古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

無意識過剰      阿川佐和子

2019-05-31 00:38:35 | 本の紹介
文春文庫   1997年


うちで飼っていた飛びちゃんも夏になるとノミが湧いた。死する


半年前に動物病院に連れていくと、なんて汚ぇネコだ、といわん


ばかりに医者は眉をひそめて、ノミ退治の薬をつけてくれた。


それ以来、ノミはいなくなったが、それ以前の13年くらいは飛び


ちゃんはノミと共に暮らしていた。ノミの恐怖と共に、夏が怖か


った思いがある。



阿川さんは六十を過ぎて,ご結婚されたらしいが、この1997年


当時でさえ、老化を嘆いておられるので、よく結婚に踏み切られ


たなあ、と思うが、父上が長生きだし、阿川さんもきっと長生き



されるだろうから。


けど、おしぼりで顔を拭くのはやめた方が良いと思いますけどねえ


……合掌。


                         (鶴岡 卓哉)
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二百回忌    笙野頼子

2019-05-18 12:11:33 | 小説の紹介
新潮社    1992年~1994年


この作品集のトップバッター「大地の黴」。うーん、わからん!


とわからんなりにゆっくりと咀嚼すれば、理解はできる、うんうん、


そうかそうか………………。次に「二百回忌」うんうん、わからんゾ、い


や、こんな作品を簡単にわかってます、といって読むヤツこそわかって


ないのだ。こういう世界観嫌いじゃないゾ、いや、むしろ、こういう


奇妙なのは好みである。「アケボノノ夢」でテーマはうんこか…………いや、


さすがにバッチイな…………と油断していると、ラストの、「ふるえるふ



るさと」………………うーん、すいませんでした、なめてました、わかりまし



ぇーん…………トホホ…………となったのでした…………合掌。



                       (鶴岡 卓哉)
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サイン・オブ・ザ・タイムス    ミケランジェロ・トマス

2019-05-17 10:20:29 | 本の紹介
水声社   2016年


ボクにとってのプリンスはヒーローであり、開拓者であり、アート


やものをつくったり、ひいては書いたりすることいについて教えて


くれた師である。


ところで、ミケランジェロさんとは誰だろう、結局、困窮した生活


をしていた苦労人ということしかわからなかった、文章も大して巧


くなかった、いや、訳のせいかもしれないが、少なくとも、あと、


五年はかかりそうな感じだった。


アルバムのサイン・オブ・ザ・タイムスがなかったら、いや、プリン



スがいなかったら、ボクの生活はホントに味のしないステーキのよう



なものだったろう。


それはスパイスであり、絶妙な焼き加減の肉である。


プリンスが亡くなって三年経つが、世界のどこかにプリンスが存在


しているということはボクの励みになっていたが、喪失感は拭えな


い。でも、三七枚のオリジナルアルバムはボクを日々を勇気づけている。



                        (鶴岡卓哉)


               
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おじさまの法則   泉麻人

2019-05-14 12:07:05 | 泉麻人
光文社文庫   2001年~2005年


15年くらい前までに泉さんが40代後半のときに書かれた


エッセイ群。


ボクは、けっこう泉さんの本を読むんだけど、どうも体が馴


染まないというか、泉さんの顔が悪いので、苦手というか。


コンサバ系で、オ坊ちゃん系なので、なんかなよなよ感が


否めないダサさを感じていた。


と、読んでいると「愛犬家」だという。結局、嫌悪感の根は


そこだったのだな、とはっきりとわかった。犬の好きなヤツ


となんかと仲良くなれねえよ、という猫好きの本心。


その犬好きというエッセイを読んだあとは、犬くさくて、そ


れ以降のエッセイが読めなくなってしまった。


犬ってくさいよね、中坊のとき、犬くさい家があって、上がって


といわれてえらい困ったことがあった。それがトラウマなんだよね。


そんなことを思い出した。



世の中にはいい匂いの犬もいるんだろうけど、ボクはクサい、凶暴な


犬にしか出会わなかった…………トホホ…………(爆)
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ゆで卵    辺見庸

2019-05-12 14:11:56 | 小説の紹介
角川文庫     1995年


「ゆで卵」という作品は、作者がオウムのサリン事件に


遭遇した際のできごとをモチーフに描かれている。その


他の短編を読むと、創作ものも多いので、あの読んだ「


ゆで卵」は、作者の妄執によって描かれたのではないか、


とあとで思えてくる。


人が死ぬと、女性のニオイのするニョクマムのような


ゆで卵をほおばる、というモチーフは実にエロティックだ。


水という作品に、水を噴く女性が描かれているが、これを


読んで、先日亡くなった紅音ほたる、というAV女優を思


い出した。


紅音さんの潮吹きは見たことのない人が想像する25倍は


スゴいものだ。ボクのAV人生は20年近く続いたが、


あとにも先にも紅音さん以上の人を見たことはなかった。


アッという間に人生だったが、カノジョは水のように、潮


のように人生を生きた。あっ、紅音さんの話しになってし


まっていた、失敬…………辺見さんの小説、エロかったっス


…………合掌。
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残るは食欲     阿川佐和子

2019-05-07 14:49:31 | 本の紹介
新潮文庫     2008年


子供のころは揚げ物にはブルドッグソースと決まっていたが


広島に来て、オタフクソースに出会い、もっぱら揚げ物には


オタフクソースとマヨネーズである。


目玉焼きには、ボクは醤油ですね。半熟の黄身に醤油を垂ら


して絡んだ味は大好きッス。とんかつに、醤油はまずないな。



ソース、それもドロッとしたオタフクソースみたいな濃厚な



ヤツがいい。とんかつにオタフクソースって邪道なのだろう


か?


ボクはハハと食べるときや外食のときはよすけど、ひとりで


食べるときはなんにでも一味を真っ赤になるくらいかける、


うどん、そば、やきそば、なんにでも。


そんなにかけちゃ体に悪いと、中島みゆきさんに言われそう


である………合掌。


                    (鶴岡卓哉)  

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GO   金城一紀

2019-05-04 15:05:26 | 小説の紹介
講談社    2000年



高校のころ、墓荒らしはするわ、ヌンチャクをぶん回しては、近づいて


くる者をドツキ回してるようなヤツが、朝鮮学校のヤツらには誰もかな


わねえよ、といっているのを聞いて、そんなに強いのか,スゲえな、と


思ったものだったが、生活していて、その手に人たちには遭遇したこと


はなかった。


あまり国籍について考えることはないか、と思うのだが、あ、いや、ボ



クはあんまり考えないのだけれど、国籍が違ったりすると、考えるのだ



ろうなあ、と思い至り、となりの国って言うのが一番仲が悪いっていうし


な。


WWⅡのこともあるし、本質的に今の80代の人は朝鮮人を下に見てる



っていうのはあると思うけど。



韓国行っても、日本人だとわかると、イヤな顔されるらしいし、それは



お互い様かな、なんのお互い様だ! まあ、お互いいい顔はできないっ



てことだ、そうなのか? それが世間だ、そうかな?。



北朝鮮の国体にも関係してるのかな、とは思うが、内政干渉ということで



どうにもできないというのがどうにも歯がゆい………………合掌。
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眼の探索    辺見庸

2019-05-03 11:29:52 | 本の紹介
辺見さんは死刑に反対されているが、ボクとしてはどっちと


もいえない。明文化できないところにボクの煮え切らないと


ころがあるのだろう。


記憶の問題として、事件の証人としてその事件を殺すことに


なるのではないか、と辺見さんは言う、まあ、確かに………………。


永山則夫の書いた「木橋」はこのブログでも取り上げたと思う


が、出来としてはイマイチだが、その生い立ちなどを考えると


よくあそこまで勉強したなあ、と思う。


人を殺したら、どうするのか。大抵思い悩み、悔いるのがフツー


だが、そうじゃない人って言うのもいるんじゃないだろうか、


根源的に悪人という人も。


ボクは釣ってきたちっさなハゼさえ殺せず、逃がしてやる、心優


しきクソヤローでしかないんだけどね……トホホ…………合掌。
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淋しい狩人   宮部みゆき

2019-05-02 10:01:50 | 小説の紹介
新潮文庫      1993年


連作短編6編。おじいちゃんのイワさんと孫の稔が活躍する


犯罪小説?。


犯罪小説という真意は、推理小説と書くほどではない、という。



ちょっと違法から、完璧に違法まで幅広い。その語り口も軽く、


深刻にならないところが宮部流。


極上のエンターテイメント小説に仕上がっている、と感じた。


おじいちゃんのイワさんが義理人情に厚い、手の出る人に描か


れている。6作、それぞれが主題は異なっていて、飽きずに読


めるはずです。


読書初心者にはうってつけではないですかねえ。
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エスケイプ/アブセント     絲山秋子

2019-05-01 15:52:03 | 小説の紹介
新潮文庫    平成18年


この(元)革命家は革命家であったときも、なんらかの


活動をしたのであろうか?


ただ単に革命家だ、と名乗っていただけなのではないだ


ろうか? それを名乗るを止めたところで、それは革命


家でも(元)革命家でもなんでもない。ただのおっちょこ


ちょいの革命家気取りだった男の話しに過ぎない。



かといって、その気取りの話しがつまらないか、と言われ


れば、そんなことはない。ふざけた男のふざけた話しとし


ては、おもしろい。でも、ただ、それだけだ。


絲山さんという女流作家が男を描くのに、こんな「コスプレ」男


しか描けなかったとは実に残念だと思う。


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