古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

泣きたくなるような青空    吉田修一

2023-07-12 11:52:04 | 吉田修一
集英社文庫    2021年

吉田氏という人は生真面目な人なんだろうなあ、と推察する。

文章からもそれはにじみ出てきているし、生来の真面目さという

ものは人は好むものだ。女の子と南の島に行ったり、すごいな、

ぼくは南の島はおろか、女の子とふたりでどこかに行ったことな

ぞないぞ。うーん、吉田氏、これを読む限り、いろんなところで、

いろんなことをしている人なんだな。水がお好きらしくて、飲む

ことはもちろん、雨までも好きという。長崎出身ということで、

お盆の例の花火のこととかも描いておられる。油絵を自分で描いて

飾って、友人に、有名な人の絵なんだ、いくらだと思う? と

聞き、「15万?」という答えを聞いて喜んだり、お茶目な人だ。

しかし、こう言っちゃなんだが、「横道世之介」という映画はぼく

はあまり好きじゃない。観た後、舌打ちして、観なきゃよかった、

と後悔したくらいだ。たぶん、これは大いにぼく自身に問題が

あるのだろうね、、、とほほ。

       (読了日 2023年6・11(日)22:04)
                       (鶴岡 卓哉)
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春、バーニーズで    吉田修一

2019-01-29 10:56:18 | 吉田修一
文春文庫     2004年11月


「都会的な」、「静謐」の漂う写真がのっている。


デビュー作「最後の息子」の続編ということだが、読んだはずの


それを失念していて、読んでいて、あっ、そうだったけなあ、オ


カマと暮らしていたんだっけなあ、となんとなく思い出した。


この小説の筒井のように、日常から逃げ出したくなることは、ボクは


間々ある。


このままカフェは開けずに遊んでしまおうと思ったり、歯磨きをせずに


済むんなら、やめてしまおう、とかさ。


8Hあけてしまって、日光の岩のくぼみに腕時計を嵌めて、それから


十五年後に、あるか見に行く。


大人になると、責任っていうのが重くのしかかってきて、それから、



逃亡したくなるんだよねえ。


けど、ボクは突然、北海道に行っちゃう、とかはしないタイプだけどねえ


………合掌。


                          (鶴岡卓哉)
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