古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

第2図書係補佐    又吉直樹 

2019-02-27 12:55:24 | 又吉直樹
幻冬舎よしもと文庫    平成23年


又吉さんが第2図書係補佐なら、おれっちは第4図書係補佐助手


といったところだ。


文学に対する愛にあふれている。おれっちも「火花」は読んだが、


すんごく面白かったぞ。


高校時代、サッカー部でレギュラーだったことを明かすが、基本的に


頭がすんごくいい人なんだと思う。でないと、100人も部員がいる


部でレギュラーなんてなれっこないよ。


この作品は、「火花」前夜だと思うが、大ベストセラーを書ける要素は


多分に持っていると感じさせる。


おれっちが読んだことのある作品が12作品あった。


若者向けに発信しているらしくて、エッセイ仕立てで、又吉ファンなら


ずとも必携の一冊だった。
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47都道府県女ひとりで行ってみよう   益田ミリ

2019-02-20 13:01:40 | 益田 ミリ
幻冬舎文庫   2008年6月


益田さんの著作を初めて拝読したが、ミリとはよくできた


ペンネームである。センチでもメートルでもない、ミリっ


て言うのが、この人には似合っている。


ネットで検索しても、どこにもお顔は拝見できなかった。


うーん、マンガと文体で推測するに、いかにもフツ女とい


う感じの女子らしい女子じゃないか、と。


広島ももちろん来られていて、呉に行ったとか。呉はボクも


行ったことがあって、レンガ街のブラジルって喫茶店でコーヒ


ーを飲みました。迷路みたいな喫茶店でした。


これをマネして、ボクもおカネができるようになったら、47


都道府県男ひとりで行ってみよう……需要ないだろうね……でも、


ボクがやったら、この本の十倍の分量になると思う……アタタ……


合掌。
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美食文学大全   篠田一士・編

2019-02-19 22:49:04 | 篠田一士・編
新潮社   昭和54年


6章に分けて、古今東西の文豪たちの美食についての文章を網羅する。


ボクが敬愛して止まない、檀一雄氏、開高健氏の文章も載っている。


確かにぬかりはないようである。


その他にも、池波正太郎氏、森茉莉氏、獅子文六氏、辻静雄氏と美食


と一言で括ってはいるが、幅広い、それに、海外文学までカヴァーし


ている。


G・ガルシア・マルケスの百年の孤独っていうのまでひろっている。


その中で、伝説のマドレーヌの香りで過去が紡ぎ出されるという、マル


セル・プルーストの「失われた時を求めて」から「マドレーヌの思い出」


なんてのまである。これはここだけ読んでも面白い。いや、このサイズ


だからこそ、面白く感じられるんだと思う。


サーヴィス精神満点の一冊でした。

                    (鶴岡卓哉)
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自動起床装置   辺見庸

2019-02-18 22:20:04 | 辺見庸
新風舎文庫    1990年~91年


第百五回の芥川賞を受賞している。その前年に書かれた


ベトナムでのルポ、迷い旅、が所収されている。


ベトナムで大いに眠ったことで、自動起床装置、を書く


契機を得た、と語る。


その当時、外信部の記者だった。このあと、ベストセラー


の「もの食う人びと」をものすることになる。


人の欲というものに、迫ってくるもので、この人にとって


は非常な興味の対象となるのだろう。食と眠り。


現代社会でも、時として、重要事項の眠り。今では、眠り


の浅いのを検知して起こしてくれる優れものもあるらしい


が、深い眠りはなかなか得にくいものだ。


ボクも眠りを求めて、夜の谷間を彷徨う旅人かもしれない。


                   (鶴岡 卓哉)
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御馳走帖     内田百閒

2019-02-11 04:54:11 | 内田百閒
中公文庫


百閒先生は4,5歳ころからタバコを吸っていたという。


それから七十数年吸い続けたというから驚きである。


83歳まで好きに食って、飲んで、吸って、良く生きられたもんだ、


余程、体が強靱だったのだろう。


鹿鍋会をやるには、馬も必要だと、これまたバカな思いつきで、食い


倒しておる。


人を招くのが余程好きとみえて、いつも一畳半ほどの狭いところに


人をギュウギュウ詰めにして、会をいたしたり、ホテルを借りて、


盛大に宴会を開いたりいたしていたらしい。


これじゃあ、借金も増えるだろうよ、という暮らしぶりである。


戦時中に食べたかったものを列挙した御馳走メニュー、川上弘美さ


んもおいしそうだと、褒めていたと思うが、ボクもこの活字メシ、


タイヘンおいしゅういただきました……合掌。


                      (鶴岡卓哉)
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寄り道ビアホール    篠田節子

2019-02-10 15:25:50 | 篠田節子
講談社文庫    1999年


朝日新聞の家庭欄にのっていたというエッセイ。


うーん、この人はなかなか売れるのは難しいんじゃないんだろうか


と、ボクなんかがいっちゃって良いんだろうか。というか、文庫本


になっているところを見ると、そこそこ売れたらしい、大きなお世


話だ。


それでも、読んでいると、ブータンの料理の話が出てくる。物足り


なくなって、ブータンのとうがらしの激辛料理を食わせろ、と食べ


させてもらったら、おいしかたっていう。


ただ、それだけのことだが、そのときの空気が伝わってくるような、


とても良いエッセイで、それがボクのベストだった。


グアムの話しも面白かった。ボクはグアムに行ったことはないが、楽


しめた。


読んでいて、なぜか欠伸ばかり出てしまったが、重松清氏との対談も


のっている。
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崖っぷちだよ、人生は ショッピングの女王3 中村うさぎ

2019-02-08 11:41:06 | 中村うさぎ
文春文庫        2003年


16年前で、これか? って死んではいないみたいだけどな、女王様。


この当時、これをビョーキと片付けてしまうには、あまりにもつまらない。


東電OL事件のOLに自分を照らし合わせて、自己を分析しようとしてい


たが、いや、中村うさぎ、あんたは資本主義が生んだ御仏だったんじ


ゃないか………もう、仏だよ、仏。


もう、読んでいて、こっちが辛くなってくるんだもの。この消費社会


の世紀末(世紀始か?)に舞い降りた天女のようだった、あ、言い過


ぎた。


批判するのは簡単だよ。でもさ、こういう人が文学として残しているん


だから、えらいもんだよ……頭が下がるよ………。


                        (鶴岡卓哉)
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延長戦に入りました     奥田英朗   

2019-02-05 12:39:00 | 奥田英朗
幻冬舎文庫   92年~97年


本格的に作家活動に入る前に書かれたスポーツに関するエッセイ


34連発。


別に笑えはしなかったかな。ただ、プロレスの60年代の馬場は


強かったって言うエッセイはよかったねえ。


たしかに馬場社長はスローなイメージがあったけど、ハンセンが


乱入して脳天唐竹割りを素早く見舞って、頭から流血させたときは


ホント、この人怒らせたら、怖いよ、と思ったもんだよ。


まあ、プロレスも馬場社長の死で死んでしまって、三沢さんの死で


完全に石化してしまったね。ファンだったけど、90年代には夢中で


見てたけど、もう飽きが来たのか、面白く感じないので、全然、見な


いもんねえ。


けど、ボブスレーの二番目の選手って何してんだろうね?
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豚の報い    又吉栄喜

2019-02-02 02:14:12 | 又吉栄喜
文藝春秋     1996年


報いを新明解国語辞典で調べると、①何かをした結果として


自分にはね返ってくる事柄②他人のためにした仕事に対する


お礼としての金品、とある。


で、この小説であるが、豚がスナックに闖入してきたことで


正吉が御願(うがん)に御嶽に行くことにし、その島で豚の


肝にアタリ、下痢に次ぐ下痢、汚いことこの上ない。


一昔、二昔か、の知識層の人の中には、汚いことを芸術だと


思っている困った人たちがいて、それが池澤氏とかなんだろうが、


見事に下痢小説で芥川賞というアタリを獲ったというところだろう。


なにせ、同時所収の背中の夾竹桃はつまらないどころか、睡魔が


襲うものだからだ。


少なくともボクは読み通す元気はなかった。ということはやはり、


豚の報いは又吉氏のベストだったということだろう。


この次はなく消えてしまったようだ。………………合掌。


                     (鶴岡卓哉)
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