集める
僕は失ってしまった
大切な友人やら大切だったチケットの半券を
僕は取り返しのつかないところに来てしまった
そこは思っていたよりずっと淋しいところだった
空洞の記憶が空っぽの靴箱のように現実を突きつける
ろくな思い出がない僕は駆け出すように
それを打ち消しにかかる
僕は狂ったように海岸のような場所を歩き回り
過去の残骸を集めにかかるんだ
集める
僕は失ってしまった
大切な友人やら大切だったチケットの半券を
僕は取り返しのつかないところに来てしまった
そこは思っていたよりずっと淋しいところだった
空洞の記憶が空っぽの靴箱のように現実を突きつける
ろくな思い出がない僕は駆け出すように
それを打ち消しにかかる
僕は狂ったように海岸のような場所を歩き回り
過去の残骸を集めにかかるんだ
この頃の僕は鬱で、狂っていて、世界に対して展
望を開けないでいた。今も開けてはいないが、あの
頃よりはずっと良くなっている。現実の世界はあの頃
より、厳しいだろうが、僕にとっては、すごく
優しく迎えてくれているように思える。これから
どんなに厳しい現実が待ち受けていようと、戦って
いく気力もある気がする。
。。。。。。
世界 鶴岡 卓哉
もう誰も信用などできないのだ
僕は自分自身さえも信用することができない
他人など信ずる気など起こらない
僕を助けてくれる人などおらず
僕も誰も助けないだろう
この世界は冷たく凍っている
感情というものが失われ冷血動物のようだ
誰もが素知らぬ顔をし困っている人たちを素通りする
例え、乱暴されていようと殺されていようと
僕たちは素知らぬ顔をする
幻冬舎文庫 2012年
この本が8月になって初めて読了した本(8/14)。
ほかの本も読んでいるが、さくっと読めたこの本が
一抜け。
等身大の身近な言葉で旅を表現していて、ボクみたいな
フツーの人(いや、ボクにもフツーの人の感覚あります
って)にとってはこういう本の方がほっこりとして良い
のだね。背伸びしないで、地に足がついている感じ。まあ、
表現とか文章がね。
マンガのこの女の子の顔をみただけで、なんか癒されてしま
うね。癒し系っていうの? けど、本人はけっこうクサクサ
するらしくて、それで旅にでるみたいなんだけど、癒し系は
癒し系でタイヘンなんだろうね。
マンガじゃないミリ氏のを選んだのだけど、今度はマンガのも
読んででみようかな……合掌。
何もかも忘れてしまった
猫と遊んだ公園も長距離トラックの助手席も
僕には何もないのだ
もう死滅してしまったその記憶の彼方で
僕は何かを見る
それは虚無的な夢の破片で
僕は戯れながら涙を流し
ふと振り返ると見知らぬ母がいるのだ
望
打ち捨てられた芋を吊るした籠を見ている
忘れ去られたスケートリンクで少女が舞う
また今日も何も獲れずに終わったと嘆く
苦し紛れに少年は叫ぶ、永遠の夕焼けを見た、と
魂の欠片と僕は戯れる、楽しくはない
毟り取られた花はいつか枯れゆき、僕を刺す
冬景色に溶ける犬の遠吠えで僕はうつろに耳を澄ます
全開になったドアの向こう側で僕は飛び越える
永遠の向こう側へと
角川書店 2013~19年
これはSFというジャンルに属するのか? いや、
いつも村田女史は未来を志向している。
いつもこれからのセクシャリティについて考えている。
時に、それは感情問題について、だったりする。
「怒」について、言及した、変容。「性別」について
ストーリー化した無性教室。
36歳になった今も、魔法少女になることをやめず、ついに
現実が理想を超えていく感動すら覚える表題作の丸の内魔法少女
ミラクリーナ。
「怒」はコントになってしまっている。いや、それは悪いと
かいうんじゃないが、装置として、小説というものが劇場化して
いる。誰も奪えないだろう感情を失ったとき、人類はどこへ行く
のか? 「狂気」に満ちた世界で彼らは純然たる「正義」を見る
のだ……合掌。
幻冬舎文庫 1995年
この世界で一番怖いものをひとつ挙げよ、と問われたら
迷わず、退屈、と答えるだろう。
退屈ほど怖いものはなく、人をダメにするものはない。
ボクもエッセイをいろいろ読んできたが、ダメな人も
けっこういた。その命題たるものは、退屈である。
という一語に尽きる。文章にアレがないとダメなのだ、
と思う。アレ、とは、アレである。そう、ボクもとうとう
ボケてしまって、アレというようになってしまってねえ、じゃ
なく、アレだ。
アレっていうのはアレである。そのアレってやつがこの人には
あるのだと思う。檀一雄にもあったし、開高健にもあったアレ
である。
いや、それは褒めすぎかとも思うが、30歳にして、アレを持
っているとはすごいねえちゃんだったんだねえ。
ナチュラルボーン的なものかとも思うが、ボクも持って生まれて
きていればええなあ、と自分の才能に若干の不安を持つおれっち
だった……合掌。
幻冬舎文庫 2008年
ボクの読書遍歴も迷走中といったところか。
だけど、この笑撃のエッセイは、退屈をしらない。
みたこともきいたこともないような人や場所が28
もでてくるのだから。
ほっぺに串を刺して、背中に針を刺して、犬の散歩よ
ろしく歩いているおじさんや、ブノンペンでは違法の
ゲームソフトをやり放題のゲーセンとか、1ドルぽっきり
の病気感染アリの入れ墨屋さんとか、フツーの人だったら
怖くて行けないようなところにズンズンドコドコと潜入!
リポートしてくれる。
ボクは臆病だし、汚いところはNGなので、絶対にムリで
ぇぇぇぇす……合掌。
幻冬舎文庫 1993年
写真ものっているのだが、93年ってそんなに
昔だったかな、と思うが、25年も前だった。
なんかうちひしがれてしまうのは、暑さのせい
だけであろうか。
女って怖い、のひとつにナチュラルメイクがあ
るのは、今や、男の新常識であるが、あのころ
カミングアウトするのってすごいな、と思う。
あのナチュラルメイクで、ボクなんか、どんな
女みても、でも、メイクとっちゃえば昔の女子
プロでしょ? と女に逆片エビ固めでギブアッ
プを取られ、即タップしてしまう、か弱い男な
のだった。とにかくこの人は女優ですから、ど
こまでがフェイクで、どこまでがリアルかはわ
かりません。すべてがフェイクって可能性もな
くはないわけですから。
でも、なんかおもろいやつだな、と思った。オ
ブラートに包んで書いてはあるが、う×こが大き
すぎて詰まらせてしまった話、とか、スマップの
ファンを自分のことだと思ったり。
三十前はまだまだ乙女っていっていいんじゃない
か、と思うのは、ボクがおじさんになったからで
しょうねえ😅……合掌。
僕は切り離されてしまった自己というものを
探求しているんだ、と彼は言う
僕は、また一人遊びで見る落日
新しい文学的な作法を研究すること
銀色の毛虫を集めることが一日の過ごす日課
彼は失われた人でビートを聴いても何の反応もしない
聴力が損なわれてしまったみたいだ
もう時代は待ってはくれない、彼は喘ぎながら
川底を這うようにして、転がりながら
のたうち回るしかないのだ