角川文庫 昭和59年
シーナさんが80年代の渋谷のスペイン坂にウスラ沢野
さんと共に降臨し、なにやらいたすという「渋谷スペイン
通りはハズカシ通り」。
他にも倉敷、八丈島、神戸異人館、飛騨高山などに出没し
実況中継風な切り口で旅して回る。
ひたすら旅というものがお好きなのだなあ、と思う
のだが、80年代というのはきっと日本も日本もそれなり
に旅して楽しかったのだろうなあ、と思うのだ。
そりゃ、シーナさんは文句を放言し尽くしているけれど、
それでも、そういいつつそれを楽しんでもいたと思うのだ。
昭和59年、僕は13歳だった。多感でまさに厨二病まっしぐら
のころの僕にこの本を読ませてやりたかった......合掌。
(鶴岡 卓哉)