古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

東京日記6      川上弘美 絵・門馬則雄

2021-05-26 10:32:57 | 川上弘美

さよなら、ながいくん。    2021年

 

アマゾンで川上女史をチェックすると、なんと東京日記6

 

がでているではないか! これは速攻ポチッ案件ですな。

 

一層、物語性が強くなった気がする。そもそも日記という

 

ものはひとつの人生という物語であるわけだけれども、この

 

日記も20周年だそうです。

 

このながいくんというのは傘ですね。台湾まで持って行った

 

長い傘。ながいくんを不覚にも東京で失くしてしまうという

 

話しですね。

 

川上女史はいつも通りビクビクして、少し泣いている。お約

 

束である。そこがチャーミングで、なんとも抱きしめたくなる。

 

いえいえ、気持ち的にですから、ご安心を、って何に?……合掌。

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地獄行き    鶴岡 卓哉

2021-05-24 23:09:51 | 詩・ポエム

地獄行き        


何のことを言っているのやら

そやつのいうことには、この電車は地獄に行くんだとか

気でも違っているのかと思う

ワケの分からぬことを言い続ける

俺はシカトし、混み合った電車の中で新聞を読み始めたが

その新聞にも同じようなことが書いてある

これは皆目分からぬと思っていると

事故があったとアナウンスがあった

電車は三十分停車し、また走り始めた

 

おれの好物? そりゃ、キャビアだな。いやいや、キャビアはご主人様は食わしてくれなんだ。ほんとはサッポロ一番塩味なんだ、へへっ。ずるずるっと、いくんだな、これが。

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屍       鶴岡 卓哉

2021-05-22 11:19:08 | 詩・ポエム

屍       



青い屍を踏みつけた

遠い過去から来た自分のことを

今俺は赤い屍となり時間のはざまにいる

永劫となり果てて見たその世界は美しいとは言えなかった

ただ荒涼とした荒野のような空っ風が吹き荒ぶ寂しいところだ

俺はずっと死にながら

その荒んだ地を独り、歩き続けている

 

 

 

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吉行淳之介エッセイ・コレクション1  紳士

2021-05-21 10:27:19 | 本の紹介

荻原魚雷・編  ちくま書房

 

つねづね紳士というものに憧れ、なれるものならなって

 

みたいと思っている。

 

この書は吉行氏の考える紳士論と同時に、自身のことを

 

語った本である。

 

ぼくは賭け事というものは、たしなまないのだが、それに

 

ついて読むのはわりと好きらしい。おもしろく読んだ。

 

阿川提督とも飲み仲間だったらしい。コイコイをよくやっ

 

たらしい。

 

吉行氏は喫煙者で一日40本は吸うということらしいが、

 

それが原因か、晩年は病気がちだったらしい。ご自分では

 

ニコチン中毒ではないというし、40本吸ううちの35、

 

6本は苦痛でしかない、と語っておられるので、それなら、

 

止めろよ、と思うのだが、止めないあたりが淳之介流だと

 

感じる。

 

それにしても、装丁の似顔絵、似すぎだぞ、南伸坊氏の

 

作であるという。……合掌。

 

 

あーあ、ヒマだなぁ。晩酌に、焼酎で一杯やって、肴にねぎっこ焼きでも買ってこようかなぁ。

 

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魂      鶴岡 卓哉

2021-05-18 10:16:19 | 日記、ポエム

台風が近づいているようで、心配

ですが……。

昨日は、広島はホントに暑かった

です。今日は、ちょっと涼しいで

すが、それでも、暑いですね。

ジャケ借りしたアーティストをウィ

キペディアで調べるという作業を

ヒマでやってるんですが、驚くこ

とはままあります。昔聴いていた

人で死んでいた、それも結構前に

死んでいたということもあります。

FALCOさんなんてそうでした。98

年に事故死しておられました。ロッ

ク・ミー・アマデウスという名曲

を生み出されたんですが、ご存知

でしょうか?

では、詩をご紹介します。第二詩

集「名のなき詩集に名を付ける」

から、魂、というタイトルの詩で

す。(※ 2014年の10月11日

の話しです。その日に初うp

しております)





魂        



頭からウサギのような耳の生えたそ奴に魂の在処を訊ねると

そ奴はせせら笑った

俺は魂のことなどに気を取られたことなどなかったのだが

今頃になって魂のことで不安になったのだ

魂と訣別したという黒い噂は過去のこと

今の俺は魂が心配だった

しばらくしてそ奴はまた現れてこういった

良く魂を守り抜いたな、と

俺はそれでホッと胸を撫で下ろしたのさ

幾度の格闘ででも俺は魂を失ったりしなかったことを……

 

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右側は危険だ    鶴岡 卓哉

2021-05-16 16:41:59 | 詩・ポエム

右側は危険だ  


右側を走る

右側を歩く

右側に進む

右側に曲がる

右側を見る

右側から声をかけられる

右側は危険だ

魂に気をつけろ

 

ねぎっこ焼き、いかがっすかっー。詩に不似合いなんじゃないですかねえ。特に右側のねぎっこ焼きには気をつけた方がいいですねえ、ねえ、解説員?

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君のことで    鶴岡 卓哉

2021-05-15 12:29:20 | 詩・ポエム

君のことで   



なぜかラムネが冷蔵庫に三本も入っていて

それは暗号か何かなのか

それにテーブルの上には見知らぬ花が一輪置いてあり

とにかくそれで僕は君が去って行ったことを確信した

僕には小さな猫が一匹いるだけだったし仕事もなかった

だから仕方のないことかも知れないとも思った

君が去って行ったことで僕は変われるわけもなく

いつものようにクッキーを齧って暮らし続けた

 

 

わしは腹がへったことがない。石だからじゃ。腹がへらんとは、食わんでええ、ゆうこっちゃ。ださんで、ええ、ゆうこっちゃ。だから、わしは千年先もこのまま、ゆうこっちゃ。

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病巣    鶴岡 卓哉

2021-05-13 16:11:27 | 詩・ポエム

病巣   



コールガールの寝言が耳に残る

それは膿んだ闇の言葉

貝殻を開ける熱に似て高熱病的

その冷却装置の故障が彼女の病巣

そこには熱気を放つムシがウジャウジャと蠢いている

それは形容しがたいニオイを放ち

自分では気づかないまま放置され

膿みながら熱を放ち続ける

 

 

仏の道に入りとな。否、それはやめといたほうがよかろう。まず、第一にねぎっこ焼きがいつでも食べられなくなるぞ、それでもええのか? そうか、それなら、止めるのはよそうかね。

  

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酔いどれ紀行     山口瞳

2021-05-12 07:22:04 | 本の紹介

新潮文庫  昭和59年

 

文章のおかしいところが散見されて、おしまいには横浜港

 

山下桟橋の山口氏の風景画が逆さまになっていた。これは

 

だめでしょう。

 

だから、ぺーぺーの作家かと思って調べたら、直木賞作家

 

だった、有名でもあるし、このつくりはまずいんじゃない

 

のか。

 

けど、内容のほうは上の歯が一本しかなくて、ものを食べる

 

と切り取り線みたいになる、とか、序盤はおもしろかったけ

 

ど、まあ、大した話しもなく、ときどき、くすくすと笑うく

 

らいで終わったね。このひとが友達だったら、おもしろいけ

 

ど、丸谷才一氏がいうようにちょっとうるさいかもな。

 

ドスト氏と山口氏の風景画も載っている。ヒマつぶしには

 

丁度良いやもしれぬ。……合掌。

 

 

又を開いて十五年、飛ぶ猫と申ぜて飛び丸と申しましたが、拙者、2019年に旅たちました。ご近所へ、ではなく、メイドへです。メイド喫茶には行ったことはないけど、楽しいとこじゃないかな。

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海     鶴岡 卓哉

2021-05-10 04:53:15 | 日記、ポエム




その青い海はまるで楽園で

そこはハワイのようなところだったが

その海の波頭の白い泡も、その砂粒も

そのビキニの女の足も、滑走するボートも、現実ではない

僕は呑気にビーチで寝転がっていて

そんなことには露とも気付かずに

その空を信じていた、海を疑わなかった

だが、それらはただの夢だ

僕の創り出した、仮の住まいなのだ


2014年10月ごろの風景。なんかそれなりにおしゃれな感じですね。良かったんじゃないですかねえ。

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