「もの食う話」所収
今一度、よく読んでみると、この「前菜」とされる松茸めし
はなかなかいけるぞ。
ただ、「前菜」に松茸めしとはちょっとヘビーなのでは。
作品としては小品、うす味の品のいい突き出しだろう。
姫路市外の農村で松茸をたくさんとった少年時代、父の
米相場で儲けたので、その金で山の入札をして、大威張り
で帰ってきたが、そんなことで威張る人はさすがにいない。
なん十人も入札しているのだ。松茸で遊んでいる父と出くわし
「阿保、帰れ!」といわれて、退散。父も大阪へ逃げるよう
にして帰っていった。少年の日々を綴っているという感じか。
東京のたこ焼きは「まったくなっちゃいない」と糾弾し、故郷
の明石焼きの味こそホンモノの味だ、といったらしい。
ぼくも広島の三越で明石焼き食べたら、美味しかったなあ。
(読了日 2022年10・16 20:15)