古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

さくら日和  さくらももこ

2020-12-31 07:44:29 | さくらももこ

書評の前に、ご挨拶を。一年、ありがとうございました。

 

古民家ギャラリーうしたに来れたひとも、来れなかった

 

ひとも、来年は、どうぞ遊びに来てくださいね。

 

いいこともあったし、悪いこともあったけど、総じて、

 

おみくじで引いた通り吉な一年だったと思う。

 

心を平安にして、過ごせれば、いいかな。そうできない

 

部分もあるけど、努力はするべきだろうね。心地よく暮らせる

 

努力は心掛けるべき、懸案事項。来年の抱負。

 

それでは、書評。

 

集英社     1999年

 

さくら氏が死にはって二年になる。健康ヲタクだったのに、

 

53歳で死ぬというずっこけぶりを演じた、最後までまる

 

ちゃんだ。

 

この軽~い本を読んだとおじさんが書評めいた感想を書く

 

のもどうかと思うが、例の三部作ベストセラーよりは、お

 

もしろさは若干緩和されているようだが、ササ―ッと読める。

 

ヒロシの存在がなんともいいのだな、ヒロシ、そこにいるだ

 

けで笑ってしまうような人らしいのだが。

 

これこそ決定版と銘打っているが、離婚後の生活を赤裸々にお

 

もしろおかしく語っておられる。

 

字が大きいのが、この本のいいところである。と、中身じゃな

 

いところを褒めるのが、さくら氏ッぽいでしょ?……合掌。

 

 

 

 

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にんげん蚤の市    高峰秀子

2020-12-30 18:23:41 | 本の紹介

文春文庫    2000年

 

読みやすいし、文字が大きいのがいい。最近は

 

読みたいな、と思っても、字が小さくて、あき

 

らめるってパターンが多くなってきた。

 

司馬遼太郎氏を敬愛されていて、思慕の念にあふれ

 

ていて、美しい。誰にしろ、人を敬愛して敬っている

 

のはいいものだ。ちょっとおちょくっている感じも

 

チャーミングだ。

 

高峰秀子女史の若いころのお写真をみると、美しいので

 

なるほど、と思う。この本を書かれたのは70のころ

 

のことだ。

 

ワイハーにアパートをもたれていたようだが、そこらへん

 

は、というか、全編セレブ感にあふれている。

 

子供の時、お菓子だらけで、甘いものが嫌いになったはな

 

しとか。あんまりフツーじゃない。やっぱりこの人ちょっと

 

ヘンなのかな。だから、このエッセイはとてもおもしろい

 

……合掌。

 

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ぼくの小鳥ちゃん   江國香織

2020-12-29 09:56:04 | 小説の紹介

新潮文庫    平成9年

 

「ぼく」と「小鳥ちゃん」と「ガールフレンド」らの

 

日常を描いた絵本文学。

 

「小鳥ちゃん」という存在を考えたとき、それは何にも

 

代え難い、代替不能なものとしてボクの目に映った。

 

そして、「小鳥ちゃん」や「ぼく」に芽生える感情も

 

何ものにも代えがたいものだ。

 

童話として読んでみても、ちょっと、と思うし、文学

 

作品として読んでみても、ちょっと、と思う。

 

独自の世界観をもっていて、この世界観とそして、この

 

作品自体が代替不能の重要性を帯びてくる。

 

日常に潜む奇異な感じ、小鳥がしゃべるというアニメ的

 

な価値観。

 

ちょっと読んでみっか、で入っていく世界観に、どっぷり

 

浸かった数時間だった……合掌。

 

                    (鶴岡 卓哉)

 

 

 

 

 

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かえっていく場所   椎名誠

2020-12-28 08:12:45 | 本の紹介

集英社文庫   2005年

 

家族がそれぞれ独り立ちして、岳くんと葉さんは

 

アメリカへ。妻はチベットなどへいき、椎名氏は

 

モンゴルやパタゴニアへいく。家のあり方を問う

 

一冊。

 

時は家族をつくり、成長させ、そして、それぞれの

 

道をいくようになる。家族が家族でいるのは一瞬の

 

ことだ。

 

僕は今、ハハと暮らしているが、姉は埼玉に、チチは

 

東京にいる。ボクの場合、四人で暮らしたのは幼いこ

 

ろの数年だけではないか。中学になったら、年の離れた

 

姉は家を出て言って、高校の時に結婚をした。まあ、埼玉

 

に24まで住んでいたが、あまりいい思い出はない。辛いこと

 

しかなかったように思う。

 

広島に来て20年、やはり、長かったなあ、という印象だが

 

人生で今が一番生きていて、ラクかもしれない。長く闘病し

 

ていたので、結婚もできなかったが、大した後悔もない。

 

久しぶりの椎名作品、いろいろなことを考えながら読んでいった

 

のだった……合掌。

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どこ     鶴岡  卓哉

2020-12-27 05:49:01 | ポエム

僕は味覚のない人間になってしまった

 

僕は感情のない人間になってしまった

 

それでも、僕は生きていたい

 

けれども、僕の中の何かは死んでしまっている

 

死ぬことが僕の本能なのか

 

生きることのみが僕の真実なのか?

 

形のない混乱と静寂、それから、微かに香る腐臭

 

僕はどこにいるのか

 

僕は死を見つめることで生きようと

 

いや、僕は、背けている

 

そのことで僕は、跪いている

 

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ヴァルカン鉄槌    フィリップ・K・ディック

2020-12-26 07:23:27 | 小説の紹介

佐藤 龍雄・訳  創元SF文庫 1960年

 

ヴァルカン三号というスーパーコンピュータが世界を

 

支配する世界。ディルという男が唯一、その存在する場

 

所をしっている。そして、ヴァルカン二号が破壊され、

 

それは三号の仕業か? 三号は殺人兵器も生み出し、暴力

 

によっての支配をしようとしている? いろいろな思惑が

 

絡み合い、三号は核によって、人の手によって破壊され、

 

〈癒しの道〉教団の勝利となるのか?

 

ボクの中で、いま、SFのマイブームが巻き起こっていて、

 

SFが読みたいのだが、古本でSFってなかなかでてこない。

 

これは、昔、買っておいた本なのだけれど、ひっぱりだして

 

きて、読んでみた。思いのほか、おもしろくて、夢中で読ん

 

だ。SFヲタク化するのも時間の問題か? おれっち。ぐわし

 

……合掌。

 

 

 

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ガンジス河でバタフライ   たかのてるこ

2020-12-25 12:03:48 | 本の紹介

幻冬舎文庫    2000年

 

2007年に長澤まさみ氏でドラマ化され、それは

 

ボクはリアルタイムで見たのだが、まさみ氏、めっ

 

ちゃかわいいやん、って感じしか記憶にないけど、

 

おもしろかったことはたしか。

 

インド紀行もののマニアってほどでもないが、まあ、

 

好きで読んでいる方だとは思うが、ボクが読んでいる

 

のは秀逸なものばかりなのだが、この本も、まさに、

 

って感じのいいインド本だった。

 

臆病で小心者のたかの氏が、シンガポール、マレーシア

 

に初陣するところからはじまるわけだが、なんか、笑っち

 

ゃう人っているけど、たかの氏は人間的魅力にあふれて

 

いるおもしろいスペシャルな女らしいんだね。ボクとタメ

 

だが、ボクが二〇才のときなんて思いだしたくもない、ひ

 

どい暮らしだったよ。こんなすげえ女がいたんだな、と思

 

った。ちなみに、ボクも心は旅人です……合掌。

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アオムシと月  ・希木谷  瞬吉

2020-12-24 12:07:57 | 日記、ポエム

混沌の中の怒号が彼女に押し寄せてくる

 

緑色のアオムシがプールにウジャウジャといる

 

何を言っているのか分からない女の子がアオムシプールに飛び込む

 

怒号は更に高まっていく

 

僕はベランに立ちボンヤリと月を見上げる

 

頭ン中では君はそっと打ち明けるんだけど

 

何かその言葉はぴんと来ない

 

多分、君は僕のことを分かっていない

 

それどころか君は君自身のことさえ分かってないんじゃないかな

 

ああ、その少女は青い服を着てたんだ、とか?

 

君は月を見て、お団子を食べたい、とか言うし

 

さっきからお湯が沸いてるのに気付いてないみたいじゃないか

 

僕はガスコンロの火を止めた

 

隣に立つ少女は青い服を着て何だか憂鬱そうに月を見てる


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世界の隅っこ    鶴岡 卓哉 

2020-12-22 11:30:58 | ポエム

世界の隅っこで僕はひとり蹲っている

 

哀しみの涙も枯れ果ててしまった

 

僕は世界を嫌悪しているんだ

 

友達もいないし、お金もないんだ

 

将来もないし、希望もないんだ

 

僕にはなにもない、空っぽなんだ

 

世界の隅っこで僕はひとり疲れ切っている

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ストーン      鶴岡 卓哉

2020-12-20 00:55:05 | ポエム

僕は不幸のストーンを手にする

 

それは実に不幸の種であり

 

僕に様々な不幸を運んでくる

 

それでも、ストーンを捨てようとしなかった

 

僕は不幸を甘んじて受け入れた

 

いつか幸福になれると信じて

 

 

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