古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ハーケンと夏みかん   椎名誠

2019-12-31 11:31:00 | 本の紹介
集英社文庫    1993年



ことし最後に紹介するのは、やはりボクが今、ハマって


読んでいるシーナさんでしょう。



この作品集は山岳小説といっていいのだと思うが、その


昔、ボクが小学5,6年のころ、熱中して読んでいた新田


次郎氏も山岳小説なのだが、男というものはなんだか山岳


小説というものにひかれるものらしい。


山を登るっていうそれだけのことが文学となると、いい、


らしいのだ。


実際に登のはメンドーなので、せめて文字で体感しよう、


というせこい文学体験派のボクとしては、この作品集は


ほっておけないだろう。


これは1988年に刊行された本だが、1980年前後に


書かれたという、気分はだぼだぞソースは、ねえ、ちょっと


これはねえ、という感じだった。さすがのシーナさんも


若いときは、ちょっとこれは、という感じだったのだな、と


ちょっとげんきになったのだった。


最後に、シーナさんとは全く関係ありませんが、ことし古民家


ギャラリーうした・Pカフェに来られた方々に感謝します、あり


がとうございました。


よいおとしをお過ごし下さい、ではでは………………合掌。



                      (鶴岡卓哉)




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フィルム旅芸人の記録    椎名誠

2019-12-26 06:30:00 | 本の紹介
集英社文庫    1993年


石垣島の白保でシーナ氏の撮った第二作目の映画


「そら、うみ、さんごのいいつたえ」の全国行脚


の記録。


いやーすごいエネルギッシュで改めてシーナさん


ってひとはすごいなあ、と思った。といっても、


ボクはシーナさんの映画を一度も観たことがない


のであるが、写真展なら一度、広島のギャラリーで



みたことがある。いい写真ばかりだったし、本に


も写真が載っているものもあるので、うまい、という


ことは知っている。きっと良い映画なんだろうなあ、と


しみじみ想像してみる。



沢野ひとしさんとかファミリーの名前もみれるし、


いつも仲良しだよなあ、この人たち、ドレイになってみたい



もんだ、と思うが、ボクじゃ、ドレイ以下の働きしかでき


ないから、すぐに見捨てられちゃうんだろうなあ、と妄想して




、ショボン………………合掌。


                  (鶴岡卓哉)
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かつをぶしの時代なのだ     椎名誠

2019-12-22 18:20:32 | 本の紹介
集英社文庫    1981年



「さらば国分寺書店のオババ」よりさらに以前に書かれた


エッセイ集。もはやクラシックの古典だ。


ボクも子供のころ、いちばん好きだったのはかつをぶしを


醤油でまぶしたごはんだったな、と思い出した。それにかつ


をぶしを小一くらいまで削り器で削らされていた。やはり、


それはうまかったはずでいいものを食っていたのだな、と


思う。


本書でへっちゃりべちゃべちゃ声で愛を囁く、というのが


あったが、先日スマホでグーゼン自分の声が録音されていて、


だれの声や、と思ったら自分の声だった。その声はまさに


べっちゃりべちゃべしゃ声というべきもので、こんな声で



愛は囁かれへんなあ、という声に自分でうんざりしてしまった。



セクスィーな声って良いなあ、とシーナさんの決然とした声に


センボーを抱くのでした………………合掌。



                  (鶴岡  卓哉)
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続・岳物語    椎名誠

2019-12-15 11:20:35 | 本の紹介
集英社文庫   1986年


岳物語は文句なしの傑作だったが、さて、続はどうだろうか


と読んでみたが、チャンピオンベルトのくだりのプロットに


ちょっと問題があるのではないか、と思った。


プロットに問題点があるが、野田知佑さんとか、トッタン、


みったんなどのイキイキとした登場人物にシーナさんの父親


としての悲哀などが加わって、おもしろいことこの上ない。


読み方に同時代性が欠けているとは思うが、僕は何にも知る


のが遅いらしい。パブリックエネミーとRUN.D.M.C.は中学から


聴いていたが、2PACを知ったのは30代後半だった。


86年てことは33年前、こういういい作品はいつまでも読み


継がれていくのだなあ、と感じ入った次第です、、、合掌。


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極北の狩人 アラスカ、カナダ、ロシアの北極圏をいく  椎名誠

2019-12-12 14:21:53 | 本の紹介
講談社文庫    2006年



ユニコーンという動物の伝説の元になったと


いわれている「イッカク」をおって、氷に閉



ざされた世界をいくシーナ探検隊。しかし、



イッカクは幸運に恵まれ、捕獲に成功する。


ネジみたいな角のある、体はジュゴンみたいな


水中動物だ。あいにく、というか、とうぜん、


ボクは実際に見たことはない。TVでも見たこ


とはない。TVフリークのボクが見たことないの


だから、かなり映像があったらレアなのではな


いのだろうか。


エスキモーは生肉を食べるらしい。クジラとか


アザラシだ。犬ぞりをあやつるが、今はスノーモ


ービルに乗るひとが多く、肥満しているひとも多い


らしい。ボクは犬が怖いから、犬ぞりなんて、一生



ムリだろうなあ………………合掌。
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哀原     古井由吉

2019-12-06 13:16:13 | 小説の紹介
古井由吉氏という作家は又吉直樹氏にTVを通して



教えてもらって、読んでみようかなと思った。



言葉の選び方が秀逸であって、決して、これを、くだ



らない、といってしまえるものではないだろう。



ビルの谷間に落ちてしまう女のひとの話しがあったが、



その昔、イッセー尾形氏のコントでビルの谷間に入って



いってしまうひというのがあって、それを思い出した。



そういった意味でユーモアもあるんだろうね。



ラストの数編は戦争物であったが、このひとのリアルさは



文学というものの重さを充分伝えてくれる。文学によって



しか伝えられない戦争の恐怖感がひしひしと伝わってきた。



いやぁ、戦争はおそろしいよォ…………合掌。


                 (鶴岡 卓哉)
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わからなくなってきました   宮沢章夫

2019-12-05 07:10:57 | 本の紹介
新潮文庫   1997年


「思考」することにプロがいるとすれば、宮沢さんなどは


「プロ」の思考家だろう。


その思考のプロがわからなくなってきました、というのだ


からただごとではないだろう。



ただ、わからなくなってきたのは、宮沢さん本人でないらし


いので、そうか、と胸をなで下ろした。



おもしろいことを考える人の脳っていうのは、こういうことか、



とハッとする。思考に際限がない、いや、柵といおうか、ルール


といおうか。


だめになってしまった喫茶店のはなしは身につまされる、いつ


のまにか焼きうどんが始まってしまったというのだが、そうならな


いようにしかと気をつけましょう………………合掌。


                   (鶴岡 卓哉)
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