古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

ありがとうございません     壇ふみ

2020-06-28 11:40:51 | 本の紹介
幻冬舎文庫    1998年

多作かとおもっていたら、意外と寡作なひとであった。

「ありがとうございません」とは「ありがとうございます」

と「すいません」がいっしょになったものだというが、

ふざけている、いい意味でだが。

共感はエッセイでは大事だと思うのだが、共感できた

たのは、歯医者が好きってとこだ。ボクも三か月に一回

の歯のそうじをなによりの楽しみに生きている。早く

歯医者に行きたいと、思っている。

このひとは、なんというか、自分を蔑んでいるが、こうい

うひとに限って優秀だったりする。学歴からして立派だしね。

鵜呑みにはできない、なんか女優めいたところも魅力なの

であろう……合掌。




































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新版  東京漂流    藤原新也

2020-06-27 18:12:01 | 藤原新也
新潮文庫

野犬有明フェリータを毒団子で殺す。なんのために殺すのだ

ろうか、わからないが、社会全体がフェリータを殺してしまった

のだ、という見解に沿うと、我々は知らず知らずのうちに誰か

を殺してしまっているのかもしれない。死に追いやってしまっ

ているのは、他でもないボク自身なのかもしれない、という

呪縛にとらわれる。

でも、肉団子に毒が入っているということも、人間の100万

倍の嗅覚があるのに気づかない、アホな野犬も野犬なのだ。

死んでゆく者に憐憫をもった瞬間に、こっち側があっち側にな

っているかもしれない、という恐怖。

突如、なんらかの力で打ち切りになったという伝説の企画、

東京漂流。

ザ・デイ・アフターは、ボクとしては、なかった方がよかったので

はないか、と思うのだが、東京漂流という作品のもつ力の効果

が薄れてしまった気がするのがなんとなく残念だった……合掌。






















































 
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ちりさったさくら「春」展延長のお知らせ!

2020-06-27 10:49:49 | カフェ、ギャラリー
ご好評いただいているちりさったさくら展ですが、

28日まででしたが、7月5日(日)まで延長が決定

いたしました。多くの方に見ていただきたいので、

ぜひ、足をお運びください。

優しい牛田の風にさくらの花びらも舞うことでしょう。

おいしい手作り梅ジュース、赤じそのジュースなども

ご用意していますので、たのしい時間をお過ごしくだ

さい。
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あなたに褒められたくて     高倉健

2020-06-26 12:48:43 | 大道珠貴
集英社文庫      1991年

高倉健である。不器用なんである、と不器用なひとという

イメージのある健氏だが、このひとは意外と器用なので

はないか。

ひとに伝えるということもきちんとできるし、文章だって、

これ意外と個性的にして、的を射ていることを言うって

感じである。

あなたっていうのは、母(おふくろ)のことらしいです。

僕にこの本を読んでいえることは、稔侍は友達思いの

いいやつだってことです。稔侍、いいやつ。

この前、緋牡丹博徒を見たけど、やはり、健さんはカッコ

よかった。200本以上出演作がある、とおっしゃるが、その

どれもがキラ星のごとき作品であることはいうまでもない

だろう。あぁ、僕も不器用を気取って、街を肩で風切って

歩い……たら……うんこ踏んだ……合掌。

                  (鶴岡 卓哉)


















































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鈍行列車      鶴岡卓哉

2020-06-25 05:29:14 | ポエム
見知らぬ場所に旅に出る

鈍行列車に飛び乗り、ポケットには切符しかなくて

どこかへ行けるのは素晴らしいことだ、と

車窓からはきらきら光る海の景色が

迷うことなく突き進むだけ

目的なんてなくても、ただ動いているということが

僕には何とも言えない快感だ

列車はしきりに停まるけど

時には休憩が必要だってこと

時にはホームでタバコをふかし

しばらくその駅の感じを楽しむんだ

また列車に乗り込み田舎じみた乗客を眺めながら

また違う場所に向かうんだ





















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詩・地獄行き     鶴岡卓哉

2020-06-24 09:30:02 | ポエム
何のことを言っているのやら

其奴のいうことには、この電車は地獄に行くんだとか

気でも違っているのかと思う

ワケの分からぬことを言い続ける

俺はシカトし、混みあった電車の中で新聞を読み始めたが

その新聞にも同じようなことが書いてある

これは皆目分からぬと思っていると

事故があったとアナウンスがあった

電車は三十分停車し、また走り始めた











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詩・屍       鶴岡卓哉

2020-06-23 10:04:45 | ポエム
青い屍を踏みつけた

遠い過去から来た自分のことを

今俺は赤い屍となり時間のはざまにいる

永劫となり果てて見たその世界は美しいとは言えなかった

ただ荒涼とした荒野のような空っ風が吹き遊ぶ寂しいところだ

俺はずっと死にながら

その荒んだ地を独り、歩き続けている



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コーヒーと恋愛    獅子文六

2020-06-19 22:56:43 | 小説の紹介
ちくま文庫   1962年~63年

前に獅子文六氏の本を読んだのはエッセイだったので、

この作品も古本屋で見かけて、手に取ったとき、エッセイか

と思っていた。背表紙を見ると、きちんと軽妙な恋愛ユーモア

小説とあった。

可否会といわれるコーヒー道を極めるべく、モエ

ちゃんを口説こうとする50過ぎの男、まあ、モエ

ちゃんといったが40過ぎで、8歳下の男と同棲し

ていたが、出ていかれたりして、はなしはすすむ。

恋愛小説は苦手だったのだが、いくつかの優れた

恋愛小説とであい、克服した。

それにこの本は、そんなに若いひとたちを描いている

わけじゃあないのも、よかった。なにせ古希の人の書いた

恋愛なので、激しく燃え立つような感じじゃあない、どこか

冷めた、いや、クールな都会的な大人の話だ。

僕もコーヒーを淹れて、日々精進しているが、可否会に

はいれてもらえそうにない、と痛切に思ったのでした

……合掌。


              (鶴岡  卓哉)

































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壇蜜日記     壇蜜

2020-06-17 23:16:53 | 本の紹介
文春文庫  2014年

このひとがでてきたときは、大して気にもしていなかった。

なんかエロいひとがでてきたな、と思っていただけだ。

実際、このひとはエロいらしい。人前で平気でセックスで

きるらしい、ところが、びっくり。

BSで、自分の本名を書いたガチャポンのヤツをプールの

底からとってきて、名前が出てくるまで続ける、っていう企画

をやっていて、うーん、このひとはなんかすごいひとだ、と思

ってしまった。

何度かこの日記は手に取ってみたものの、買うに至らず、今回

買ってみてじっくりと読んでみて、日記の書き方にもこういうのが

あるんやな、と発見があって、大いに面白かった。

不思議な魅力にあふれた2013‐2014の日記。過去好きの

僕にとってはかっこうの日記でしたね。過去をかみしめ、今を

生きるってことをしていきたいですね……合掌。























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どにち放浪記       群ようこ

2020-06-16 07:10:04 | 群ようこ
幻冬舎文庫       1999年

まわりにどっかいそうな姉さんのムダ口をきいている

ような感じ。マア、そのはなしはおもしろいのだから、

文句はないのだ。

テレビに関係したイチャモンになるととたんに元気に

なってくる。いや、この人は文句を言っているときが一

番かがやいているよ、きっとね。

ボクは今、ヒマなときは本を読んでいるか、テレビを

見たり、散歩したり、ろくに働かないダメっぷりだが

この生活は尊いのだ、と思えた。

そうだよ、群さんもシーナさんファミリーの一員だった

のだ、と改めて思ったのだった。そういえば、文句を言

って怒っているところなんかそっくりである(あんた、見

たんかい?)。……合掌。

                 (鶴岡 卓哉)





















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