中公文庫 「奇妙な味の小説」所収。
この短編を一読して、例のリアリティー・
ショーで可哀そうな自死を遂げた女の子を
思い出してしまった。
ミッキーと言う役柄で逃亡することを決定づけられた
男が陥っていく。リアルか、アンリアルかという
問で、詰め寄られていく。そこから、どうやっても
脱出出来ないんだ、これが。
それがこの世の定めだろう。フェイクは何処まで行
ってもフェイクじゃない、何処かで変質してリアルに
なる、ということだろうか。
(読了日 2024年9・12(木)22:50)
(鶴岡 卓哉)