新潮文庫 平成元年
色川氏が亡くなって、けっこう経つがたまにこういう
生前、昔に書かれたものに出くわす。
ぼくは色川氏の芸能の話が大好きで、大抵読んでいる。
昔の芸能人のいいのは、顔と声で、昔の嵐寛とか、佐分
利信とかの顔は今の人にはないものがある。
今のアイドルの顔はサイボーグみたいで、アニメみた
いな感じで、あまり好ましくない。という割に、アニメ
はけっこう見たりするアニヲタなのだが。
けど、人間的な感じが全くしないという点で、人間的魅
力に欠けるのではないだろうか。
昔のぼくも知らないような芸能史の一端をこの本は
つまびらかにしてくれる。
左卜全なんて、ドキドキしてくるワードがたんまり
詰まっている。全く素晴らしい人物だ、という人が少
ないのも特徴だ。ひと癖もふた癖もある人間臭い、
まだ人間だった時代と言えるのではないだろうか。
(読了日 2024年9・25(水)15:10)
(鶴岡 卓哉)