
深くなってくる。......合掌。
CHAPTER11
測ってみると、16分で読めてしまっていた。そもそも、ぼくが
この本を買ったのは怖い話が読めるのだな、と認識したからであり、
読んでみて気づいたのだが、決して怖いわけではないのだな、とい
うことだ。
奇妙というべき割合が大きく、この聖家族もともすれば、SFチック
であり、性的であるわけだ。なかなかに読みすすめるごとに興味は
深くなってくる。......合掌。
cyaputer10
家宝ともいうべき鬼女の面。怪しからぬその面は婚約者を食らう。
つまり、「私」はその誘惑に抗えず、その面をすやすや眠っている
K子につける。すると、つややかなエロティックな踊りを舞うで
はないか。その魅力に取りつかれた私は次々に、女をつらまえて
は、その妖しい踊りを舞わせるのであった。という話である。
イメージとしては、凡一であるが、その描き方はなかなか面白い。
これはなかなかに怪奇といえるのではないか。......合掌。
この倉橋女史の特徴として「発狂」と「発想の逆転」が
いえるだろう。ここでは、鬼に食われるのではなく、鬼
を食う。それも鬼は美味でありハムのように柔らかな肉な
のだ。
発狂しているツウィストによって書かれたそれは、怖い
というより滑稽であり、なんかおかしみを誘うものだ。
ぼくはぜんぜん怖くなかった。そもそも恐怖小説ではなく
怪奇掌篇だというんだから、怖くはなく、怪しいが先に立つ
んだろう。......合掌。
神が人間をつくったのではなく、人間が神をつくったという
発想の逆転。神々の話なのだが、これはあまり高級な神々では
なさそうである。もっと大きな宇宙として神は捉えるべきなの
ではないのか。この人の考える神は地球規模だ。神々も地球も
なくなって、人間もいなくなっても、神々はどこかにい続ける
だろう、というのが僕の考えだ。......合掌。
CHAPTER 7
「私」は構内の茂みに青白く光るものを見る。それは生首なのだが、
アポロンのように美青年であった。青年と少年の間とある。
この掌篇が今までのベストだ。イメージの飛躍があって、ぶっとんで
いる。生首を水盆において、植物のように育てるのだが、そこから
花が咲いて、実を付けて「私」は食っちゃうんだぜ。それも、あんまり
うまくないらしい。種も取れて、その栽培に夢中になるあまり透という
生首の前でセックスするような仲だったのに、捨てられちゃう。
この女の狂気を描いてるんだと思う。......合掌。
隠居らしき身の木原氏が麻衣子さんに幽霊屋敷のような
ところに連れられて行き、だんだんうつつ身でなくな
ってゆく。
なんか冒頭から洒脱なんだよね。シェリー酒とかさ。都会的
で洗練されている感覚がある。それでいて、文学的、ヒジョー
に文学的なニオイがする。
とうとうこの世から消えてなくなってしまう木原氏だが、そこ
がこの掌篇のポイントだ。この世界と訣別したいという願いが
成就される、という、いわゆるハッピーエンドだ、とぼくはみる
のだが。......合掌。
夢が現実と入り交じり、人が獣化してしまう。それは
とても奇妙で、イヤな夢らしい。家族までもが獣化し
てしまう。それがなにを意味するのかは語られていな
い。
果たしてどういう意味なのだろうか? きっと夢なので
意味なんてないんだと思う。
獣臭いっていうのは、なんだろうか? 夢にニオイって
あるのか? ぼくは夢でニオイを嗅いだことはたぶんない
と思う。人に非ざる者、恐ろしい動物として、この人には
映っているってことかな。......合掌。
(読了日 2・4(金)0:15 鶴岡 卓哉)
1980年10月。
この4P余の掌篇はホラー話として読むべきものなのだろうか。
それにしてはあんまり怖くないし、この掌篇自体の存在理由と
いうものが分からない。どういう意図で、おもしろい、と思わ
れて書いたのか、それが伝わってこないのだ。どうもなんか
無意味に思えてしまって、ムダな作品、捨て曲ならぬ、捨て
作品、いやいやあんまりいい言葉ではないな。
むしろ、こういう作品こそ読み込むべきなのかもしれない。
もう一篇読んでみるも、どうも面白くない、興味は尽き、ほっぽ
りだしてしまった。......合掌。
読み味がヒジョーに悪い、怖い短篇だと思った。こんなことは
現実では起こりえないだろう、非現実感。電話をかけに精神病室
に入っただけなのに、そこに放り込まれるという話なんだから、
怖ろしい。イヤな味の料理でも食べたように思って、早く終わん
ないかな、早く終わんないかな、と思った。それも、ハッピー
エンドで無事保護された、っていうようなオチなら救いはあるが
ひどい終わり方なんだもの、イヤになっちゃうよ。すごくマズい
料理を喰わされた気分だね。......合掌。
2022年3月1日(火)~15日(火)まで月曜日休みで、
10:00~17:00まで、五年間大下先生に習った生徒さ
んの発表会を致します。
五名の方が習っていますが、今は生徒さん募集中です。
近隣の方の有志を募っています。
先生は丁寧に教えて下さり、作品もとてもステキに
仕上がっています。
是非、みなさんも趣味の幅を広げてみませんか?
先生の作品で冠婚葬祭用です。結婚式に実際着られたとか。上品な柄でおとなしい雰囲気なので、好感は上がりそうです。
表、裏を使って、オシャレに表現しています。ツーピースで、これは田原裕子さんの作品です。田原さんは、独創性あふれる自由な発想で数々の作品を作っていらっしゃいます。でも、生徒さんです。
これも田原さんの作品です。両側が長くなっていて、とてもオシャレです。田原さんご自身すごくいつもオシャレなので、びっくりしてしまいます。