古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

集める     鶴岡 卓哉

2020-08-31 20:44:58 | 詩・ポエム

集める    

僕は失ってしまった

大切な友人やら大切だったチケットの半券を

僕は取り返しのつかないところに来てしまった

そこは思っていたよりずっと淋しいところだった

空洞の記憶が空っぽの靴箱のように現実を突きつける

ろくな思い出がない僕は駆け出すように

それを打ち消しにかかる

僕は狂ったように海岸のような場所を歩き回り

過去の残骸を集めにかかるんだ

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世界     鶴岡 卓哉

2020-08-30 09:58:03 | ポエム

この頃の僕は鬱で、狂っていて、世界に対して展

 

望を開けないでいた。今も開けてはいないが、あの

 

頃よりはずっと良くなっている。現実の世界はあの頃

 

より、厳しいだろうが、僕にとっては、すごく

 

優しく迎えてくれているように思える。これから

 

どんなに厳しい現実が待ち受けていようと、戦って

 

いく気力もある気がする。

 

。。。。。。

 

世界    鶴岡 卓哉

 

もう誰も信用などできないのだ

 

僕は自分自身さえも信用することができない

 

他人など信ずる気など起こらない

 

僕を助けてくれる人などおらず

 

僕も誰も助けないだろう

 

この世界は冷たく凍っている

 

感情というものが失われ冷血動物のようだ

 

誰もが素知らぬ顔をし困っている人たちを素通りする

 

例え、乱暴されていようと殺されていようと

 

僕たちは素知らぬ顔をする

 

 

 

 

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心がほどける小さな旅    益田ミリ

2020-08-29 10:04:46 | 本の紹介

幻冬舎文庫      2012年

 

この本が8月になって初めて読了した本(8/14)。

 

ほかの本も読んでいるが、さくっと読めたこの本が

 

一抜け。

 

等身大の身近な言葉で旅を表現していて、ボクみたいな

 

フツーの人(いや、ボクにもフツーの人の感覚あります

 

って)にとってはこういう本の方がほっこりとして良い

 

のだね。背伸びしないで、地に足がついている感じ。まあ、

 

表現とか文章がね。

 

マンガのこの女の子の顔をみただけで、なんか癒されてしま

 

うね。癒し系っていうの? けど、本人はけっこうクサクサ

 

するらしくて、それで旅にでるみたいなんだけど、癒し系は

 

癒し系でタイヘンなんだろうね。

 

マンガじゃないミリ氏のを選んだのだけど、今度はマンガのも

 

読んででみようかな……合掌。

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忘却      鶴岡 卓哉

2020-08-28 15:10:00 | ポエム

何もかも忘れてしまった

 

猫と遊んだ公園も長距離トラックの助手席も

 

僕には何もないのだ

 

もう死滅してしまったその記憶の彼方で

 

僕は何かを見る

 

それは虚無的な夢の破片で

 

僕は戯れながら涙を流し

 

ふと振り返ると見知らぬ母がいるのだ

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望     鶴岡 卓哉

2020-08-27 14:56:30 | ポエム

 

打ち捨てられた芋を吊るした籠を見ている

 

忘れ去られたスケートリンクで少女が舞う

 

また今日も何も獲れずに終わったと嘆く

 

苦し紛れに少年は叫ぶ、永遠の夕焼けを見た、と

 

魂の欠片と僕は戯れる、楽しくはない

 

毟り取られた花はいつか枯れゆき、僕を刺す

 

冬景色に溶ける犬の遠吠えで僕はうつろに耳を澄ます

 

全開になったドアの向こう側で僕は飛び越える

 

永遠の向こう側へと

 

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丸の内魔法少女ミラクリーナ    村田沙耶香

2020-08-25 03:42:22 | 村田沙耶香

角川書店   2013~19年

 

これはSFというジャンルに属するのか? いや、

 

いつも村田女史は未来を志向している。

 

いつもこれからのセクシャリティについて考えている。

 

時に、それは感情問題について、だったりする。

 

「怒」について、言及した、変容。「性別」について

 

ストーリー化した無性教室。

 

36歳になった今も、魔法少女になることをやめず、ついに

 

現実が理想を超えていく感動すら覚える表題作の丸の内魔法少女

 

ミラクリーナ。

 

「怒」はコントになってしまっている。いや、それは悪いと

 

かいうんじゃないが、装置として、小説というものが劇場化して

 

いる。誰も奪えないだろう感情を失ったとき、人類はどこへ行く

 

のか? 「狂気」に満ちた世界で彼らは純然たる「正義」を見る

 

のだ……合掌。

 

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東京100発ガール   小林聡美

2020-08-24 05:54:51 | 本の紹介

幻冬舎文庫    1995年

 

この世界で一番怖いものをひとつ挙げよ、と問われたら

 

迷わず、退屈、と答えるだろう。

 

退屈ほど怖いものはなく、人をダメにするものはない。

 

ボクもエッセイをいろいろ読んできたが、ダメな人も

 

けっこういた。その命題たるものは、退屈である。

 

という一語に尽きる。文章にアレがないとダメなのだ、

 

と思う。アレ、とは、アレである。そう、ボクもとうとう

 

ボケてしまって、アレというようになってしまってねえ、じゃ

 

なく、アレだ。

 

アレっていうのはアレである。そのアレってやつがこの人には

 

あるのだと思う。檀一雄にもあったし、開高健にもあったアレ

 

である。

 

いや、それは褒めすぎかとも思うが、30歳にして、アレを持

 

っているとはすごいねえちゃんだったんだねえ。

 

ナチュラルボーン的なものかとも思うが、ボクも持って生まれて

 

きていればええなあ、と自分の才能に若干の不安を持つおれっち

 

だった……合掌。

 

 

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アジア 裏世界遺産とんでもスポットと人を巡る28の旅  マミヤ狂四郎

2020-08-23 02:24:14 | 本の紹介

幻冬舎文庫    2008年

ボクの読書遍歴も迷走中といったところか。

 

だけど、この笑撃のエッセイは、退屈をしらない。

 

みたこともきいたこともないような人や場所が28

 

もでてくるのだから。

 

ほっぺに串を刺して、背中に針を刺して、犬の散歩よ

 

ろしく歩いているおじさんや、ブノンペンでは違法の

 

ゲームソフトをやり放題のゲーセンとか、1ドルぽっきり

 

の病気感染アリの入れ墨屋さんとか、フツーの人だったら

 

怖くて行けないようなところにズンズンドコドコと潜入!

 

リポートしてくれる。

 

ボクは臆病だし、汚いところはNGなので、絶対にムリで

 

ぇぇぇぇす……合掌。

 

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凛々乙女     小林聡美

2020-08-21 14:44:55 | 本の紹介

幻冬舎文庫   1993年

写真ものっているのだが、93年ってそんなに

昔だったかな、と思うが、25年も前だった。

なんかうちひしがれてしまうのは、暑さのせい

だけであろうか。

女って怖い、のひとつにナチュラルメイクがあ

るのは、今や、男の新常識であるが、あのころ

カミングアウトするのってすごいな、と思う。

あのナチュラルメイクで、ボクなんか、どんな

女みても、でも、メイクとっちゃえば昔の女子

プロでしょ? と女に逆片エビ固めでギブアッ

プを取られ、即タップしてしまう、か弱い男な

のだった。とにかくこの人は女優ですから、ど

こまでがフェイクで、どこまでがリアルかはわ

かりません。すべてがフェイクって可能性もな

くはないわけですから。

でも、なんかおもろいやつだな、と思った。オ

ブラートに包んで書いてはあるが、う×こが大き

すぎて詰まらせてしまった話、とか、スマップの

ファンを自分のことだと思ったり。

三十前はまだまだ乙女っていっていいんじゃない

か、と思うのは、ボクがおじさんになったからで

しょうねえ😅……合掌。  

 

 

 

 

 

 

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彼と自分    鶴岡卓哉

2020-08-16 21:06:31 | ポエム

僕は切り離されてしまった自己というものを

探求しているんだ、と彼は言う

僕は、また一人遊びで見る落日

新しい文学的な作法を研究すること

銀色の毛虫を集めることが一日の過ごす日課

彼は失われた人でビートを聴いても何の反応もしない

聴力が損なわれてしまったみたいだ

もう時代は待ってはくれない、彼は喘ぎながら

川底を這うようにして、転がりながら

のたうち回るしかないのだ

 

 

 

 

 

 

 

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