古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

うらおもて人生録     色川武大

2023-05-24 11:43:59 | 色川武大
新潮文庫   昭和59年

今の若い人の文学がつまらなく思え、ウソクサく思えるのは

優等生の文学であるからなのだな、と確信した。

人生は結局、五分五分だと言いつつも、9勝6敗を目指せ、

という。でも、誰もが勝ち越しを狙っている。だから、誰か

は負け越したりするもんだろう。理屈から言えばね。ぼくは

劣等生だったので、高校も進学校だったが、やっと卒業した

くらいで、卒業できたのは一点だったが、中身は敗北。出てからも、

負け続けだった。

文学賞に出すも、ずっとだめだし、そこの負けを生活の上で多少

点数を取って、健康で暮らせているくらいだ。人はフツーに生き

ているだけで、運を使っているらしいので、ぼくも生活の上での

運を使い過ぎているのかもしれない。これでは、いつになったら、

デビューできんのか、分かりやしない、と思うのだ。でも、続け

られる状況にあるならば、文学を続けられたらな、と思っている

次第である。

         (読了日 2023年5・8(月)15:27)
                       (鶴岡 卓哉)
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大喰いでなければ      色川武大

2022-10-26 10:49:33 | 色川武大

「もの食う話」所収。   昭和59年

 

このタイトルには二通りの意味があると思うのだが、大喰い

 

でなきゃもっと生きられんのに、というのが大きな意味だろう。

 

それにしても、この本、先を楽しみに見ていないが、いまの

 

ところ読んだことのある短編ばかり。あまり発見がない。

 

もう少し目新しいものが読みたい気分だ。

 

この短編が収められている「喰いたい放題」も読了済みであった。

 

うーん、おいらに読ます短編はねえ?

 

        (読了日 2022年10・13 10:50)

                      (鶴岡 卓哉)

    

 

 

 

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連笑       色川武大

2016-04-21 21:44:26 | 色川武大
作家になるわけでもなく、家にいるわけで



もなく、ぶらぶらしている。弟と子供の頃





無頼に生きるキッカケとなった浅草での遊



蕩。子供にして、もうできあがっていた。



色川さんの三十代頃の話しだと思うが、暗鬱



でいて、それでいて、完全にそれに染まるこ



となく、なんかカラッとしたところを感じさ


せる。乾いた感覚というか。日本人特有のド



ロッとしたところを残しつつである。そうい



うバランスが色川文学を特徴づけ、魅力なん



だな、と思った。
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